2012年4月14日土曜日

新技術による中国漢方有害・違法物質検出法 ・・・ & あらためて思う、エフェドラ放置の日本

エフェドラ含有されたままの日本のOTC/処方漢方、東アジア以外の諸外国からどう思われているのだろう?


中国漢方中の成分を最新技術で検査した結果、様々な有害物質、違法的成分検出。

Chinese herbal medicines contained toxic mix
Ingredents from poisonous plants, endangered animals and allergens detected in products
CBC News
Posted: Apr 13, 2012 2:19 PM ET
http://www.cbc.ca/news/health/story/2012/04/13/chinese-medicine-traditional-hazards.html

Deep Sequencing of Plant and Animal DNA Contained within Traditional Chinese Medicines Reveals Legality Issues and Health Safety Concerns
Coghlan ML, Haile J, Houston J, Murray DC, White NE, et al. (2012)
PLoS Genet 8(4): e1002657. doi:10.1371/journal.pgen.1002657


オーストラリアの研究者は最新のDNAシーケンシング技術を用いて、中国漢方中の植物・動物成分を調べた。

腎障害(バルカン腎症など)との関連や発がん性示唆されるアリストロキア酸や、有害性ハーブであるエフェドラを検出。

アレルギーを引き起こす可能性のある、ナッツ、大豆など成分表示の無いものも検出

4種の動物、68種の植物を検出。

漢方の考えは様々な成分の組み合わせを肯定的に評価するのが基本で、 様々な成分が含まれる可能性がある。

上記以外にも、ツキノワグマやサイガアンテロープといった絶滅危惧種動物まで、検疫上・保護取引上問題ある成分も含まれる。

正しく、種レベルまで成分を調べる方法としてのDNAシーケンシングを活用することが、この報告で提案されている。 





日本の医療の不思議の一つは、“漢方”

特に、エフェドラである“麻黄”に関する有害性認識が欠如している、日本の医師たちや厚労省などの行政担当者達。

“The analysis revealed a plant ingredient called aristolochic acid, which is known to cause cancer and damage to the liver. They also found the potentially poisonous herb ephedra.”

欧米の医師たちから見れば、 “麻黄”なんて、腎障害作用のある“アリストロキア酸”と同様の認識なのである。


 処方薬剤どころか、OTCなどに多く含まれる“麻黄”

米国では、メジャーリーガーの死亡以降、 エフェドラOTC禁止処置がなされている。

日本では、厚労省はわざわざ“エフェドラ情報”をウェブ記載しながら、規制の動きが見えない。

なんらかの圧力があるのだろうか?

国は、ナイシトールなどの麻黄含有製品を放置し続けるつもりか? 2008年 07月 16日

非劣性試験のサンプル数:麻黄湯の記事にもとづいて疑似計算してみた 2009年 05月 23日

インフルエンザ:あぁ・・・薬害啓発軍団・メディア・医師・・・・・このステレオタイプな動き 2007年 12月 11日


“薬害”を声高に叫ぶ団体はなぜか漢方の害に関する問題提起はしないようだが・・・

ニコチンパッチ:禁煙治療失敗例後喫煙再発予防効果あり



ニコチンパッチは禁煙の試み失敗後、禁煙成功の手助けになるかもしれない。


禁煙の試みをしながらも、再開してしまうことが多い。喫煙回帰しないための介入が必要。
ニコチンパッチがこの再開阻害効果があるという報告があり、その検証を行ったとのこと。

Continuing to wear nicotine patches after smoking lapses promotes recovery of abstinence
Addiction
Stuart G. Ferguson , et. al.
Addiction  Article first published online: 22 MAR 2012
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1360-0443.2012.03801.x/abstract

8米国地域臨床トライアル

509名、介入群(21mgニコチンパッチ ) 240名、 プラシーボ 269名

3-5週間治療期間、ランダム化二重盲検プラシーボ対照化研究


activete介入群のニコチンパッチ vs プラシーボ
6週後 8.3% vs 0.8% 相対リスク 11.0 P<0.001

10週後 9.6% vs 2.6% 相対リスク 3.7 P<0.001




“チャンピックス”の運転事故へのインパクト検証されないまま、車社会の田舎では、“チャンピックス”治療困難となっている。
愚痴はさておいて、ニコチン補充療法も使いようで、初期禁煙介入としては必ずしも評価の高い代物では無かったが、喫煙再開阻害としては存在感があるようだ。

