2014年12月2日火曜日

心停止後のアドレナリンはアウトカム悪化させるかもしれない・・・

successful return of spontaneous circulation (ROSC)にとってエピネフリン(アドレナリン)は必須だが、心停止後回復中の薬剤の影響について議論が必要。死亡全体を増やすか、脳損傷を生じる可能性など存在する。


成功ROSC(return of spontaneous circulation)達成の院外心停止患者(OHCA: out-of-hospital cardiac arrest)の収容前アドレナリン使用と機能的生存を検討



Is Epinephrine During Cardiac Arrest Associated With Worse Outcomes in Resuscitated Patients?
Florence Dumas, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2014;64(22):2360-2367. 
1556名を検討
アドレナリン使用 1134(73%)、良好アウトカム:194(17%)
アドレナリン未使用 244/422(63%)
 (p < 0.001)

アドレナリンの副作用相関は、蘇生時間、院内施行介入に関わらず、観察される。

未使用患者に比較して、intact survivalの補正オッズ比 
アドレナリン 1mg 0.48 (95% 信頼区間 [CI]: 0.27 to 0.84)
2-5mg 0.30 (95% CI: 0.20 to 0.47)
> 5 mg   0.23 (95% CI: 0.14 to 0.37)



アドレナリン投与遅延はアウトカム不良と相関

結論:ROSC達成患者大規模コホートにて、収容前アドレナリン使用と、生存率低下の関連性は一致している。蘇生後介入の有無にかかわらず、量効果的・持続的作用。





現行の国際的ガイドラインは、エピネフリン(アドレナリン)1mgを3-5分毎に投与となっている。アドレナリンは最初の数分はかなり良好なインパクトを示す。しかし、使用後有害性増大する。 特定条件下の特定患者にとっては有益だろうから、アドレナリン全部を悪者にするわけにはいかない

・・・との評( Study Shows Epinephrine May Do More Harm Than Good in Cardiac Arrest December 1, 2014 )


スタチンの骨折抑制効果示されず・・・

スタチンのpleiotropic effect効果候補の一つ



Statin Therapy and Risk of Fracture
Results From the JUPITER Randomized Clinical Trial
Jessica M. Peña,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online December 01, 2014.


意義:  骨粗鬆症と心臓血管疾患は、発症上役割を果たす共通の生物学的経路を共有する。観察研究でスタチンは骨折リスク減少との示唆もあるが、この問題に着眼したランダム化トライアルは乏しい。

目的: スタチン治療は骨折リスク減少させるか、そして、二次解析では、炎症性バイオマーカーとして、ベースラインのhs-CRP濃度が骨折リスクと関連するか?


デザイン・セッティング・被験者: JUPITER (Justification for the Use of Statins in Prevention: an Intervention Trial Evaluating Rosuvastatin) トライアル、国際的ランダム化二重盲験、プラシーボ対照化研究
17,802名の50歳以上の男性、60歳以上の女性、hr-CRP 2mg/以上
2003年から2006年まで篩い分け、5年間前向きにフォローアップ(フォローアップ中央値 1.9年間)


介入: Rosuvastatin calcium, 20 mg daily, or placebo.
主要アウトカム・測定項目: 骨折発症をJUPITERの事前設定二次エンドポイントとしている。 骨折はレントゲン・CT・骨Scan、他検査法で確認、 
Cox proportional hazards modelにて、ランダム化治療割り付けによる骨折リスクに関わるハザード比(HRs)、95%信頼区間を求め、hsCRP3分位増加毎評価、寄与共訳要素補正を行う。


結果:研究期間中、骨折発生の記録・確認事例 431例
ロスバスタチン割り付け群 221 100人年あたり1.20
プラシーボ割り付け群 210 100人年あたり1.14
補正ハザード比 1.06 [95% CI, 0.88 - 1.28]
P = .53
ベースライン hs-CRPは骨折リスク増加と相関せず 3分位比較 1.06 [95% CI, 0.94-1.20]; P for trend, .34)



結論:hs-CRPレベル髙値という心臓血管臨床治験参加者では、スタチン治療は骨折リスク減少しない。hs-CRP高値は骨折頻度リスク増加とは関連しない。

2014年12月1日月曜日

慢性咳嗽治療: P2X3受容体アンタゴニスト:AF-213 ・・・ 効果はあるようだが、味覚障害ほぼ全員?


