2013年12月2日月曜日

運動パラドックス:運動後血管内皮機能2相性変化により説明可能

"Exercise Paradox"とは、運動トレーニングにて運動誘発酸化ストレス生じるはずだが、実際には運動訓練は長期的健康効果を生じる、これは、多分にフリーラジカル産生が減少するという説明( 1999 May;317(5):295-300.)、そして、脂質酸化に関しても回復期その除去が迅速になされる(Med Sci Sports Exerc. 1997 Aug;29(8):1036-9.という。



以下の報告を見ても、目新しい感じはしないが、 運動による急性効果をみたもので、JAP掲載だからそれなりに新知見なのだろう



Effects of acute exercise on flow-mediated dilatation in healthy humansJournal of Applied Physiologyvol. 115no. 11 1589-1598



 運動トレーニングの効果はよく研究されているが、一連の急激な運動の影響についてはその知見が少ない。運動による動脈機能への影響、徳夫に、血管内皮機能としてのFMD評価。

 FMDの即時的減少(nadir)は運動終了後すぐ生じ、その後、正常への復帰((supra)normalization response)が生じる。この2相性変化の程度である、強度と持続時間は、無数の要素により影響を受ける。運動刺激の性状、例えば、訓練者と非訓練者、運動手段のばらつきにより影響を受ける。運動後のFMD変化の原因となる刺激により2相性変化が異なる。shearおよび酸化ストレス、動脈径、抗酸化状態などに影響を受ける。

 上記影響が運動後血管運動反応のバランスが協調的働きで生じるということを筆者らは主張。

 急性運動後二相性変化が、トレーニングによる適応及び、運動の心血管系リスクへの影響が考えられるが実際はそうではないExercise Paradoxの説明になるだろう。


FMD →http://www.fmd-kensa.jp/pg7.html 

2013年12月1日日曜日

院外:救急隊員による鼻腔内フェンタニル投与

院外での救急隊員による鼻腔内フェンタニル投与の安全性と有効性の検討

小児・成人の整形外科、腹痛、ニトログリセリン無効急性冠動脈症候群でデンマークの研究

被験者79%で、疼痛スコア2以上の減少を示す。ただし、フェンタニル管理が十分なされていることが条件のようだが・・・

フェンタニル 50mcg、100 mcg等よ1回で、18歳未満や65歳超では薬剤量減量し、COPD患者や脆弱患者・栄養不良患者でも同様減量で、初期投与量追加は10から25分間隔。


Article in Press
Safety of Intranasal Fentanyl in the Out-of-Hospital Setting
A Prospective Observational Study
Anders P.H. et. al.
Annals of Emergency Medicine
published online 25 November 2013. 


Medpage解説:
http://www.medpagetoday.com/Anesthesiology/PainManagement/43189


疼痛の中、はやく病院に着かないかと、やきもきしながらという不幸な状況を緩和させることは、日本でも、十分かつ早急に、検討に値することだと思う。



一方では、フェンタニル関連死が、潜在的症例は発覚例の7倍程度ではないかとCDCが報告している。ELISA法による検査が行われるべきとしている。
http://www.medpagetoday.com/Psychiatry/Addictions/41273


【喘息】ICS/LABA合剤比較にて、LABA単独では喘息関連入院リスク増加 → ICS吸入の重要性!

COPDに対して、長時間作動型気管支拡張剤である、LABA(長時間作動型β作動性薬剤)、LAMA(長時間ムスカリニック作動性薬剤)使用を販売促進する傾向にある。

COPDにおいて、喘息要素のないピュアな症例では問題ないのだろうが、overlap syndromeが話題になってる昨今、COPD第一選択=LABA、LAMAという趨勢に関して疑念を感じる。



オーバーラップ症例比率
http://thorax.bmj.com/content/64/8/728/F3.large.jpg

70歳以上はむしろオーバーラップ症例が過半数


Dispensation of long-acting β agonists with or without inhaled corticosteroids, and risk of asthma-related hospitalisation: a population-based study
Mohsen Sadatsafavi , et. al.
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-203998


【背景】 吸入ステロイド(ICS)に、長時間作動性βアゴニスト(LABA) 薬剤付加管理の役割は広く議論されている。定期的処方refill患者の、ICS+LABA vs ICS単独、あるいは、LABA単独の喘息関連入院リスク評価考察を試み、薬剤fill提起行ってない対象者とも比較。
【方法】 カナダ・British Columbia地域行政医療データベース(1997−2012)を用い、喘息患者コホートのnested 症例対照解析を行った。
症例は、コホートエントリー後5年間の喘息関連入院歴。
症例毎に、年齢・性別・コホート登録日、喘息重度測定数項目を20までマッチ化。
直近12ヶ月のdispensation記録についての、ICS単独、LABA単独、 ICS+LABAについての、定期暴露、不定期暴露、未暴露でそれぞえカテゴリー化。
プライマリアウトカム測定は、定期暴露カテゴリー間での喘息関連入院リスクである。 

【結果】 3319症例を 43,023対照とマッチ化。
ICS+LABAの定期dispensationの相対リスクは
・ICS単独dispensation比較で、 1.14 (95% CI 0.93 to 1.41)
・LABA単独定期dispensation比較で、 0.45 (95% CI 0.29 to 0.70)
この定期LABA dispensation症例は、ICSの少なくとも3/4ではdispensationすべき対象であり、LABA dispensation症例に対して、リスク減少となった。

【結論】ICS+LABA定期dispensationは、必ずしも、ICS単独に比べ、喘息関連入院増加リスクと相関せず。ICSアドヒアランスはより重大な喘息関連アウトカム予防への重要な要素と思われる。

