2012年1月30日月曜日

感染性胃腸炎:勤務・登校に関する公的指針提示を! 検査施行に関する矛盾解決を!

ホテルや 給食施設、学校関連事業、医療機関での”ノロウィルス感染”のニュースが今日も報道されている。

食中毒:名張・赤目のホテルで33人 患者からノロウイルス /三重‎ 毎日新聞

ノロウィルス48人から検出…玉名の柔道練習会‎ 読売新聞

ノロウイルス 指宿市で学校給食の配送停止(鹿児島県)日テレNEWS24 

冬季いつも問題になるのが、”感染性胃腸炎”関連病名をつけたときの、学校・勤務先の対応の問題・・・これが実地医家にとっても、頭の痛い問題となる。

外食・給食関係事業所、医療/介護事業所、看護師や理学療法士関連の育成機関では実習の問題など事業所としては神経質になっているのが分かる。

一方で、”症状が消失しても長期間にわたり排出されているウイルスは、新たな感染源となり得る可能性が高い”(IASR:感染後のノロウイルス排出期間および排出コピー数 (Vol.28 p 286-288:2007年10月号))という特性上、医師側も、下痢消失時に、自信を持って感染性リスク消失しましたということは言えないという事情がある (ネット上、下痢止まったら、感染リスク無くなるという誤った情報が氾濫しているようだ)。

では、”健康成人においても1カ月以上ノロウイルス遺伝子が検出された症例”の存在をもって、登校・出勤停止としたら、社会生活上大きな影響をあたえることとなるのは明らか。


関連行政機関は、”感染性胃腸炎”に関する、登校・勤務に関する指針を公表すべき。

ノロウィルス感染に関する検査医療保険上の取り扱いの問題を明確化すべき(中途半端な利用はミスリードや現場の混乱、風評被害を増加するだけ・・・)

各医療機関へは感染対策ガイドライン義務づけしてるのは・・・アホ役人たちは仕事をしない・・・




感染性胃腸炎とは、多種多様の原因によるものを包含する症候群
(参考:IDSC http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_11.html





多くの細菌、ウイルス、寄生虫が本疾患の起因病原体となりうる。
患者の糞便より、細菌培養(細菌)、ウイルス分離(ウイルス)、直接検鏡(カンピロバクタ、寄生虫)、抗原検出(ロタウイルス、腸管アデノウイルス、EHEC O157 抗原、ベロ毒素)、電子顕微鏡(SRSV)、PCR (ノロウイルス:旧称ノーウォーク様ウイルス、サポウイルス:旧称サッポロ様ウイルス)を行うことにより、病原体を推定・同定する。腸管出血性大腸菌では、ベロ毒素やリポ多糖体(LPS )に対する血清抗体を測定することによる血清学的診断も用いられる。



・ ロタウィルス、アデノウィルスに関するベッドサイド簡易検査は保険適用とされる
・ ノロウイルスの診断のための検査は、診療報酬上保険適用とされていないため、医療保険給付対象外となる。仮に、一部自費診療として医療機関側が被験者側に検査費用を要求した場合混合診療と見なされる可能性もあるため、一般医療機関での検査は困難


感染症法における取り扱い(2003年11月施行の感染症法改正に伴い更新)
感染性胃腸炎は5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から毎週報告がなされている。報告のための基準は以下の通りとなっている。
○診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の2 つの基準を満たすもの
1. 急に発症する腹痛(新生児や乳児では不明)、嘔吐、下痢
2. 他の原因によるものの除外
○上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの

学校保健法における取り扱い
本疾患は学校において予防すべき伝染病の中には明確に規定はされていない。ウイルス性疾患を念頭においた流行性嘔吐下痢症が、学校で流行がおこった場合にその流行を防ぐため、必要があれば、学校長が学校医の意見を聞き、第3 種学校伝染病としての措置を講じることができる疾患のうち、条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる伝染病のひとつとして例示されている。登校登園については、急性期が過ぎて症状が改善し、全身状態の良いものは登校可能となっており、流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって判断すべきであると考えられる。もちろん、病原体診断により、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフスなどの特異的な診断がなされた場合には、それぞれの疾患の規定に従う。

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