2017年10月3日火曜日

抗PAF作用ありの抗ヒスタミン剤


メールが飛び込んできた
抗PAF(Platelet activating factor:血小板活性化因子)作用と抗ヒスタミン作用を併せ持つ、新しい作用機序の経口アレルギー性疾患治療薬 ルパフィン錠
2つのケミカルメディエータ―を抑えることで、即時型アレルギー症状とともに、遅延型アレルギー症状を強く抑制
抗PAF・・・というのに興味を引いた


でも、効果は オロパタジンを凌駕するとは言えないようで、眠気も同等


Comparison of efficacy, safety, and cost-effectiveness of rupatadine and olopatadine in patients of allergic rhinitis: A prospective, randomized, double-blind, parallel group study.
 Dakhale et al.
J Pharmacol Pharmacother. 2016 Oct-Dec;7(4):171-176.
doi: 10.4103/0976-500X.195901. 



副作用
olopatadine 10例、 rupatadine 8例
眠気 両群同等( 6 vs 5)
頭痛・口腔乾燥 両群
胃部irritation olopatadine群のみ
 両群とも中止必要性無く、耐用しうるもの



結論:Olopatadine is a better choice in AR in comparison to rupatadine due to its better efficacy and safety profile.



必要か?

2017年10月2日月曜日

ART : 中等度・重度ARDS 呼吸コンプライアンス指標PEEP補正戦略は低PEEP群に比べ予後改善効果無し


結論から言えば、中等度・重度ARDSにおいて、低PEEP戦略にくらべ、呼吸コンプライアンスを指標とした補正戦略では、予後改善しなかった

 Effect of Lung Recruitment and Titrated Positive End-Expiratory Pressure (PEEP) vs Low PEEP on Mortality in Patients With Acute Respiratory Distress SyndromeA Randomized Clinical Trial
Writing Group for the Alveolar Recruitment for Acute Respiratory Distress Syndrome Trial (ART) Investigators
JAMA. Published online September 27, 2017.


 【序文】recruitment maneuverとPEEPタイトレーションがARDS予後に与える影響は不明
【目的】PEEPタイトレーションによるlung recruitment(respiratory system compliance)に基づく方法で中等度・重度ARDS28日死亡率改善するか? vs 低PEEP
【デザイン・セッティング・被検者】多施設・ランダム化トライアル 120のICU
 9ヶ国、 2011年11月17日〜2017年4月25日;中等度・重度ARDS
【介入】lung recruitment maneuver + PEEP titration (ベストなrespiratory system compliance に合わせる) n=501:実験群
対照群: 低PEEP (n=509)
【主要アウトカム】プライマリアウトカム:28日までの全原因死亡率
セカンダリアウトカム:ICU/nyuuinnkikann ;28日間人工換気free日数;7日間ドレナージ必要な気胸 ;7日間barotrauma;ICU、院内、6ヶ月間死亡率

【結果】
登録 患者 1010名(女性 37.5%; 平均[SD] 年齢 50.9 [17.4] 歳)
28日目死亡率比較 実験群 277/501 [55.3%] vs 対照群 251/509 [49.3%]
 (ハザード比  [HR], 1.20; 95% CI, 1.01 to 1.42; P = .041)


対照群に比較して、実験群では
  • 6ヶ月死亡率増加  (65.3% vs 59.9%; HR, 1.18; 95% CI, 1.01 to 1.38; P = .04)
  • 人工換気free平均日数減少  (5.3 vs 6.4; 差, −1.1; 95% CI, −2.1 to −0.1; P = .03)
  • ドレナージ必要な気胸リスク増加 (3.2% vs 1.2%; 差, 2.0%; 95% CI, 0.0% to 4.0%; P = .03)
  • barotraumaリスク増加 (5.6% vs 1.6%; difference, 4.0%; 95% CI, 1.5% to 6.5%; P = .001)

ICU収容期間、入院滞在期間、ICU死亡率、院内死亡率に有意差無し




ARDSは、肺の末梢ユニットが虚脱、水浸し、コンソリデーションを来たし、喚起不十分となる。PEEP補正はこの虚脱肺ユニットを虚脱から守り、気道の開存性を維持し、無気肺リスクを減少する目的
一方では、barotrauma、気胸リスクあり、予後改善をもたらすか、長年の課題



実践maneuverは
http://jamanetwork.com/data/Journals/JAMA/0/JOI170110supp3_prod.pdf

Compliance (SR) = Tidal Volume / ( Plateau Pressure - PEEP)

2017年9月30日土曜日

酸素投与:卒中後ルーチン使用も不用?

