2014年8月7日木曜日

エボラ:増大する脅威?

Ebola — A Growing Threat?

Heinz Feldmann, M.D.
May 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMp1405314
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1405314?query=featured_home



エンベロープを有し、non-segment、negative-strand RNAウィルス Filoviridae族に属する。marburvirusやcuevavirusが含まれる、5つの種類に分かれる。






全てのアフリカ・ebolavirusは、ヒトへの感染性あり、疾患進展、ビルレンスにばらつきはあるが、同様の症状で、致死率40%未満のBudndibugyo ebolavirusから、50程度のSudan ebolavirus、70-90%のZaire ebolavirusがある。単独記録例のためTaï Forest ebolavirusは、評価困難で、アジア系として唯一は、Reston ebolavirusで、ヒトへの無症候感染原因となる。


発熱、嘔吐、重症下痢などの非特異的症状で始まるのが通常。現行感染では、可視的出血は、半数未満。インフラストラクチャー不備なところでは、患者ケア・剖検に関するbiosafetyが問題。オナガザル・マカク属では致死率一定で、ヒトの病理・病態生理と類似し、モデルとして用いられる。

Ebolavirusに関しては、中央・サハラ下地域のオオコウモリにより広まるzoonotic pathogenであり、Marburvirusは、 Rousettus aegyptiacusオオコウモリがリザーバで。
ebolavirusは、分子・血清疫学的エビデンスがまで見いだされてない。Reston ebolavirusは、フィリピン島の豚で検出され、宿主の関わりが明らかになろうとしている。

ヒト・ヒト感染で流行が生じ、野生リザーバからののもの、あるいは終末宿主からのものであり、現行流行として遺伝し多様性を有する。

現在のfront-runner治療介入は抗体治療で、オナガザルでは成功。
 modulatory RNA (i.e., small interfering RNAs or phosphorodiamidate morpholino oligomers) はもうすぐで、synthetic drug-like small molecule, BCX4430も有望。

ワクチンとしては、遺伝子組み換え技法による、ウィルス様分子プラスミドtransfectionとeplication-incompetent and -competent viral vectorの利用。特に、後者の vesicular stomatitis virus vectorの有効性が、感染後24-48時間内投与で示されている。

介入戦略有効性が確立してない状況で、診断が対策として鍵である。
multiple reverse-transcriptase–polymerase-chain-reaction assayを用いたが現在主流。抗原検査も平行、迅速確認検査として用いられ、抗体はサーベイランスのような二次的使い方である。分子検出が新規変異、菌種、ウィルスに関して配列のconversionに依存し、検査確立の要である。流行期に接触のトレーシング時間経過プロセス、さらに生存者の社会への復帰時期など不明

vCJD患者の尿から、PrP Sc検出

たたみ込み異常プリオン蛋白(PrPScを含むspongiform encephalopaty、クロイツフェルト・ヤコブ病のvariant formに関し、潜伏期からその蓄積があることが示唆されている。



Prions in the Urine of Patients with Variant Creutzfeldt–Jakob Disease
Fabio Moda,et. al.
N Engl J Med 2014; 371:530-539August 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1404401


尿中から、protein misfolding cyclic amplification (PMCA) technique による、PrPSc 検出

・ vCJD患者から13/14検知

・ 他神経疾患や正常対照224例からは検知せず

感度 92.9% (95%信頼区間, CI, 66.1% ~ 99.8%)
特異度 100% (95%CI, 98.4 ~ 100%)



クロイツフェルト・ヤコブ病診断のための鼻ブラッシング試料RT-QulC 感度8割、特異度10割

予備的研究とのことだが、クロイツフェルト・ヤコブ病診断のための、鼻ブラッシング試料によるreal-time quaking-induced conversion (RT-QuIC)は、脳脊髄液のそれと同等以上のパフォーマンスを示す。

A Test for Creutzfeldt–Jakob Disease Using Nasal Brushings
Christina D. Orrú, et. al.
N Engl J Med 2014; 371:519-529August 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1315200


スポラディックなクロイツフェルト・ヤコブ病診断のための、real-time quaking-induced conversion (RT-QuIC)による脳脊髄液のprion protein (PrPCJD)検査の感度は80-90%


鼻ブラッシングによるRT-QulC解析の正確性検討



鼻ブラッシング試料回収RT-QuIC assay陽性
クロイツフェルト・ヤコブ病 30/31
probalbe症例 13/14
inherited クロイツフェルト・ヤコブ病 2/2

クロイツフェルト・ヤコブ病なし 陰性 43/43


クロイツフェルト・ヤコブ病診断のためのこの検査
感度: 97% (95% 信頼区間 [CI], 82 to 100)
特異度: 100% (95% CI, 90 to 100)


同じグループでの脊髄液試料比較で、感度  77% (95% CI, 57 to 89) 、特異度 100% (95% CI, 90 to 100).

鼻ブラッシング試料 RT-QuIC は、脳脊髄液試料より、より強力で、反応が早い。

105~107 prion seeds含まれ、脳脊髄液よりlogs10数オーダーの濃度の違いがある。

2014年8月5日火曜日

CKD:厳しい血圧コントロールによる死亡率増加の可能性

CKD患者への厳格な血圧コントロールの影響

本邦の2014年高血圧ガイドライン(JSH)では、血圧治療開始・コントロール目標 130/80未満だが・・・果たして妥当か?


