2017年8月10日木曜日

ゲーム脳:習慣的ゲーマーは反射学習型になりやすく(vs 空間学習型)、海馬の減少をもたらす

子供・青年期・高齢者において、ピデオゲームは認知的スキル改善効果が示されているが、一方、この新しい知見では、脳可塑性低下をもたらすことが危惧される。

左海馬灰白質の有意減少が、対照群と比較して習慣的ビデオゲームプレイヤーたちに観察された。

3つの研究、ほぼ100名対象


spatial learnerとは、海馬志向で、種々ランドマークに頼りゲームを通して方向、移動を行う。
response learnerは、報酬系・尾状核志向で、シークエンスの左右ターンを記憶する。



  • 1つ目の研究で、非習慣的プレイヤーに比較して、習慣的ビデオゲームプレイヤーでは、左海馬の灰白質有意減少あり。習慣的ビデオゲームプレイヤーではresponse learner比率 83%、非習慣プレイヤーではその比率 43%。



  • 2つ目の研究は、43の習慣的ゲームプレイヤーでない対象者をランダムに、まず、人シューティングゲーム、3-Dプラットホームゲームを90時間行わさせる。習慣的シューティングゲームプレイヤーでないresponse-learnerは、海馬灰白質減少をもたらしたが、spatial learnerでは減少しない。 3-Dゲームでは、両者とも灰白質増加するも、脳の領域で異なる差を示した。



  • 3つ目の研究は、21名の非習慣的ゲームプレイヤーで、ロールプレイングビデオゲーム割付を行うと、response-learnerでは灰白質は減少するも、spatial learnerでは増加した。


Impact of video games on plasticity of the hippocampus
G L West , et al.
Molecular Psychiatry advance online publication 8 August 2017; doi: 10.1038/mp.2017.155
http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp2017155a.html




ゲームは、万人の脳に良いわけではない。特にゲーム習慣化→反射的学習に陥りやすく、海馬機能を悪化する可能性あり

2017年8月8日火曜日

久山町研究:血圧日差変動と認知症リスク ;血管性認知症とのみ相関

久山コホートでの検討

VaD:血管性認知症
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_07.pdf


アルツハイマー病前駆症状として中枢神経構造の変化による自律神経障害により、アルツハイマー病では血圧変動し難い。一方、VaDではdirectなshare stressの反映にて障害と直結するという考察、もちろん、メンタル・身体的ストレス、睡眠障害、ライフスタイルの不規則性なども関与するだろうとのこと。


Day-to-Day Blood Pressure Variability and Risk of Dementia in a General Japanese Elderly Population
The Hisayama Study
Emi Oishi,  et al.
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.116.025667
Circulation. 2017;136:516-525


1674名、60歳以上認知症無し5年フォローアップ(2007-2012)
家庭血圧毎朝3回測定、メディアン28日間

収縮期血圧・拡張期血圧 day-to-day 血圧変動 、これの変動係数 coefficients of variation (CoV) を4分位化してハザード比として、全原因認知症、(脳)血管性認知症(VaD)、アルツハイマー病を評価

フォローアップ中、全ての認知症194名、VaD 47名、AD 134名
年齢・性補正発症率は全認知症、VaD、ADで家庭血圧CoVレベル増加ほど高い  (all P for trend < 0.05)
家庭血圧SBPを含む寄与要素補正後、これらの相関性不変
家庭血圧SBPのCoV値第1四分位比較、全認知症、VaD、AD発症リスクは、四分位高値で高い  (全認知症 ハザード比=2.27, 95% 信頼区間1.45–3.55, P< 0.001 ; VaD ハザード比=2.79,, 95% 信頼区間=1.04–7.51, P=0.03 for VaD; ADハザード比=2.22, 95% 信頼区間=1.31–3.75, P< 0.001 for AD)

家庭血圧測定DBPのCoV値でも同様相関

一方で、家庭血圧測定SBP値はVaDリスクと相関するも全認知症、ADリスクとは相関せず

家庭血圧測定SBP値と、家庭SBP CoV値に、認知症サブタイプどれでも、相関認めず











集団においては血圧値は正規分布するのかもしれないが、果たして、個体の変動で正規分布するのだろうか?