Nature: 中国の幹細胞治療に警鐘


英科学誌:中国の幹細胞治療に警鐘 「効果期待できず」 毎日新聞 2012年04月14日
http://mainichi.jp/select/news/20120414k0000m040118000c.html
  胎児のへその緒などから採取した幹細胞を使い、高額で未承認の難病治療を行うクリニックが、中国各地に広がっているとの報告を、12日付の英科学誌ネイ チャーが掲載した。一部のクリニックは幹細胞の注射でアルツハイマー病や自閉症の症状が改善したと宣伝するが、同誌は「治療効果が期待できないだけでな く、深刻な副作用の恐れもある」との専門家の見方を紹介し注意を呼び掛けている。



"日本の事例も報道"が気にかかる。

今のところ、 原文には、日本の事例報道記載が見当たらないようだが・・・

Nature News
China’s stem-cell rules go unheeded
Health ministry’s attempt at regulation has had little effect.
David Cyranoski  11 April 2012
http://www.nature.com/news/china-s-stem-cell-rules-go-unheeded-1.10410

医薬品・化粧品に含まれるフタル酸:2型糖尿病発症リスク増加?

Circulating Levels of Phthalate Metabolites Are Associated With Prevalent Diabetes in the Elderly
P. Monica Lind (Uppsala University), et. al.
Diabetes Care April 12, 2012 


スウェーデンの研究者たちが高齢者の2型糖尿病発症リスクとフタル酸代謝物の関連性を示した。
 
性別補正で、糖尿病は有意に、モノエチルフタル酸(MEP:noethyl phthalate)の存在は、オッズ比 1.30( 95%CI 1-1.69, P=0.049)、モノイソブチルフタル酸(MiBP: monoisobutyl phthalate)の存在は、 オッズ比 1.25( 95%CI 1.07-1.46、P=0.006)と相関すると報告。
さらに、コレステロール、TG、BMI、喫煙、運動、教育レベル補正にて、有意差に相関性残存





フタル酸は、化粧品、薬剤にも含まれ、核内PPARを介し、脂肪・脂質のホメオスターシスに影響をあたえることが考察されている。




添付文書情報”で、“フタル酸エステル”を検索すると、50種以上検索される。




Polychlorinated Biphenyls and Organochlorine Pesticides in Plasma Predict Development of Type 2 Diabetes in the Elderly:
The Prospective Investigation of the Vasculature in Uppsala Seniors (PIVUS) study
Duk-Hee Lee et. al.
Diabetes Care August 2011 34:1778-1784; published ahead of print June 23, 2011, doi:10.2337/dc10-2116 ...PIVUS) study

著者は、ポリ塩化ビフェニールや有機塩素化合物と2型糖尿病の関連性を報告している。

2012年4月13日金曜日

レビュー 新規抗凝固薬:血栓塞栓・心房細動卒中予防

静脈性血栓性疾患、慢性心房細動に対する治療予防 の以下内容のレビュー

1)新規薬剤開発の必要性
2)臨床トライアル有効性/安全性
3)検査モニタリングの必要性
4)臨床現場での新規薬剤使用の方向性


フリーテキストだから紹介というだけで・・・


NEW ANTICOAGULANT DRUGS FOR TREATMENT OF VENOUS THROMBOEMBOLISM AND STROKE PREVENTION IN ATRIAL FIBRILLATION
Armando Tripodi, Gualtiero Palareti
Journal of Internal Medicine
Accepted manuscript online: 24 MAR 2012
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2796.2012.02541.x/pdf

直接作用性のトロンビン、Xa 阻害剤が臨床的に利用できるようになった。従来の抗血栓薬剤に関する諸問題に対し克服可能な部分もある。経口投与可能で、半減期が比較的短く、therapeutic windowがやや広く受容性が広がり、予測可能な量反応関係、定期的検査・用量補正が不要。
これらの特性は、ヘパリンやビタミンKアゴニストにくらべ医師・患者にとって管理しやすくアピールされるものである。
臨床トライアルを臨床現場に適応一般化することは容易でなく、第IV相での有効性・安全性確認が必要。

Dabigatran(プラザキサ)
・ 急性VTE : RE-COVER研究
・ VTE二次予防 : RE-MEDY 及び RE-SONATE研究
・ 非弁膜症性心房細動 : RE-LY研究

Rivaroxaban
・ 急性DVT治療 : EINSTEINプログラム
・ 非弁膜症性心房細動 : ROCKET AF研究
(日本人対象 J-ROCKET AF ;参考 http://therres.jp/1conferences/2012/JCS2012/20120322112400.php

Apixaban
・ 非弁膜症性心房細動 : ARISTOTLE研究
・ 心房細動 : AVERROES研究
・ VTE治療 : AMPLIFYプログラム

新規薬剤の検査コントロール

将来の方向性

Matsuda index 、 Liver IR index



◆ Matsuda index

Matsuda (–DeFronzo insulin sensitivity) index:インスリン感受性評価指標。当初はComposite Indexあるいは ISI(comp)という表記を用いたが、次第にこの名前で呼ばれるようになった。
http://mmatsuda.diabetes-smc.jp/newpage115.html

