2012年4月28日土曜日

出生前BPA暴露:子供の行動に影響を与えている? 男女で異なる行動異常


 出生前bisphenol A(ビスフェノールA)暴露は、子供の行動に変化をもたらすが、男女差で、発現型が異なる。

Prenatal Bisphenol A Exposure and Child Behavior in an Inner City Cohort. Environ Health Perspect
Perera F, Vishnevetsky J, Herbstman JB, Calafat AM, Xiong W, Rauh V, et al.
ehp 2012.
http://dx.doi.org/10.1289/ehp.1104492

出生前EPA暴露と子供の行動の調査
198名(男児 87、女児 111)
男児では BPA出生前暴露高濃度(最大vs最小四分位)は、Emotionally Reactive上のCBCLスコア(問題行動)高値(1.62倍、95%CI 1.13-2.32)とAggressive Behavior syndromes (1.29 倍, 95% CI 1.09, 1.53)高値
女児において、高暴露は、スコア低値と相関、   Anxious/Depressed (0.75 倍, 95% CI 0.57, 0.99) と、Aggressive Behavior (0.82 倍, 95% CI 0.70, 0.97)は有意差あり




厚労省:ビスフェノールAについてのQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html



首相官邸の検索を行うと、国がなにも対応してないことが分かる.
この問題だけではないですけどね・・・・
消費者庁って一体何のためにあるんだっけ?

ED治療薬:アバナフィル FDA承認

 三菱ウェルファーマのED治療薬 FDA承認

“Stendra”(avanafil): TA-1790:アバナフィル(PDEV阻害剤)


FDA NEWS RELEASE
For Immediate Release: April 27, 2012
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm302140.htm
  

 30分前服用とされるようだが、15分前程度で効果発現で、バイアグラは30分必要だった。

2012年4月27日金曜日

ガイドライン:がん生存での食事・運動・体重コントロール

Guidelines Address Diet, Exercise, and Weight Control for Cancer Survivors

Article date: April 26, 2012
http://www.cancer.org/Cancer/news/News/guidelinesaddress-diet-exercise-and-weight-control-for-cancer-survivors




Nutrition and physical activity guidelines for cancer survivors
CA Cancer J Clin 2012;00:000-000. VC 2012 American Cancer Society.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.3322/caac.21142/pdf


1. 運動. 少なくとも20の観察研究で、身体運動活動性を有するがん生存者は、運動しない対照に比べ、がん再発リスク減少、生存率改善、しかし、乳がん、直腸結腸がん、卵巣癌といった特定のがんのみ。最近の乳がんのレビューのひとつに、運動で、乳がん死亡リスク低下34% 、乳癌再発リスク低下 24%という報告。臨床トライアルでは運動はがん生存者のうつリスク・心理的苦悩、疲労といったものの改善によるQOL改善をもたらす。
Recommendation: 中等度強度の運動週150分間、すべての主な筋群のstrength trainingを含む週2回の週に75分のintense activity


2. 食事. がん患者にとって理想的食事はない、個別要素を検討する研究、脂肪摂取のようなものは結果にばらつきがある。高血糖はがんの進展度増加させないが、肥満につながる可能性があり、再発リスク増加の可能性あり、食事に加える糖に関し少なめがスマートだろう。加工赤肉、ホットドック、deli meatやソーセージはがんのリスク・数増加を示唆する。フルーツ、野菜の高摂取は防御的効果が認められている。
Recommendation: 毎日2-3カップの野菜、1.5-2カップのフルーツを最低でも摂取。前立腺癌では、トマトソースは再発リスク減少を示唆。ベストな選択は暗緑色葉野菜、黄色、オレンジ色の野菜。 蛋白としては、魚、鶏肉、低脂肪乳製品、非動物性としては大豆蛋白、ビーン、ナッツを。赤肉は、週2-4サービングに制限. 
 
3. 体重. 肥満は、乳がん、前立腺、直腸結腸がん発症リスクを増大。 診断・治療後体重増加患者では様々ながんで再発・発症リスクが高まるという報告。不幸なことに、体重減少で再発リスク減少するということを支持するエビデンスが少ない。乳がんに関する報告で、6ポンドの体重減少は予防的というほうこくがあるが、確認が必要。
Recommendation: がん生存者は健康体重(BIM 18.5-25)を到達・維持するように

4. 食事性サプリメント. 医師たちは栄養最適化の側面から、ビタミンやミネラルの普及を勧めることが従来なされているが、よりデータが必要状況ではあるが、マルチビタミンサプリメントが死亡率増加させる可能性が示唆されている。
 Recommendation: 栄養素はすべて食品から摂取すべき。サプリメントは、医師がビタミンDやビタミンB12値が不足していると確認された例や、推奨レベルより持続的に低下しているケースだけで考慮されるべき。

2型糖尿病: 連日30分間 vs 隔日60分間 比較



2型糖尿病患者、中等度耐久性運動について、30分間の連日運動と、60分間の隔日運動比較

Exercise Therapy in Type 2 Diabetes
Is daily exercise required to optimize glycemic control?
Jan-Willem van Dijk, et. al.
Diabetes Care May 2012 vol. 35 no. 5 948-954


