2017年5月11日木曜日

NSAIDと院外心停止に関わる警告

イブプロフェンについての重大警告
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a682159.html

イブプロフェンに限らず全般的NSAID(アスピリン以外)の潜在的心発作・卒中を有する高リスク対象者への投与に注意を啓発している。
These events may happen without warning and may cause death. This risk may be higher for people who take NSAIDs for a long time. Do not take an NSAID such as ibuprofen if you have recently had a heart attack, unless directed to do so by your doctor. ;事前徴候無く発生する可能性と致死的可能性。長期間服用ほど高リスク。心発作後間もない場合は医師相談無くNSAID服用すべきでない
直近の報告

Non-steroidal anti-inflammatory drug use is associated with increased risk of out-of-hospital cardiac arrest: a nationwide case–time–control study
Kathrine B. Sondergaard  , et al.
Eur Heart J Cardiovasc Pharmacother (2017) 3 (2): 100-107. 

デンマークの Danish Cardiac Arrest Registy国内研究、2001−2010年の院外心停止( out-of-hospital cardiac arrest (OHCA))全例を含む

0HCA 28,947名、うち OHCA直前30日内NSAID治療 3376

イブプロフェンとジクロフェナクは最も使用頻度高く、51.0%と 21.8%

ジクロフェナクとイブプロフェンは共にOHCAリスク増加と相関
(オッズ比 [OR], 1.50 [95% 信頼区間(CI) 1.23–1.82]) 、1.31 (95% CI 1.14–1.51))


ナプロキセン  [OR, 1.29 (95% CI 0.77–2.16)]、セレコキシブ  [OR, 1.13 (95% CI 0.74–1.70)]、ロフェコキシブ:rofecoxib (OR, 1.28 [95% CI 0.74–1.70)] はOHCAのリスク増加と有意に関連せず;イベント数が少ないためかも





2017年5月2日火曜日

ピオグリタゾン:非アルコール性脂肪肝炎の高度線維化改善効果

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は2020年までには肝移植第一原因疾患と予測され、F3-F4という線維化では、全原因死亡率・肝臓関連死亡率増加と関連するも有効な治療は確立せず。
チアゾリジンジオン系での効果評価についてのエビデンス形成


Thiazolidinediones and Advanced Liver Fibrosis in Nonalcoholic Steatohepatitis
A Meta-analysis
Giovanni Musso, et al.
JAMA Intern Med. 2017;177(5):633-640.


プライマリアウトカム: 肝生検上の高度線維化における、F3-F4からF0-F2への線維化ステージ2分割改善評価

セカンダリアウトカム: いずれかの線維化ステージにおける1ポイント以上の改善・NASH消失

チアゾリジン系治療の副作用も評価、体重増加・下肢浮腫、うっ血性心不全、骨折、癌、貧血。


結果:8つのRCT(ピオグリタゾン評価 5つ、ロシグリタゾン 3つ)、生検によるNASH診断患者516名(6−24ヶ月)
チアゾリジン系治療全てにおいて以下相関
線維化改善  (OR, 3.15; 95% CI, 1.25-7.93; P = .01; I2 = 0%)
いずれかのステージの線維化(改善) (OR, 1.66; 95% CI, 1.12-2.47; P = .01; I2 = 0%)
NASH 改善 (OR, 3.22; 95% CI, 2.17-4.79; P < .001; I2 = 0%)


糖尿病無しの患者でのRCT限定解析においても同様の結果
線維化改善  (OR, 2.95; 95% CI, 1.04-10.90; P = .02; I2 = 0%)
いずれかのステージの線維化(改善) (OR, 1.76; 95% CI, 1.02-3.03; P = .02; I2 = 0%)
NASH 改善 (OR, 3.40; 95% CI, 1.95-5.93; P < .001; I2 = 0%)




全効果はピオグリタゾン使用を含めても評価

体重増加・下肢浮腫はチアゾリジン系治療で寄り頻度が多い  (初期体重 +2.70%; 95% CI, 1.96%-4.34%; P = .001)