“理論的には75gブドウ糖負荷試験時の血中ブドウ糖濃度(mg/dl)と血中インスリン濃度(μU./ml)の基礎値の積と反応のAUC(area under he curve)の平均値との積の幾何学平均を分母にして10000を分子にして除したもの”で、“血中ブドウ糖濃度5つと血中インスリン濃度5つの合計10の数値の入力”を必要とする。

Matsuda–DeFronzo insulin sensitivity index is a better predictor than HOMA-IR of hypertension in Japanese: the Tanno–Sobetsu study M Furugen,
Journal of Human Hypertension 26, 325-333 (May 2012)

◆ Liver IR index

“空腹時血中インスリン(FPI)濃度増加 × 内因性ぶどう糖産生(EGP) 量増加”は、“肝インスリン抵抗性”を意味する。これを肝インスリン抵抗性増加の指標とする

 Liver IR index =
-0.091+(log insulin AUC 0-120 min x 0.400)
+(log fat mass% x 0.346) - (log HDL-cholesterol x 0.408)
+(log BMI x 0.435)

この式で相関性良好とのこと。



Liver IR index は、Matsuda ISIより、総コレステロール値、CRP、TGレベルに強く相関し、男性CVDリスクの強い指標となる可能性。

Association Between Liver Insulin Resistance and Cardiovascular Risk Factors
Jagadish Vangipurapu et. al.
Journal of Internal Medicine 
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2796.2012.02540.x/abstract;jsessionid=7790E1D1999E3A8D45F4035B1EB08190.d01t03


検査数値による類推&横断研究だから、エビデンスレベルとしてはさほど上位ではない報告。

指数のお勉強として、紹介した。

血中総テストステロン低値の特異性は低い・・・ いいかげんな基準で“男性更年期”を拡大解釈するな!

late-onset hypogonadism、時に”男性更年期”という、いんちき病名でよばれる病態が仮に現実に存在すると仮定する。
その場合でも、3つの症状” fewer morning erections, fewer sexual thoughts, and erectile dysfunction”と男性ホルモン低値と一致した場合にだけ、その病名を呼ぶべきである
( 男性更年期診断の厳格化によりその疾病はわずか2%となる ・・・ 疾患存在への疑問 2010年 06月 17日)。



男性ホルモンとしての低ゴナドトロピン血症測定は、血中総テストステロン値が初期検査として推奨されている。

男性ホルモン低値の基準に関しても、総テストステロン値評価は結合蛋白の問題などその値をそのまま信用するわけには行かない。

遊離テストステロンは グロブリン結合異常や正常下限での評価に用いられるわけだが、それをゴールドスタンダードにして、正常vs低遊離テストステロン判別パフォーマンスを検討。


Performance of Total Testosterone Measurement to Predict Free Testosterone for the Biochemical Evaluation of Male Hypogonadism
The Journal of Urology Volume 187, Issue 4, April 2012, Pages 1369–1373


 3672名の電子カルテでの低ゴナドトロピン評価

低テストステロン血症(280ng/dL未満)での、低遊離テストステロン血症、除外・予測のための、感度・特異度は 91.3%、73.7%。

閾値 350ng/dL未満、400ng/dL未満では、感度 96.8%、98.2%と増加する。

閾値 150ng/dL未満、200ng/dL未満では、特異性98.9%、92.6%と増加する。


血中総テストステロン 280ng/dL、350ng/dLでは、感度十分でなく
350-400ng/dLを越える場合、正常の遊離テストステロンと考えて良いだろう。

150ng/dL未満を除けば、低ゴナドトロピン評価の特異性は少ない。




遊離テストステロン値をゴールドスタンダードとしても、総テストステロンのカットオフ値は曖昧である。

また、男性低ゴナドトロピン血症としての "state"としての存在としては存在する。だが、この低値を拡大解釈し、"disorder"としての存在を強調する医師たちが存在する。

 男性更年期障害:バランスを失った日本医師会雑誌の記載・・・生涯教育素材の価値無し 2011年 02月 05日
こういうタイトルをつける日本医師会編集部って、軽薄すぎる。
カットオフ値を曖昧にして、 本来正常な遊離テストステロン状態のヒトに男性ホルモン補充することのリスクを軽視しすぎている。

男性更年期のアンドロゲン補充療法・・・・エビデンス無し、リスク可能性大 2004年 05月 06日

noteへ実験的移行

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