P2X3受容体はATP-gated channelで、疼痛感覚経路に多く限定的に発現し、その拮抗剤であるAF-213はまず変形性関節症疼痛への効果から示され、その後、治療不応性慢性咳嗽、 interstitial cystitis/bladder pain syndrome (IC/BPS)に応用されつつある。




P2X3 receptor antagonist (AF-219) in refractory chronic cough: a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 2 study

Rayid Abdulqawi et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 25 November 2014
doi:10.1016/S0140-6736(14)61255-1


24 h 携帯咳嗽記録計計測
34名を1年2ヶ月ほど評価し、24名を割り付け


咳回数75%ほど減少(p=0.0003)


昼間咳嗽回数は37回/時間から11(8)へ減少。

 Daytime cough frequency fell
昼間咳嗽平均数 
P2X3 receptor antagonist (AF-219) :37(SD 32) 回/時間 → 11 (8)  回/時間
プラシーボ: 65 (163)  回/時間 → 44 (51)  回/時間


6名味覚障害にて中断。AF-219服用者全員訴え








J Physiol October 1, 2007 vol. 584 no. 1 191-203

2014年11月29日土曜日

ジルコニウム塩(ソロケイ酸塩):高カリウム血症治験

Sodium Zirconium (ジルコニウム塩):Cyclosilicate (ソロケイ酸塩)は高カリウム血症治療効果


軽度高カリウム血症(5.0-5.9 mmol/L)では監視必要、それ以上なら厳格な管理が必要である。RAASなどの薬剤介入上も問題になり、高カリウム血症治療にあたらしい介入法があれば・・・


心不全高カリウム血症での多施設2相性二重盲験第3相ランダム化治験
48時間後平均血中濃度主要測定項目
Sodium Zirconium Cyclosilicate in Hyperkalemia
David K. Packham,  et. al.
N. Engl. J. Med. Nov. 21, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1411487
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1411487
48時間後、平均K濃度は  5.3 mmol/L  at baseline → 4.9 mmol/L   (2.5 g of ZS-9) , 4.8 mmol/L ( 5-g group),  4.6 mmol/L (10-g group)
平均減少 0.5, 0.5, 0.7 mmol/L (P<0 .001="" all="" blockquote="" comparisons="" for="" nbsp="">







Effect of Sodium Zirconium Cyclosilicate on Potassium Lowering for 28 Days Among Outpatients With Hyperkalemia
The HARMONIZE Randomized Clinical Tria
JAMA. Published online November 17, 2014. doi:10.1001/jama.2014.15688
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1936753
多国・高カリウム血症外来患者
オープンラベル治験相48時間、1日3回
8-29日め血中カリウム平均値
平均K < 5.1 mEq/Lの到達比率は、治験薬群VSプラシーボ (36/45 [80%], 45/50 [90%], and 51/54 [94%] for the 5-g, 10-g, and 15-g groups, vs 38/82 [46%] with placebo; P < .001 for each dose vs placebo)
副作用は同等だったが、浮腫が15g群で多い  (edema incidence: 2/85 [2%], 1/45 [2%], 3/51 [6%], and 8/56 [14%] patients in the placebo, 5-g, 10-g, and 15-g groups)