家庭内血圧で最大値、最小値で、標準偏差推定するという試みがある


2017年8月3日木曜日

睡眠時無呼吸症候群:安静時酸素消費量の低下はIL-6メチル化低下、IL-6高値へ

 睡眠時無呼吸症候群における、安静時基礎代謝低下→メタボリックヘルス悪化の機序


Low Oxygen Consumption is Related to a Hypomethylation and an Increased Secretion of IL-6 in Obese Subjects with Sleep Apnea-Hypopnea Syndrome
Lopez-Pascual  et al.
Ann Nutr Metab 2017;71:16-25
https://doi.org/10.1159/000478276

【背景】 Deoxyribonucleic acid (DNA) methylation はエピジェネティックな変化を遺伝子発現調整上もたらし、多くの多要素疾患のリスクに寄与する。
SAHSを有する肥満者で、安静時酸素消費量の、血液サンプルでglobal および gene DNAメチル化、炎症性マーカーの蛋白分泌への影響検討

【方法】44名のSAHS肥満:安静時酸素消費量によるカテゴリー別
DNAメチル化レベルを評価:methylation-sensitive high resolution melting approach

【結果】酸素消費量上昇群に比べ低下群ではIL6遺伝子CpG islandではメチル化低下を示すが、しかし、血中IL-6は低下群で高値 (p < 0.05)
さらに、TNF、「長鎖散在反復配列」(" long interspersed nuclear element" LINE) 1 遺伝子CpGsのDNAメチル化の加齢関連喪失を認めた (B = -0.82, 95% CI -1.33 to -0.30, -0.46; 95% CI -0.87 to -0.04)

血中 peptidase inhibitor, clade E member 1 (r = 0.43; p = 0.01)、 IL6 (r = 0.41; p = 0.02) のCpGメチル化レベルはfat-free massと正の相関


【結論】
炎症性遺伝子調整上酸素の寄与大きいこと示唆。
安静時の酸素消費量増加はメタボリック・ヘルス上臨床的バイオマーカー





2017年7月27日木曜日

うつ: Two-Question Screen



 The Two-Question Screen is a self-rating screening instrument that consists of just two questions and can be completed in 1–2min.
  The two questions asked for symptoms in the past month are:
       (a) ‘Have you been troubled by feeling down, depressed or hopeless?’
       (b) ‘Have you experienced little interest or pleasure in doing things?’
 カットオフは1以上

      
従来の質問法日本語訳を参考にすると
  • 気分が重かったり、憂うつだったり、絶望的に感じる
  • 何かやろうとしてもほとんど興味がもてなかったり楽しくない
こんなものか?
     

Comparison of diagnostic performance of Two-Question Screen and 15 depression screening instruments for older adults: systematic review and meta-analysis.
Kelvin K F Tsoi,  et al.
The British journal of psychiatry : the journal of mental science. 2017 Apr;210(4);255-260. 

doi: 10.1192/bjp.bp.116.186932.
16のスクリーン・インスツルメンツ、133研究、被検者46651名のシステマティック・レビュー&メタアナリシス
2主要研究は、半数(64/133)が Geriatric Depression Scale (GDS) の様々なバージョン、Two-Question Screenは 6
Two-Question Screenの感度 91.8% (95% CI 85.2–95.6) 、特異度67.7% (95% CI 58.1–76.0)、診断パフォーマンスAUCは90%、clinicianのrated scaleを含むパフォーマンス上他のインスツルメントと同等
One-Question Screenの診断パフォーマンスAUCは78%

サブ解析でmajor depression disorderのためのスクリーニングとして Two-Question Screenもパフォーマンス良好







スクリーンとしては最適ということだが、果たして、こに”all or none”という2分割質問に、皆が皆、直にこたえてくれるだろうか?