Observational Modeling of Strict vs Conventional Blood Pressure Control in Patients With Chronic Kidney Disease
Csaba P. Kovesdy, et. al.
JAMA Intern Med. Published online August 04, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.3279


Historical cohort study using a nationwide cohort of US veterans with prevalent CKD


推定糸球体濾過率 60ml/min/1.73m 2未満

厳格なコントロールを、収縮期血圧 120 未満 vs 120−139 mm Hgとして propensity score解析


全原因死亡率を、log-rank test 、Cox比例ハザードモデル

CKD 65万1749名 のデータベース、検討クライテリア合致7万7765名
厳格コントロール(<収縮期血圧 120 mm Hg) 5760名、 穏当なコントロール(120 - 139 mm Hg) 72005名

フォローアップ平均 6.0年間、 1万9517名死亡

厳格群死亡数 2380   (death rate, 80.9/1000 patient-years [95% CI, 77.7-84.2/1000 patient-years])
穏当群死亡数 17 137  (death rate, 41.8/1000 patient-years [95% CI, 41.2-42.4/1000 patient-years];  p < 0 .001)


厳格コントロール vs 穏当コントロール の 死亡率ハザード は、1.70 (95% CI 1.68 - 1.78 ) ; propensity score補正

ACP:閉塞型無呼吸の診断はLabベースのポリソムノグラフィーが基本と推奨

 やはり、検査室ベースのポリソムノグラフィーが診断上ベストオプションと改めて確認。


全ての推奨において エビデンスレベルの質の低さが目立つ。
ポータブルモニター不適切なのは、心臓、呼吸器系、 神経疾患など中枢型無呼吸の可能性有る場合。



Diagnosis of Obstructive Sleep Apnea in Adults: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians
Amir Qaseem, MD, PhD, MHA; Paul Dallas, MD; Douglas K. Owens, MD, MS; Melissa Starkey, PhD; Jon-Erik C. Holty, MD, MS; Paul Shekelle, MD, PhD, for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians
Ann Intern Med. 2014;161(3):210-220. doi:10.7326/M12-3187
http://annals.org/article.aspx?articleid=1892620

Recommendation 1: 説明できない昼間の眠気の患者ではsleep studyをACP 推奨。  (Grade: weak recommendation, low-quality evidence)



Recommendation 2: 閉塞型睡眠時無呼吸疑い患者の診断のための検査にてポリソムノグラフィー(PSG)をACP推奨。 重篤な併発症患者のポータブル睡眠モニターは、診断検査としてPSG利用不能の時、PSG代替としての使用をACPは推奨。(Grade: weak recommendation, moderate-quality evidence)



2014年8月4日月曜日

高齢女性テロメア長:重大ストレッサーで短縮、健康ライフスタイル(睡眠、運動、食事)にて短縮軽減

健康高齢女性:テロメア摩耗の1年間という時間での決定因子、加齢と関わる各種疾患、卒中、認知症、心血管疾患、癌や他の疾患においてこのテロメア長摩耗との関連性報告されている。


では、ストレスと、健康行動問題のテロメア長摩耗への影響は?


重大なライフスタイルのストレス源は、比較的短期間で細胞の老化を促進することが判明した。そして、健康ライフスタイル(睡眠、運動、食事)がその老化促進に対して予防的。



Determinants of telomere attrition over 1 year in healthy older women: stress and health behaviors matter
E Puterman J Lin J Krauss E H Blackburn E S Epel
Molecular Psychiatry , (29 July 2014) | doi:10.1038/mp.2014.70 http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp201470a.html


疾患病因の信頼予測因子である、テロメア長は、遺伝、慢性ストレス、健康的行動により左右される。横断的に、高度ストレス閉経後女性は、テロメアが短いとされる。しかし、短期間の前向き研究はなされず、ストレスと、健康行為からの影響される可能性がある。

重大ストレッサー年間経過した場合の推移経過を検討。

239名の閉経後女性、非喫煙・無疾患例

1年間の重大人生ストレッサーの累積にて、同期間の1年間テロメア摩耗が予測され、年間摩耗35bpより有意に減少する。




睡眠の質、身体活動性、食事という3つのライフスタイルは、このテロメア長摩耗に対して防御的である。


高齢者COPD患者へのベンゾジアゼピン:新規使用時は肺炎・急性増悪リスク増加

カナダ、オンタリオの後顧的住民ベースコホート研究
66歳以上のCOPD評価化アルゴリズム

直近30日間内のベンゾジアゼピン使用リスクの検討


急性増悪・肺炎リスク増加と関連するも、より重症なアウトカムであるICU入室リスク・死亡率増加での影響に有意差は認めなかった。



やはり、COPD高齢者に対する、ベンゾジアゼピン使用は考慮が必要。



Benzodiazepine drug use and adverse respiratory outcomes among older adults with COPD
Nicholas T. Vozoris, et. al.
Eur Respir J 2014 44:332-340; published ahead of print 2014, 
doi:10.1183/09031936.00008014


新規ベンゾジアゼピン使用は、非使用者に比べ、以下有意にリスク増加
・外来呼吸器急性増悪 (RR 1.45, 95% CI 1.36–1.54)
・救急受診(COPD、肺炎)(RR 1.92, 95% CI 1.69–2.18)


COPD・肺炎による入院リスク増加するも、非有意 (RR 1.09, 95% CI 1.00–1.20).


2群でICU入室リスクは有意差無し、全原因死亡率に関してやや低下。


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...