2012年1月23日月曜日

喫煙と肺がんに関するエビデンスと議論 ”実験的結果の欠如” ”疫学的証拠軽視主義” ・・・などが存在

たばこの発がん性を示すに十分な”実験的結果”がないことは・・・
 愛煙家だろうが、嫌煙家だろうが、治療者だろうが、JT社員だろうが、関連研究者だろうが、一般市民だろうが、知っておくことは必要。

一方で、司法判断で、疫学的なエビデンスを完全否定し、”実験的結果”のみを採用するというのは間違い。


喫煙は、"疾患・死亡の原因のなかで予防できるもっとも大きな危険因子(2006年 09月 21日)”で、直接喫煙の危険性だけでなく、受動・間接喫煙による健康による害についても確実に存在するもの(職場の環境喫煙の肺癌リスク 2007年 02月 01日)と学術的な論文にされている。

にもかかわらず、なぜ、「たばこ病訴訟」司法判断において、その有害性に関する原告側主張が、棄却されたのだろうか

横浜たばこ病裁判に於ける「“原因”は病理によってのみ確定されるのであり、“疫学”によっては確定されないのである」” という証言 が象徴的。


横浜市立大学名誉教授の蟹沢成好氏は、経歴からJTとのつながりを指摘され、一部には人格批判まで行ってるWebサイトもある(嫌煙原理主義って、こういう行動をとるから一切の共感をもてない)。

で、氏の記載物である「喫煙の生体影響と発癌」を冷静に見てみると、
「...疫学研究成績は、国際がん研究機関(IARC、Lyon)専門家会議において「たばこ煙はひとに対して発癌性あり」との結論を生むところとなり、今日の世界的禁煙キャンペーンの原動力となったのであるが、一方で喫煙による発癌については依然として実験的証明に欠けることも問題点として残されている。したがって喫煙と癌の問題はなお多角的な検索、究明が必要」と書かれている。


・・・と、至極もっともなことが記載されている。 


だが、”「喫煙と癌の」実験的証明の欠如 ”という指摘は、 蟹沢氏の独特の発案というわけではない。


たとえば以下のレビュー
Review: Smoking and lung cancer: recent evidence and a discussion of some questions
Jerome Cornfield, William Haenszel, E. Cuyler Hammond, Abraham M. Lilienfeld, Michael B. Shimkin and Ernst L. Wynder
Oxford Journals Medicine International Journal of Epidemiology Volume38, Issue5 Pp. 1175-1191.
http://ije.oxfordjournals.org/content/38/5/1175.full

  「疫学的・実験的エビデンスによる、喫煙の原因的関連的結論(”conclusion of a causal relationship with cigarette smoking”)が支持される疫学的・実験的証拠が一致して存在するが、その後出現した他の仮説のエビデンスを認識に重大な不一致性が認められる」と書かれている。



肺癌と喫煙の観察相関解釈
1) causal hypothesis: 喫煙が肺癌の”原因”
(直接原因か、間接原因か?)
2) 肺癌が喫煙の”原因”というもので、たばこを求めるプロセスがセットアップされた状況が発がんと関連するというもの
3) constitutional hypothesis: 喫煙、肺癌共に共通する原因がある。特異的な状況、遺伝子的なものなど、肺癌と喫煙を引き起こしやすい傾向と関連.

2番目はわかりにくいが、Fisher (Centennial Rev Arts and Sciences. 2:151,. Michigan State University; 1958. Cigarettes, cancer and statistics.)らが開発。

喫煙の肺癌による死亡率増加の関連性はcausal hypothesisと完全一致しているが、多くの観点でconsitutional hypothesisでは一致してない。それは互いに比重化したヒトでの検討においてさえそうなのである。

constitutional hypothesisは、半世紀内に死亡率が変化したこと、実験モデルにおいてたばこタールの発がん性、パイプ・シガーたばこは口腔・喉頭にも影響を与える発がん性をもつ、 喫煙をやめると肺癌死亡率が減少する・・・で影響され、研究困難。

このconstitutional hypothesisに対する十分な考察はなされてない。


・肺への吸入量と、発がんに定量的関連性がない : Inhalation of Smokeの問題
・肺や気管支の病変と同様、上気道の癌でも定量的関連性が見いだされてない :Upper-Respiratory Cancerの問題

・喫煙と肺癌の関連性は”疫学的なものばかり”であり、実験的エビデンスがかけているという蟹沢氏と共通した指摘がある。

たとえば、 「ウシの摘出上皮での気道繊毛機能障害、ラット・ウサギでも同様所見、喫煙者での線毛上皮円柱細胞の欠損、線毛上皮短縮化・・・ Auerbachらは“carcinoma-in-situ” は、異型性・円柱上皮の性質を欠如してもので、これと喫煙程度の関連を示したが、定義上の疑念が生じている。そして、侵襲型のがんへの進展するまでの形態的変化が示せてないことも疑念としての指摘。さらに彼らは動物実験で再現を試みている。Rockeyらは犬の気管支粘膜に直接タールを塗り、3-6週間後、異型上皮化生、過形成、異型、扁平上皮化生などへの変化を示した。Leuchtenbergerらは、200日間マウスに暴露し、顕微鏡的上皮、気管支炎、基底細胞過形成、異型基底細胞への変化などが示されたが、動物では基底細胞過形成が主で扁平上皮過形成は少数。...」など






0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note