重篤副事象影響については小サンプルサイズで困難



ピオグリタゾンの効果明らかなようだが・・・






スタチン使用と背部痛の関連性

背部痛:back pain


Association of Statin Use With Risk of Back Disorder Diagnoses
Una E. Makris,; et al
JAMA Intern Med. Published online May 1, 2017. doi:10.1001/jamainternmed.2017.1068


総コホート 60 455 名、男性 28 831 (47.7%) 、女性 31 624 (52.3%) 平均(SD)年齢 46.6 (12.2) 歳
スタチン使用 6728名、 非使用 6728名
スタチン使用メディアン 3.7, IQR 1.9 - 4.9
シンバスタチン 72%、 525,935名


  • PS-マッチ化コホートのスタチン使用者、背部痛尤度高い (OR, 1.27; 95% CI, 1.19-1.36)
  • 追加harm1事象あたりの必要数(NNH) 17.6
  • 長期使用・高用量使用の二次解析でも同様 






スタチンと背部痛の関連性は演繹的仮説だそうだ・・・


Alternate-day fasting (ADF) :隔日飢餓法は通常のダイエットと減量効果差みとめず

Alternate-day fasting  (ADF) :隔日飢餓法とでも訳すのだろうか?
連日のカロリー制限より優れているか?

知見はBMI 34という日本人には極少ない肥満者対象で、単施設研究なので結果に関してconclusiveではない




Effect of Alternate-Day Fasting on Weight Loss, Weight Maintenance, and Cardioprotection Among Metabolically Healthy Obese Adults
A Randomized Clinical Trial
John F. Trepanowski,et al.
JAMA Intern Med. Published online May 1, 2017.



1年フォローアップ
6ヶ月介入後体重: -6.8% (95% CI -9.1% to -4.5%) versus -6.8 (95% CI -9.1% to -4.6%)




セカンダリエンドポイント(血圧、心拍、TG、空腹時血糖、空腹時インスリン、インスリン抵抗性、CRP、ホモシステイン濃度)でも有意差認めず


ただ、6ヶ月後の減量期後HDL平均濃度有意差あり(6.2 mg/dL, 95% CI 0.1- 12.4 mg/dL)
しかし、これも12ヶ月後、有意差消失
LDLに関しては12ヶ月後有意差有り (11.5 mg/dL, 95% CI 1.9-21.1 mg/dL)



飢餓療法もいろいろ方法があるようで、それぞれ検証するしかない

2017年4月28日金曜日

慢性閉塞性肺疾患・閉塞型無呼吸症候群オーバーラップ症候群


episodic hypoxemiaのモニタリングも必要だと思うのだけど・・・アンケートとして、Stop BANGNOSAS questionnaireが提示されている




COPD-OSA Overlap Syndrome: evolving evidence regarding epidemiology, clinical consequences, and management
regarding epidemiology, clinical consequences, and management
Walter T. McNicholas
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.04.160
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=2624319


慢性閉塞性肺疾患(COPD)と閉塞型無呼吸症候群(OSA)は有病率の高い疾患で、ともに合併も多く確率的共存よりその併病率は高い。しかし、種々臨床的COPD phenotype毎OSAへの影響は異なる。肺容量増加型・BMI低下型、すなわち気腫型ではOSAに防御的だが、末梢浮腫・BMI増加型の慢性気管支炎型ではOSA促進的に働く
COPDとOSAは共に生理学的・分子的経路は類似低酸素・全身炎症促進的で心血管他合併症に寄与、肺高血圧はoverlap syndromeで有病率高い。しかしこのoverlap患者での全身性炎症・心血管併発症評価報告少ない。COPD患者のOSA診断は臨床的に気づかれにくく、スクリーニングアンケート機会がこの患者の同定に重要となるかも。
COPD患者での併発OSA認識は管理上COPD単独と異なる管理という意味で臨床的に意義がある。夜間PAP未治療では生存率は劣る。




