2018年6月6日水曜日

ビタミン・ミネラルサプリメントは心血管疾患予防に無益、葉酸だけちょっと例外

葉酸のみ卒中リスク減少あるかもしれないが、他の一般的なビタミン、ミネラルサプリメントは心血管疾患予防には役立たない

この知見から、本来自然なはずの野菜など植物由来食品に重きを置くヘルシーダイエットを強く推奨すべきと筆者等

米国民の半数52%がサプリメントを利用しているが、有益性を認めないという事実を強く、深く受け止めなければならない




179のRCTに基づくシステマティック・レビュー/メタアナリシス

マルチビタミン、ビタミンD、カルシウム、ビタミンCのサプリメント主要成分の何れにも明確優有意な心血管疾患アウトカム、全原因死亡率へのベネフィット認めず
ビタミンDにおいては、43RCTにおいて、有害性/有益性ともに認めず
包括的リスク比 包括的死亡率 0.99 (95% 信頼区間 0.95 - 1.03 ; P = 0.58)で、heterogeneityなく、エビデンスとして高品質であった。同様に、CVD全体へのインパクトも認めない( RR 0.95, 95% CI 0.86 - 1.05 P=0.31)

葉酸のみが、heterogeneityなく、中等度品質のエビデンスとして、卒中リスク減少 (RR 0.80 , 95% CI 0.69-0.93; p=0.003)で、China Stroke Primary Prevention Trial (CSPPT)の知見に一致



 Supplemental Vitamins and Minerals for CVD Prevention and Treatment
Journal of the American College of Cardiology (JACC) Volume 71, Issue 22, June 2018
DOI: 10.1016/j.jacc.2018.04.020








昔っからだが、調理法紹介などでなぜか「この食品に含まれる***は***に効果があり、栄養満点です」ってのがあるが、あれもなぁ
***という成分の宣伝→サプリメントの販促の一環じゃないかと疑いたくなる



小児喘息:BMI、性差にて喘息入院発生頻度異なる

男児では痩せ型が、女児では肥満型で喘息入院確率高まるという国家規模のコペンハーゲン研究報告

喘息罹患率とは別の話のようで・・・


BMI at school age and incident asthma admissions in early adulthood: a prospective study of 310,211 children
Ulrik CS,  et al.
Clinical Epidemiology Volume 10 25 May 2018 Vol. 2018:10 p 605 - 612
Published 25 May 2018 Volume 2018:10 Pages 605—612
DOI https://doi.org/10.2147/CLEP.S156310


Copenhagen School Health Records Register 前向き研究 310,211名の就学児
身長体重年次、一般化BMI z-スコアにて4分位カテゴライズ
7−13歳BMIと喘息入院リスクの関連性

フォローアップ4,708,607人年、喘息入院発生 1,813
小児期BMIと喘息入院とは非線型相関

小児期BMI最大カテゴリでは女性において、13歳時点喘息入院増加:最大ハザード比:HR 1.3 (95% CI, 1.16-1.55) 
一方、男性においては、最小BMIカテゴリにおいて、12歳時点最大の喘息入院HR 1.24 (95%CI, 1.03-1.51)

女性において、7歳→13歳でのBMI増加は、不変BMI対照に比べ喘息入院増加  (HR 1.28, 95% CI 1.10–1.50)



性別による影響は対照的なのが興味深い

今までの報告でもばらつきがあり、Bnedettiら(Nutr Hosp. 2015;32(6):2540–2548.)は、思春期横断研究で、過体重・腹部肥満と喘息罹病の正相関、特に男児において喘息リスク多いと報告。Luらの報告(J Pediatr. 2016;176:36–42.)では女児では過体重・肥満での喘息頻度増加示すが、男児では示さないなど。
Schatzら( J Allergy Clin Immunol Pract. 2015;3(4):560–565.e1.)は、BMI高値だと喘息急性増悪リスク増加を示す報告あり、Tayら( Respirology. 2016;21(8):1384–1390.)も重症喘息に同様傾向を報告。


性差と重症度・重症イベントなど組み合わせで色々複雑なようだ


2018年6月5日火曜日

夜間照明下睡眠はインスリン抵抗を生じる

単純な研究で、クリアカットの結論

Light exposure during sleep may increase insulin resistance
Chronic overnight light exposure could have long-term effects on metabolic function
Date: June 4, 2018
Source: American Academy of Sleep Medicine
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/06/180604172736.htm