ESCで報告のあった、DETO2X-AMI研究
Oxygen Therapy in Suspected Acute Myocardial Infarction
Robin Hofmann,et al,., for the DETO2X–SWEDEHEART Investigators
N Engl J Med 2017; 377:1240-1249September 28, 2017
急性心筋梗塞後の酸素飽和度90%以上の症例に対し、酸素6L/分×(6時間〜12時間)投与にて1年後全原因死亡率、心筋梗塞再入院、心筋障害の範囲、他のアウトカム変化無し

故に、酸素低下してない急性心筋梗塞患者への酸素投与は積極的根拠ないことが明らかになった

さらに、脳卒中


Effect of Routine Low-Dose Oxygen Supplementation on Death and Disability in Adults With Acute StrokeThe Stroke Oxygen Study Randomized Clinical Trial
Christine Roffe,  et al. ; for the Stroke Oxygen Study Investigators and the Stroke OxygenStudy Collaborative Group
JAMA. 2017;318(12):1125-1135. doi:10.1001/jama.2017.11463 



卒中時ルーチンの予防的酸素投与は90日目の死亡率軽減・機能障害に効果あるか?
単盲検ランダム化臨床トライアル、8003名の急性卒中登録
持続酸素投与72時間 n=2668、夜間酸素投与 21時から7時まで n=2667、対照 n=2668

酸素はもしベースラインの酸素飽和度93%以下なら経鼻3L/分、93%超なら2L/分とした

プライマリアウトカムは、修正Rankin Scale スコア(障害程度 0:無し〜6:死亡、MCID 1点):90日めにアンケート票か(覚醒時、assessorは盲検下)


8003名(男性 4398 (55%)、平均[SD]年齢 62[13]歳; 中央値National Institutes of Health Stroke Scale score, 5、ベースライン酸素飽和度平均 96.6%)
プライマリアウトカム情報利用可能 7677 (96%)

良好アウトカム(順序ロジスティック回帰分析 ordinal logistic regression)は、
酸素投与 vs 対照 0.97 (95% CI, 0.89 to 1.05; P = .47)
持続酸素投与 vs 夜間酸素投与  1.03 (95% CI, 0.93 to 1.13; P = .61)

サブグループは酸素からの利益性同定できず

重大副事象1つ以上は、持続酸素投与 348 (13.0%)、夜間酸素投与 294 (11.0%)、 対照 322 (12.1%)

有意な有害性は同定されず




 対象は軽症とは言えないようなので、以下のガイドラインの記述変わるか?
発症後24時間以内の脳卒中患者に100%酸素 3 L/分を入院後24時間投与しても、1 年間
の生存率は対照と差がなかった。また機能障害スコアなどの改善度にも差がなかった。しかし、有意ではないが、重症の脳卒中では酸素投与群のほうが生存率がやや良かった。重症の脳卒中患者に対する酸素投与について結論を出すには、さらに研究が必要である
http://www.jsts.gr.jp/guideline/006.pdf

酸素投与に関する議論も昔からあるなぁ・・・酸素飽和度を”サーチ”と呼ぶアホが多い地域に住む私


2017年9月29日金曜日

咽頭痛へのステロイド治療:効果あるようだが・・・


咽頭痛へのステロイド治療:有効性・安全性



Corticosteroids for treatment of sore throat: systematic review and meta-analysis of randomised trials
BMJ 2017; 358
doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j3887 (Published 20 September 2017)

1426名登録10トライアル検討
単回ステロイド最大量 経口デキソメサゾン 最大量10mg
24時間後疼痛軽減2倍( 相対リスク 2.2 , 95% 信頼区間 1.2 - 4.3 、 リスク差 12.4%; エビデンスの質:中等度)、 48時間後疼痛消失1.5倍 (1.5 ; 1.3 - 1.8 、 リスク差 18.3_% ;エビデンスの質:高度)

コルチコステロイド治療患者の疼痛緩和までの平均時間を4.8(95% 信頼区間 -1.9 〜 -7.8)時間早める (エビデンスの質:中等)
さらに、疼痛完全消失までの時間平均 11.1( -0.4 〜 -21.8)時間早める(エビデンスの質:低)

24時間時点での絶対的疼痛改善スケール(VAS 0 - 10)ではステロイド群で高度 (差平均 1.3 , 0.7 - 1.9) (エビデンスの質:中等度)

10例中9例で副作用関連情報あり
6つの研究では副作用報告無し、3つの報告では副事象あり、疾患関連合併症が主で、両群ども差は認めなかった



. 上気道炎で抗生剤使うな!・・・ってのが世の流れだが・・・医療介入しなくてよいのか?医療において症状緩和も重要な役割。なら、咽頭炎の保険適応はあるようだし、エビデンスのあるデキサメサゾン投与をとなるが・・・果たして?



すぐ考えつくのが耐糖能悪化、感染蓋然性増加などあるが、果たして、ステロイド投与の正当性あるか?トランサミンでごまかす治療で良いのか?