2017年7月25日火曜日

慢性鼻副鼻腔炎の喫煙による影響10−20年残る

図見ると20年程度ではまだまだという印象



Reversal of Smoking Effects on Chronic Rhinosinusitis after Smoking Cessation
Katie M. Phillips, et al.
Otolaryngol Head Neck Surg. 2017 Jun 1:194599817717960. 
doi: 10.1177/0194599817717960.


喫煙既往者 103名
非喫煙者 103名

SNOT-22:e 22-item Sinonasal Outcomes Test
general health-related quality of life (QOL) mea-sured with the 5-dimensional EuroQol visual analog scale :ED-5D VAS

非喫煙者に比べ、喫煙既往者はSNOT-22スコア悪化 (P = .019)、EQ-5D VASスコアも悪化(P = .001)
先行1年間のCRS-関連抗生物質使用も多く(P = .003) 、CRS関連経口ステロイド使用も多い(P = .013).

喫煙既往者において、年ごとにSNOT-22スコア改善 (b = –0.48; 95% CI, –0.91 to –0.05; P = .032)、EQ-5D VASスコアe (b = 0.46; 95% CI, 0.02-0.91; P = .046)、CRS-関連抗生物質使用 (b = 0.46; 95% CI, 0.02-0.91; P = .046)、CRS関連経口ステロイド使用も減少 (relative risk = 0.95; 95% CI, 0.91-0.98; P = .001)

喫煙既往・非喫煙者の研究アウトカム測定値の差を考えれば、CRSにおける喫煙の影響可逆性は10−20年間と推定





図見ると、40年間以上が著明? 喫煙が遠い過去になった場合に明確となる?

2017年7月24日月曜日

グリコピロニウム/グリコピロレートネブライザー第3相

大日本住友製薬関連・・・



FDA Rejects Sunovion's COPD NDA For SUN-101/eFlow
http://www.biospace.com/News/fda-rejects-sunovions-copd-nda-for-sun-101-eflow/458052

新薬扱い、New Drug Application (NDA)をFDA認めず





Efficacy and safety of glycopyrrolate/eFlow® (nebulized glycopyrrolate) in moderate-to-very-severe COPD: Results from the glycopyrrolate for obstructive lung disease via electronic nebulizer (GOLDEN) 3 and 4 randomized controlled trials
Edward Kerwin , et al.
Respiratory Medicine ,
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.rmed.2017.07.011



電気的ネブライザー使用による持続作用型ムスカリン作用拮抗剤 SUN-101/eFlow®


GOLDEN (Glycopyrrolate for Obstructive Lung Disease via Electronic Nebulizer)-3 と GOLDEN-4:第3相臨床試験


1日2回 25mcg、40mcg投与で、プライマリエンドポイントはtrough FEV1 ベースラインからweek12の反応量、セカンダリ・エンドポイントは、FEV1 AUCのベースラインからweek 12の反応量、健康状態SGRQスコア、レスキュー服用


総数 653名

グリコピロニウム/グリコピロレートネブライザー 25mcg、50mcgはプラシーボ比較にてtrough FEV1は week 12にて改善 (GOLDEN 3: 0.105 L 、 0.126 L; p ≤ 0.0001; GOLDEN 4: 0.084 L、 0.082 L; p ≤ 0.0001).


FVC week 12にて改善 (GOLDEN 3: 0.149 L、 0.167 L, p < 0.001; GOLDEN 4: 0.130 L 、 0.113 L, p < 0.01)
week 12/EOS(研究終了)にて SGRQ 改善  (GOLDEN 3: −3.072 [p< 0.05] 、−1.848; GOLDEN 4: −3.585 、 −3.557, p< 0.01)


week 12の  EXACT-respiratory symptoms total scoreの差最小自乗平均プラシーボ、グリコピロニウムネブライザー 25mcg、50mcg BIDにて、GOLDEN 3  −0.936, −1.903 、−1.502、 GOLDEN 4にて −0.376, −1.647 , −1.532