30名の2型糖尿病患者 (年齢 60 ± 1 歳、 BMI 30.4 ± 0.7 kg/m2、  HbA1c 7.2 ± 0.2%)
ランダム化交叉実験

3日間の3回の厳格な食事標準化だが、他は自由

対照:運動無し

サイクリング運動 
60分 隔日単回 vs 連日30分間


高血糖(血糖>10 mmol/L)頻度は、7:40±1:00 h:min/日 →連日運動 5:46±0.58、 隔日運動 5:51 ± 0:47 h:minと減少、 24 ± 4 、 24 ± 3% に相当(P<0.001)。

連日運動と隔日運動の差は認めない。 

DESMONO 新規診断2型糖尿病教育・自己管理プログラム: 考えは変わるが、現実の行動はかわらないですもの


単回指導でも、疾患信念改善効果持続、だが、臨床的指標は改善せず。


Effectiveness of a diabetes education and self management programme (DESMOND) for people with newly diagnosed type 2 diabetes mellitus: three year follow-up of a cluster randomised controlled trial in primary care
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e2333 (Published 26 April 2012)


目的 新規2型糖尿病患者への単独教育・自己管理構造化プログラムのベネフィットが3年後も維持するか評価

デザイン プライマリケアでの、ランダム化での、多施設クラスターランダム化トライアル3年フォローアップ

セッティング 13プライマリケアサイトの207名 GP(英国)

登録者 オリジナルトライアル824名登録者のうちフォローアップ可能731名、生化学データを604(82.6%)収集、アンケートデータを513(70.1%)収集
 
介入 構造化教育プログラム(6時間コミュニティーで集めて、2名の医療専門的教育者)を通常ケアと比較

主要アウトカム測定 プライマリアウトカムはHbA1c値。セカンダリアウトカムは、3年時血圧、体重、血中脂質レベル、喫煙状態、運動、QOL、疾患信条、うつ、糖尿病への感情的インパクト、薬剤使用

結果 3年時のHbA1c 値は、両群とも増加。
ベースライン・クラスター補正後、有意差は認めず   (difference −0.02, 95% 信頼区間 −0.22 ~ 0.17)
グループで、生化学的・ライフスタイルアウトカム、薬剤使用の差を認めず
12ヶ月時点で 4/5みられた介入群の疾患信条の変化は、有意ベネフィット3年後も維持  (P<0.01).
うつスコア・QOLに、3年後、差は認めず 

結論 新規2型糖尿病患者への単回プログラムでは、3年後、生化学的、ライフスタイルアウトカムに差は認めず、特定の疾患信条の改善は持続

 考えは変わっても、適切な疾患対応行動は変わらない・・・という限界。

2012年4月26日木曜日

NEJM スタチン擁護的perspective

 “2012年US FDAは、すべてのスタチンに対し、警告表示を新たにさせた”

いわずもがなの以下の3つ
1)スタチン使用者に関して血糖と・HbA1c増加の報告があること
2) 認知機能に関する軽度・可逆性だが影響を起こすこと
3)HIV、HCVに関わるプロテアーゼ阻害剤との併用注意に関すること
NYTimesなど米国メディア:スタチン使いすぎと・・・  2012年3月7日水曜日

高用量スタチン糖尿病発症4.9年早める ・・・しかし、CV減少 NNT v NNH 2011年 06月 22日




これに対する反論的perspective
Statins: Is It Really Time to Reassess Benefits and Risks?
Allison B. Goldfine, M.D.
April 25, 2012 (10.1056/NEJMp1203020)



LDL減少 1mmol/Lあたりのスタチンの効果





一方、JUPITER研究 17802名の糖尿病なし、LDL 3.4 mmol/L(130 mg/dL)および hsCRP 2.0mg/L以上では、ロスバスタチンによりプラシーボ比較で、新規糖尿病発症 25%のハザード比増加

新規発症糖尿病リスク増加にかかわらず、 臨床的重要な改善を示す心血管リスク低下をわずか1.9年で示している。それは、心筋梗塞・卒中、血管再建、不安定狭心症入院、心血管原因死亡といった要素。
セカンダリアウトカムとしても、心筋梗塞54%、卒中48%、血管再建 46%、全死亡率 20%減少。

メタアナリシス(57593名)(Diabetes Care 2009;32:1924-1929)では、新規糖尿病発症 13%の増加で、JUPITER研究ほどの増加リスクは認めなかった。他も同様(Lancet 2010;375:735-742)で、10%未満の増加報告

メカニズムとしては、細胞の研究で、 スタチンがβ細胞分泌、一つはCa2++依存インスリン分泌減少、 guanosine triphosphate (GTP)–binding proteinのisoprenylatioで説明。
また、スタチンのisoprenoid生合成抑制効果により、脂肪細胞のインスリンシグナル化蛋白の発現低下をもたらすことが、糖担体発現あるいはtranslation減少をもたらす。空腹時インスリン値軽度増加することは、インスリン感受性の変化とは一致してないが・・・。他のoff-target effectも関係するかもしれない。
 

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