北京オリンピックの時、大気汚染が話題となっていた。
大気汚染:北京オリンピック 2008年 03月 11日
北京オリンピック:アスリートだけでなく観客も危険 心血管疾患 2008年 07月 22日
その後、話題に上ってなかったが、期間前後検討され、積極的大気汚染制限により、心血管疾患バイオマーカー改善効果がみられた。
Association Between Changes in Air Pollution Levels During the Beijing Olympics and Biomarkers of Inflammation and Thrombosis in Healthy Young Adults
JAMA May 16, 2012, Vol 307, No. 19
北京オリンピック期間中、大気汚染物質排出制限の準実験計画の機会がもたらされた
大気汚染連日データと125名の若年成人アウトカムをオリンピック前、期間中、後で調査(6月2日~10月30日)
線形mixed-effects modelでオリンピック期間中のアウトカムレベル改善にて、アウトカムレベルの変化が大気汚染濃度変化と関連しているかを決定することで、大気汚染コントロールでアウトカム可逆性可能性を検討。
主要アウトカム:CRP、フィブリノーゲン、von Willebrand factor(vWF)、sCD40L、sCD62P濃度、WBC、心拍、血圧
結果:粒子・ガス状大気汚染物質はオリンピック前から期間中、-13%~-60&減少
0.003レベルの両側検定で、統計学的に有意改善
・ sCD62P 濃度: −34.0% (95% CI, −38.4% to −29.2%; P < .001) :平均 6.29 ng/mL → 4.16 ng/mL
・ vWF: −13.1% (95% CI, −18.6% to −7.5%; P < .001):平均 106.4% → 92.6%
多変量補正後、他のアウトカム変化では統計学的有意差を認めなかった。
オリンピック期間後大気汚染濃度増加したが、多くのアウトカムは、ほぼ、オリンピック前の値となる。しかし、sCD62Pと収縮期血圧は有意にオリンピック期間から悪化。
CRPの上限値区画比率(0.3mg/L以上比率)は、オリンピック前から55%からオリンピック期間中46%へ減少し、オリンピック後36%へさらに減少。
大気汚染濃度中間4分位はフィブリノーゲン、vWF、心拍、sCD62P、sCD40L濃度増加と一貫して統計学的有意相関。
結論:北京オリンピック期間中の大気汚染濃度の変化は、炎症・血栓バイオマーカー、および、心血管生理学的測定値の急性的変化をもたらす。
これらの所見の臨床的意義は今のところ不明。
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