レスキュー薬剤使用は変化無し
 
 ネブライザー化グリコピロニウムの両投与量で副事象、心血管イベント発生にて耐用性あり


結論:統計学的にも臨床的にも有意な改善を肺機能、患者報告健康アウトカム、安全性特性においても認め、glycopyrrolate/eFlow® CSは中等度・重度COPD治療維持のためにポーテンシャルあり


 
GLOW2との合成

ドライパウダーと ネブライザーさほど効果には差が無いような・・・








2017年7月21日金曜日

COPD高炭酸ガス血症急性増悪:第一選択治療としての非侵襲的人工換気

 COPD急性高炭酸ガス血症(AHRF) 管理のためのbi-level positive airway pressure (BiPAP)非侵襲的人工換気

著作者結論:高品質なランダム化対照化トライアルで以下判明
COPD急性増悪による急性高炭酸ガス血症入院患者に対して、非侵襲的人工換気は第一選択的介入として通常ケア併用ととも施行することに死亡及び気管内挿管尤度減少という面でベネフィットあり
ベネフィットの程度は、軽度アシドーシス(pH 7.30 - 7.35)と重度(pH 7.30未満)と同等であり、ICU内でも病棟内でも同棟





事前設定2群
・急性増悪重症度 pH 7.35-7.30 vs 7.30未満
・ICUベース vs 病棟ベース

17のRCT(被検者 1264名)参照データにおける平均年齢  66.8 歳 (range 57.7 to 70.5 歳) 、男性 65%、パフォーマンス バイアスリスク 12/17、 最大 14/17、検出バイアス リスクは不明、これらのリスクは患者自己報告アウトカム測定(e.g. 呼吸困難)とセカンダリ・レビュー・アウトカムに関係する

  • NIV使用による死亡リスク46%減少
 (リスク比 (RR) 0.54, 95% 信頼区間 (CI) 0.38 to 0.76; N = 12 研究; number needed to treat for an additional beneficial outcome (NNTB) 12, 95% CI 9 to 23)
  • 気管内挿管リスク65%減少
(RR 0.36, 95% CI 0.28 to 0.46; N = 17 studies; NNTB 5, 95% CI 5 to 6

バイアスリスクによる不確かさに基づく moderate qualityによるアウトカムをgrade化。
funnel plotによる確認で気管内挿管必要性においてpublication biasの可能性が高まった

 NIV使用は、入院期間減少(差平均 (MD) -3.39 日, 95% CI -5.93 to -0.85; N = 10 研究)、合併症頻度減少(NIV無関連合併症) (RR 0.26, 95% CI 0.13 to 0.53; N = 2 研究)
1時間後pH改善 (MD 0.05, 95% CI 0.02 to 0.07; N = 8 研究) 、PaO2改善 (MD 7.47 mmHg, 95% CI 0.78 to 14.16 mmHg; N = 8 研究)と関連

PaCO2改善傾向あるも統計学的有意差に至らず (MD -4.62 mmHg, 95% CI -11.05 to 1.80 mmHg; N = 8 研究)

Post hoc analysis によると、2つの研究データからはベネフィット判明せず、バイアスリスク高く、アウトカムに対するベースラインのimbalanceあり(NIVの方が比較群より悪い)
感度分析にて2つの研究除外の結果PaCO2のNIV positive 効果統計学的に有意

治療不耐用はNIV群で統計学的に多い (リスク差 (RD) 0.11, 95% CI 0.04 to 0.17; N = 6 研究)
解析結果により、非有意な傾向としてNIVによる呼吸困難度低下傾向 (標準かさ平均(SMD) -0.16, 95% CI -0.34 to 0.02; N = 4 研究)

サブグループ解析にて有意な群間差認めず



Non-invasive ventilation for the management of acute hypercapnic respiratory failure due to exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease
New searchConclusions changedReviewIntervention
Christian R Osadnik, et al.
First published: 13 July 2017
Editorial Group: Cochrane Airways Group
DOI: 10.1002/14651858.CD004104.pub4

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD004104.pub4/full




普及啓蒙段階から第一選択治療になったんだと実感する報告

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note