Summary:
予備的新規研究によると、夜間のライト暴露は、代謝機能へ悪影響を与える。仮説としてメタボリックアウトカムへ不利益性の影響を与える



Dark-Dark (DD) or Dark-Light (DL) groupにランダム化

night1では < 3 lux
night2では 頭上室内灯100 lux


終夜ポリソムノグラフィー・メラトニン時間毎サンプリング

経口ぶどう糖耐糖能検査を朝行い比較

HOMA評価インスリン抵抗
DD群比較すると、DL群でインスリン抵抗性高く P<0.05

主にインスリン値の増加によるもの




Dark Modeがインスリン抵抗性低下に役立つかは不明
https://www.engadget.com/2018/06/04/macos-mojave-includes-dark-mode/

2型糖尿病:メトホルミンは eGFR 30未満のみ注意

eGFR <30 min="" ml="" sup="">30 mL/min./1.73 m2未満でのみ、メトホルミン関連アシドーシス存在するという結論
<30 min="" ml="" sup="">
<30 min="" ml="" sup="">故に、T2DMにおいては eGFR 30以上では使用安全性担保された?<30 30="">
<30 min="" ml="" sup="">
<30 min="" ml="" sup="">
<30 min="" ml="" sup="">年齢平均 45-59では 72.2(10.7)歳 eGFR 30-44では74.6歳(11.3)歳、 30未満では74.2(12.2)歳に対して、全体では 60.4(15.5)歳なので、eGFR低下例は高齢者に偏っている。一応、demographic 補正でも結論は変わらないので、問題ないのだが・・・<30 min="" ml="" sup="">


日本のガイドラインによる年齢によるカットは妥当かどうかもあわせ議論されるべきだろう!

<30 min="" ml="" sup="">




Association of Metformin Use With Risk of Lactic Acidosis Across the Range of Kidney Function
A Community-Based Cohort Study
JAMA Intern Med. Published online June 4, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0292


Geisinger Health Systemの糖尿病 75,413名住民ベースのコホート
メトホルミン新規使用 67,578名、SU剤新規 14,439

一次コホート(n=75,413) 平均年齢 60.4(15.5)歳、女性 51%

フォローアップ中央値 5.7年間(IQR 2.5-9.9年間)、アシドーシス入院発生 2335

(メトホルミン外)代替糖尿病管理比較にて、時間依存メトホルミン使用は、

  • 包括的には、イベントとしてはアシドーシス発生と相関せず  (adjusted hazard ratio [HR], 0.98; 95% CI, 0.89-1.08) 

また、

  • eGFR 45 to 59 mL/min/1.73 m2 (adjusted HR, 1.16; 95% CI, 0.95-1.41) 
  • eGFR 30 to 44 mL/min/1.73 m2 (adjusted HR, 1.09; 95% CI, 0.83-1.44)


一方、メトホルミン治療はeGFR <30 min="" ml="" sup="">30 mL/min./1.73 m2未満でアシドーシス発生リスク増加 (adjusted HR, 2.07; 95% CI, 1.33-3.22)


  • 新規メトホルミン治療使用者を新規SU剤使用と比較して結果は同様 adjusted HR for eGFR 30-44 mL/min/1.73 m2, 0.77; 95% CI, 0.29-2.05)
  • propensity-matched cohortでも同様 (adjusted HR for eGFR 30-44 mL/min/1.73 m2, 0.71; 95% CI, 0.45-1.12)
  • ベースラインインスリン治療例を除外時も同様  (adjusted HR for eGFR 30-44 mL/min/1.73 m2, 1.16; 95% CI, 0.87-1.57)
  • replication cohort でも同様(adjusted HR for eGFR 30-44 mL/min/1.73 m2, 0.86; 95% CI, 0.37-2.01)




青の部分が気になるのだが・・・




職務ストレスは心房細動リスクを増加

この報告の要約
 Swedish Longitudinal Occupational Survey of Health (SLOSH) のデータに基づくと、job strain(職務ストレス)は、心房細動のリスクをほぼ50%増加( ハザード比 1.48, 95% CI, 1.00 - 2.18 年齢、性差、教育補正)
喫煙、身体活動、BMI、高血圧補正追加で、推定リスク不変
今回の報告と以前の2つの研究のメタアナリシスで、一定パターンである”職務ストレスの心房細動リスク相関”が示された。推定pool化ハザード比は 1.37 (95% CI, 1.13 - 1.67)




Job strain and atrial fibrillation – Results from the Swedish Longitudinal Occupational Survey of Health and meta-analysis of three studies
European Journal of Preventive Cardiology 0(00) 1–8 The European Society of Cardiology  2018
http://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/2047487318777387