2014年11月26日水曜日

院外心肺停止:一次蘇生施行の方が、二次蘇生より、生存率・神経学的機能の成績良好

より高度の心肺蘇生をなるたけ早く施行した方が生存予後機能予後も良さそうだが、ハーバードの研究はその常識に疑問が生じることとなった。



Basic Life Support(一次救命処置)とALS(二次心肺蘇生法)の比較


米国メディケアの後顧的コホート研究にて、院外心停止患者の生存率調査

院外BLS患者の方が、 30日生存退院率、90日生存退院率とも成績が良い (BLS 13.1% vs ALS 9.2% ; 4.0 [95% CI, 2.3-5.7] パーセントポイント差、   8.0% vs 5.4%  ; 2.6 [95% CI, 1.2-4.0] パーセントポイント差) 
さらに、BLSでは入院中神経機能も良好  (神経学的機能不良比率 21.8% vs 44.8% ; 23.0 [95% CI, 18.6-27.4] パーセントポイント差) 
1年後付加的生存率得るためのALS比較BLSでの医療費は  $154 333。



Outcomes After Out-of-Hospital Cardiac Arrest Treated by Basic vs Advanced Life Support
Prachi Sanghavi, et. al.
JAMA Intern Med. Published online November 24, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.5420




後顧的検討の性・・・ バイアスを含む可能性があるが、結構な成績差ではある



2014年11月21日金曜日

閉塞型無呼吸:高感度質問ツールは ・・・ STOP-Bang 

Predictive Performance of the STOP-Bang, Epworth Sleepiness Scale, and Modified Flemons Score in Identifying Sleep Center Patients With Obstructive Sleep Apnea
Colin Smith, et. al.
Chest. 2014;146(4_MeetingAbstracts):939A. doi:10.1378/chest.1985313

【目的】
STOP-Bang、 Epworth Sleepiness Scale (ESS)、Modified Flemons Score (MFS) questionnaireの閉塞型無呼吸(OSA)患者、特に中等度重度リスク症例の検出能力評価
MFSは4項目モデルで、頸部周囲径、高血圧・いびき・夜間窒息・あえぎgasping型(短い吸息と呼息からなる呼吸運動が長い休止期をおいて周期的に現れる呼吸型)エピソードの補正に基づくもの



【方法】
MedStar Georgetown University Hospital スリープセンター451名の成人の便宜サンプル

STOP-Bang、ESS、MFSアンケートを無呼吸センターテクニシャン補助で施行。3つのスコア記録患者のみ比較。


【結論】
STOP-Bang アンケートは中等度・重度 (93.4%) 、重度 (97.8%) OSAの検出感度最も高度。


ESS は、中等度・重度 (63.4%) 、重度 (60.7%) OSA検出で高感度


MFS questionnaire は、中等度・重度 (83.6%) 、重度 (52.3%) OSA検出で高感度


【結論】 STOP-Bang アンケートは、OSAリスク同定感度最も高く、ESS、MFSアンケートより良好。

麻酔科医は、将来合併症リスクを重要視するのでSTOP-Bangのような高感度ツールを好むだろう。




http://www.sleepapnea.org/assets/files/pdf/STOP-BANG%20Questionnaire.pdf


日本で使われるなら、頸部径やBMIなどは使えないだろうし、やせ形・標準体型OSAが多い日本でそのまま使えるかは疑問

重度飲酒の9割以上がアルコール症にあらず・・・

プライマリソース: http://www.cdc.gov/pcd/issues/2014/14_0329.htm
解説:http://www.cdc.gov/media/releases/2014/p0626-excessive-drinking.html


ポピュラーな意見と異なり、重度飲酒米国民の10名に一人未満しかアルコール症に罹患してないと、木曜日の米国連邦の報告。

多くの人は大量飲酒のヒトはアルコール症と考えるが、疑念に思っていた医療専門家もいた。
女性では週8ドリンク、男性では15ドリンク以上を重度飲酒とすると、重度飲酒の90%では、アルコール症クライテリアを満たさない。

アルコール症の定義は、アルコール量減量もしくは禁酒できない、家族・仕事上の問題の原因となってもやめられない、連日飲酒時間が相当占める場合。


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...