2017年4月24日月曜日

COPD急性増悪:冬場リスク増加は病原体の存在高確率と、無莢膜型インフルエンザ菌とウィルス共感染が関連

A prospective, observational cohort study of the seasonal dynamics of airway pathogens in the aetiology of exacerbations in COPD
Tom M A Wilkinson, et al. , AERIS Study Group
Thorax
http://thorax.bmj.com/content/early/2017/04/21/thoraxjnl-2016-209023
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2016-209023

【序文】 COPD急性増悪(AECOPD)の病因は十分解明されてない。慢性細菌気道感染とウィルス暴露の関連性をこれらイベントの頻度、季節性にて解明できるか試み

【方法】 前向き、観察コホート研究 (NCT01360398)、40−85歳COPD患者、喀痰サンプリング毎月施行し、細菌・ウィルス検出による急性増悪検出
フルコホート患者で結果を示し、フォローアップ1年間。急性増悪頻度と病原体の相関性を一般化推定方程式と層別条件ロジスティクス回帰解析にて検討

【結果】 患者人年あたりの急性増悪平均頻度 3.04 (95% CI 2.63 to 3.50)
AECOPDにおいて、最も多い細菌性病原種は無莢膜型インフルエンザ菌:non-typeable Haemophilus influenzae (NTHi) と Moraxella catarrhalis、ウィルスとして最も多いのは ライノウィルス。

ロジスティクス回帰解析(培養細菌検出)では、AECOPD有意オッズ比は、季節無関連に、 M. catarrhalis 検出時(5.09 (95% CI 2.76 to 9.41))。
NTHi時、急性増悪リスク増加は、低シーズン (OR 1.22 (0.68 to 2.22)).より高シーズン (10月–3月, OR 3.04 (1.80 to 5.13)) の方に見られる
細菌、ウィルス共感染は、安定期 (8.6%)より、急性増悪時(24.9%) に最も多い
NTHiとライノウィルスの存在とAECOPDリスクに有意な相互関連認める  (OR 5.18 (1.92 to 13.99); p=0.031)


【結論】AECOPD 病因は季節によりばらつき。
冬場のAECOPD増加はおそらく病原体の存在により生じ、さらには、NTHi気道感染とウィルス感染の影響の相互作用があるものと考える





小児対象の報告だが・・・
"Hib ワクチンや肺炎 球菌ワクチン導入後の NTHi の顕在化の可能性があることを考えると,NTHi に対しても適切な治療・予防法を導入する必要性が強く感じられる"
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0850030227.pdf




2017年4月22日土曜日

有症状喫煙者(非COPD、境界スパイロメトリ所見)もCOPD類似障害認める

FEV1/FVCという固定値比較 と正常下限値(LLAN)比較などでCOPD診断試みられているが、早期肺機能軽度異常でCOPDと同様の病状進行を示すことが知られてきている。より早期から薬物治療による効果可能性を探る動きがある


拡張剤後FEV1/FVC 予測値比 5-20パーセンタイルというスパイロメトリー上のボーダーライン異常者

Cardiopulmonary exercise testing and second-line pulmonary function tests to detect obstructive pattern in symptomatic smokers with borderline spirometry
Fabiano Di Marco , et al.
Respiratory Medicine June 2017 , vol. 127, p7-13
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.rmed.2017.04.006 |

被検者 48名(年齢平均 60 ± SD 8最、 男性 73%)
健康者 16名、有症状喫煙者 17名、 COPD 15名


健康対照者比較で、有症状喫煙者は
1) 換気予備能 breathing reserve 減少 (36 ± 17 vs. 49 ± 12%, P = 0.050)
2) 運動誘引動的過膨脹 ( 0.20 ± 0.17 vs.  0.03 ± 0.21 L, P = 0.043)
3) 残気量 residual volume増加 (158 ± 22 vs. 112 ± 22%, P < 0.001)
4) N2洗いだしphase 3 スロープ  (4.7 ± 2.1 vs. 1.4 ± 0.6%, P < 0.001)
5) DLCO と FOT 結果は有意差無し




































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