ストレスのない職業なんてあるのかという疑問を持ちながら・・・ この研究の定義的記載は
Work stress was measured at baseline (i.e. the time of study inclusion) and was defined as job strain according to the job demand–control model. The Swedish demand–control questionnaire with five job demand items and six control items was used to measure job demands and control.
The demand–control–support model for studying health in relation to the work environment – an interactive model. In: Orth-Gome ́r K and Schneiderman N (eds) Behavioral medicine approaches to cardiovascular disease prevention. Mahwah, NJ: Lawrence Erlbaum Associates, 1996, pp.69–85.
Job Demand-Control(-Support)(JDC-(S))モデル
→日本語で書かれているサイト :https://mental.m.u-tokyo.ac.jp/jstress/JCQclub/WhatIsJCQ.htm

職場の質:心理的demand、コントロール(もしくは decision latitude)と社会的サポート
”緊張度の高い職業は、demand高レベル・control低レベルで、心理的strainを生じ、疲労、不安、うつ、心理的不調を訴える。demand低レベルでcontrol高レベルでハッピーと・・・”。一方、buffer hypothesisでは特定の閾値を超えるcontrolレベルだと疾患リスク増加を伴うdemandにも防御効果があると・・・

この辺は、産業医の皆さんはご承知の所なのだろう



心房細動にはこういう報告もある

Enhanced Cardiomyocyte NLRP3 Inflammasome Signaling Promotes Atrial Fibrillation
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.035202
Circulation. 2018;CIRCULATIONAHA.118.035202
Originally published May 25, 2018


心房細動は炎症反応と関連、CM NLRP3-inflammasome signaling が心房細動の病因生理に関連する可能性、NLRP3抑制による治療の可能性示唆


2018年6月4日月曜日

米国:オピオイドによる早死に、若年においては死因の5人に1人

乱用は、アメリカの病巣の一つだと思う

https://www.healio.com/psychiatry/addiction/news/online/%7B8e07919d-d17a-49c7-b69a-7d4c38a42f0f%7D/premature-opioid-related-deaths-rise-enormously-across-the-us




連続横断研究にて、2001年→2016年にかけ、オピオイド関連死292%(0.4% → 1.5%)、2016年だけで年間168万名死亡、人口1000人あたり 5.2名

オピオイドによる早死は余りに多く、そして、まだまだ拡大傾向にある

損失生存年数(Years of Life Lost: YLL) だと、高血圧、HIV/AIDS、肺炎による超過寄与を凌駕し、死亡65名のうち1名がオピオイド関連
癌に相当する死亡

The Burden of Opioid-Related Mortality in the United States
JAMA Network Open. 2018;1(2):e180217. 






 死因:処方薬と非合法ドラッグ(e.g. ヘロイン、フェンタニル誘導体)オピオイドをCDC WONDERデータベース利用
International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, 10th Revision [ICD-10] codes X40-X44, X60-64, X85,  Y10-Y14) and a multiple cause of death code related to an opioid (ICD-10 codes T40.0-T40.4 and T40.6)






2018年6月2日土曜日

好酸球パラメータ(FeNO、喀痰好酸球)補正喘息管理のシステマティック・レビュー

NO呼気濃度や喀痰好酸球数といった好酸球マーカーを利用したテーラーメイド喘息治療のシステマティック・レビュー・メタアナリシス


急性増悪回数減少効果認めるというのだけでも画期的だが・・・コントロールや肺機能へ好影響与えないってのが・・・



Tailoring asthma treatment on eosinophilic markers (exhaled nitric oxide or sputum eosinophils): a systematic review and meta-analysis
Thorax online first
Thorax 2018;0:1–10. doi:10.1136/thoraxjnl-2018-211540
http://thorax.bmj.com/content/early/2018/06/01/thoraxjnl-2018-211540


FeNOベース治療16研究(成人例 7研究)、喀痰ベース 6研究(成人:5研究)
臨床的にheterogenous





喀痰好酸球戦略(vs 対照)で有意な急性増悪減少効果
1回以上急性増悪: 62 vs 82/100 被検者 、オッズ比 0.36 95% CI, 0.21 - 0.62

FeNO戦略(vs対照)、成人 OR 0.60 (95% CI, 0.43 - 0.84)、小児 0.58 (95% CI, 0.45 - 0.75)

1日あたり吸入ステロイド投与量、喘息コントロール、肺機能への群間有意差認めず



【結論】 気道好酸球マーカーをベースにした補正治療により喘息急性増悪リスク減少の可能性あるも、喘息コントロール、肺機能への有意性のある影響認めず

http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2018-211540

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禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note