2013年11月30日土曜日

ラウンドアップがらみ遺伝子組み換え関連論文:論文撤回

こういうねつ造って、ホントにはた迷惑

遺伝子組み換え食品に関する疑念を払拭、あるいは、確認のための議論を撹乱するだけ・・・

そのうち、陰謀論みたいなのが世間に流布させる連中もでてくるだろうし


Science journal retracts French study on GM foods
http://www.thestar.com/news/world/2013/11/28/science_journal_retracts_french_study_on_gm_foods.html

Elsevier Announces Article Retraction from Journal Food and Chemical Toxicology
http://www.prnewswire.com/news-releases/elsevier-announces-article-retraction-from-journal-food-and-chemical-toxicology-233754901.html

  Food and Chemical Toxicology誌では、生データがない、そして、ねつ造・データの作為的虚偽証拠が指摘されている。

"Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize," by Gilles Eric Séralini et al. has been retracted by the journal Food and Chemical Toxicology (PubMed

“生化学データにて、重大な腎臓慢性障害を与える、全ての処理群、両性で見られる。ラウンドアップによる非線形攪乱作用の証明であり、遺伝子組み換えのtransgeneの過剰発現とその代謝結果である”という趣旨



1. Please see Food and Chemical Toxicology, 53 (1), pp. 440-483, for all Letters to the Editor and the response.
2. http://www.elsevier.com/journals/food-and-chemical-toxicology/0278-6915/guide-for-authors#8101 [http://www.elsevier.com/journals/food-and-chemical-toxicology/0278-6915/guide-for-authors ]

性的に飢え、念願成就できないショウジョウバエは短命

雄ショウジョウバエに興奮するよう仕組まれた雄ショウジョウバエは、ことを成し遂げることができない。それにより40%ほど寿命減少する


感覚知覚は、生物学的分類学上全体の加齢、生理機能へ影響を与える。雄ショウジョウバエ・前肢ニューロンサブセットにおける特異的味覚受容体に於ける、雌・フェロモン知覚受容体を研究
受容体を雄フェロモン刺激するよう細工し、雄のハエと一緒にすると、急激かつ可逆的に脂肪蓄積減少し、飢餓抵抗性減少、生存期間を減少、報酬系neuropeptide F発現するニューロン減少する。
長寿回路発現に影響を与える生物プロセス一連の影響をHigh-throuputRNA-配列実験で証明。matingにてフェロモンの影響は可逆的で、寿命は感覚系・報酬系のintegrationにより影響を受けることが示唆される。


Drosophila Life Span and Physiology Are Modulated by Sexual Perception and Reward
Christi M. Gendron et. al.
Science DOI: 10.1126/science.1243339



むりやりホモセクシュアルにさせられて念願成就もできない、かわいそうなショウジョウバエ君を対象とした論文とは無縁だが・・・


かなり不謹慎かもしれないが、頻回に報道される、ストーカーがらみの事件に関して・・・はたと思いついたことがある。

ホルモン・オキシトシンにより男性貞操深まり、報酬系が関与する 2013/11/26 
オキシトシン: うわき防止ホルモン・貞節保持ホルモン・一夫一婦制度保持ホルモン・・・  2012/11/15

ストーカーは、稀に女性も居るようだが、圧倒的には男性。かつて交際していた女性が忘れられず、自分の手でその人生を最後としようとする身勝手さは許せない。


この行動の根幹として、雄・男性のオキシトシン作用があるのではないかと考察してみる。すなわち、オキシトシンは、他の異性に魅力を感じなくなる、「貞操保持」「浮気防止」という良い意味の感情・行動と関連するが、一方では、これが悪影響を与えるとするなら、かつての交際相手・恋慕する女性への独占欲となるわけである。

何が言いたいかというと、ヒトを含むあらゆる動物の雄・男性は、ストーカーとなる要素があるのでは? ・・・ と、妻に言ったら、「気色悪い」と言われた。


ナノ粒子を経口投与治療で応用可能へ:経上皮細胞輸送

ナノ粒子治療に関して、非経口投与が試みられている。その臨床応用の障壁となっている。
新生児Fc受容体(FcRn)は、免疫グロブリンG抗体で、上皮バリアを通過する。腸管上皮をも通過するわけで、これを用いてナノ粒子経口治療に使用可能となるという報告



Transepithelial Transport of Fc-Targeted Nanoparticles by the Neonatal Fc Receptor for Oral Delivery
Sci Transl Med 27 November 2013:  Vol. 5, Issue 213, p. 213ra167 
Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3007049
Eric M. Pridgen, et. al.

乳がん:コレステロール主要代謝産物 27HCの関連性、 代謝の鍵 CYP27Aとの関連性 ・・・ 予防・治療に関連?


REPORT
27-Hydroxycholesterol Links Hypercholesterolemia and Breast Cancer Pathophysiology
Erik R. Nelson, et.al.
Science 29 November 2013: Vol. 342 no. 6162 pp. 1094-1098 
DOI: 10.1126/science.1241908

高コレステロール血症は、エストロゲン受容体陽性乳がん患者のリスク要素であり、内分泌治療への反応性減少要素である。


コレステロールの主要代謝産物、27hydrocholesterol (27HC)と、エストロゲン受容体、肝臓X受容体(LXR)リガンドはER依存増殖及びLXR-依存転移増加を、乳がんマウスモデルで見いだした。主要病理でのコレステロールの影響は、cytochrome P450 oxidase CYP27Aによる27HC変化が必要とされ、CYP27A1抑制でその影響は減弱される。


ヒト乳がん標本でも、CYP27A1発現レベルが、腫瘍増殖と相関

高度腫瘍にて、ヒト細胞と腫瘍関連マクロファージがこの酵素レベル発現を示す。


循環中コレステロールレベルや、27HCへの代謝への影響を調整することが、乳がん予防に役立つ可能性がある。

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...