2017年9月25日月曜日

遅ればせながら・・・

胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、環境および炎症誘発性刺激に応答して産生される上皮細胞由来のサイトカイン。TSLPは、樹状細胞、T細胞およびB細胞に対する活性および 自然免疫細胞を介したtype 2 免疫調整の中心で、抗原特異的Th2細胞によるサイトカインup-regulationに関わる

これに対するモノクローナル抗体治療

 thymic stromal lymphopoietin (TSLP)ヒトモノクローナル抗体pIIランダム化二重盲検治験
 tezepelumab (AMG 157/MEDI9929):human monoclonal antibody specific for the epithelial-cell–derived cytokine thymic stromal lymphopoietin (TSLP)

中等・重症喘息のうち、特に非好酸球性でコントロール困難な症例
52週間治療

プライマリ・エンドポイントは、喘息急性増悪年間換算発生数(イベント/年)


Tezepelumab in Adults with Uncontrolled Asthma
Jonathan Corren, et al.
N Engl J Med 2017; 377:936-946September 7, 2017
DOI: 10.1056/NEJMoa1704064

 tezepelumab 4週毎 70mg(低用量:145名)、 210mg(中等量; 145名)、2週毎 280mg (高用量; 146名)
急性増悪年間換算回数はそれぞれ 0.26、 0.19、 0.22 vs プラシーボ(148名) 0.67
プラシーボ比較発生比率計算 61%、 71%、 66% p < 0.001)

同様の結果が末梢血好酸球数関連せず認められる


気管支拡張剤投与前FEV1 52週目はtezepelumab群全てでプラシーボ群に優る (差, 低用量 0.12 liters [P=0.01], 中等量 0.11 liters [P=0.02], 高用量 0.15 liters [P=0.002])




 副事象による中止:中等量 2名、高用量 3名、 プラシーボ 1名





アストラゼネカからのお達し
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2017/2017091102.html


最近の喘息病態スキームには必ず出現するTSLP、かなり期待されてるはず

2017年9月16日土曜日

マラソン:乳清・ホエイにてマラソン損傷、運動パフォーマンス改善?



エリート・アスリートの話だが

乳清:wheyは マラソン損傷と運動パフォーマンスを改善する



Whey Protein Improves Marathon-Induced Injury and Exercise Performance in Elite Track Runners
Wen-Ching Huang , et al.
Int J Med Sci 2017; 14(7):648-654. doi:10.7150/ijms.19584

12名の男性エリート・トラックランナーをランダムにwhey群とmaltodextrin群に割り付け5週間投与、生理学的adaptationと運動パフォーマンスを比較

マラソン後set 1 dayでマラソン後損傷、そしてendurance testから1週間後回復評価

whey群でAST、ALT、LDH、CK値低下
12分ウォーク、ランでのendurance perfomanceは、ともに改善
筋肉量増加、運動損傷改善のためか・・・




簡単に摂取となると、カゼインか・・・

そういえば、フルマラソン3日後 職場検診強要され・・・AST、ALT増加してた。



それと、「グルテン・フリー」教から「カゼイン・フリー」教が日本でも広がっているようだが・・・

2017年9月14日木曜日

TOSCA.IT trial: メトホルミン+ピオグリタゾン vs メトホルミン+SU剤の比較 どちらが心血管アウトカム優れるか?

日本の糖尿病治療の特異性の一つは、メトホルミン軽視

メトホルミン第一選択であり、その後のadd-on治療にどれを選択すべきか・・・というのが臨床的課題となるのだが・・・


メトホルミン+ピオグリタゾン vs メトホルミン+SU剤の比較

最近は、SU剤処方したら悪者のような扱いされそうで怖い


Effects on the incidence of cardiovascular events of the addition of pioglitazone versus sulfonylureas in patients with type 2 diabetes inadequately controlled with metformin (TOSCA.IT): a randomised, multicentre trial
Olga Vaccaro, et al.
Vaccaro O, et al
" Lancet Diabetes Endocrinol 2017;
DOI: 10.1016/S2213-8587(17)30317-0.


イタリアの糖尿病学会下のトライアル
Gabriele Riccardi, for the Thiazolidinediones Or Sulfonylureas Cardiovascular Accidents Intervention Trial (TOSCA.IT) study group


pragmatic randomized TOSCA.IT trial
2型糖尿病“メトホルミン”へのadd-on治療の心血管イベント減少面ベネフィットとして、ピオグリタゾン (Actos)はSU剤に対する優越性を認めなかった。
SU剤:グリメピリド(アマリール)、グリクラジド(グリミクロン:米国発売無し)は、ピオグリタゾン使用と同等のプライマリ構成エンドポイント(全死亡、非致死性心筋梗塞、緊急冠動脈再建術) (HR 0.96, 95% CI 0.74-1.26)。


また、虚血性イベントの二次エンドポイント(突然死、致死性/非致死性心筋梗塞(無症候性心筋梗塞を含む)、致死性/非致死性卒中、膝上下肢切断、冠動脈・下肢・頸動脈再建)
でも有意差無し





アマリール 0.5mg錠のそのまた半分で効果ある症例が存在する。そういいながら北関東から来られた患者さん、アマリール6mg処方されていた


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note