2012年1月23日月曜日

医師報酬により心臓検査オーダー影響を受ける

この論文、気になってたけど、そのままスルーしてた論文。

Association between physician billing and cardiac stress testing patterns following coronary revascularization.
JAMA. 2011 Nov 9;306(18):1993-2000.

医師報酬により、ストレス心エコー・核医学検査オーダーの程度が異なってくるという話。

冠動脈再建術後のストレス検査は、Journal Watchによると、"Appropriate Use Criteria for Cardiac Radionuclide Imaging"(ACCF/ASNC/ACR/AHA/ASE/SCCT/SCMR/SNM 2009 Appropriate Use Criteria for Cardiac Radionuclide Imaging)では、以下のごとく、無症状・血管再建術が成功下で行われている状況では、通常、“不適切検査”となる。


 Figure 6 




経済的インセンティブが医師に臨床実践へ与える影響のいかんについて厳格な検査が進行中である。
冠動脈再建術後の医師報酬とストレス試験の関連を、連邦保険からのデータで検討。

17847名の成人(平均年齢55、21%女性) の心臓関連外来患者で、86%関連症状なしの可能脈再建術後90日超過患者、2004年11月1日から2007年6月30日まで

循環器医師(医師への報酬約半分)のうち、技術・専門報酬70%、14%、どのサービスでなくても16%の場合を比較。

全体的に、指定外来30日以内、ストレス試験施行 12%(核医学ストレステスト 10%、 エコーストレス 2%)。
多変量解析にて、医師報酬状況はストレス試験の尤度に相関。

どのタイプの報酬もなかった医師に比べ、技術・専門報酬は特にreferが多かった (odds ratio, 2.2; 95% confidence interval, 1.6–2.9)。逆に、専門報酬飲みの場合は軽度の尤度(統計学的有意差無し)

 AUC(ACC)はルーチンのストレス試験を推奨してないが、この研究では、一任的検査施行として、8名の患者の内1名で行われてしまっている。症状により施行示唆された場合ももちろんあるが、内場合もあった。さらに、解釈に対して報酬を行うことがオーダーに影響を与えていることが考えられる。
多くの説明因子が考えられるが、経済的インセンティブがケアの質に影響を与えていることは確か。





“インセンティブが与えられてない場合、過小施行”という分析はないのだろうか?

ストレス試験は施行リスクを元々保有する。それに見合わない報酬のとき、医師たちは、どういう意思決定をするのか・・・語られるべきだと思う。

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