2012年4月9日月曜日

向精神薬: ジェネリック vs 先発薬 副作用・効果・薬剤動態の相異報告一覧

 薬品というのは、製品毎のばらつきが生体への効果に影響を与える。国は、医師からブランド名処方を取り上げ、製品毎のばらつきによる患者への配慮を削ごうとしている。

“先発薬とジェネリックと同等か”というと、それはウソ。賦形剤が異なるし、溶解試験だけが義務づけで、血中動態義務づけされてない以上、同等と言うことはあり得ない。逆に、先発だけが優秀かというとそういうことも無い。いつの間にか、調剤薬局側で、今までの製品といつの間にか入れ替わり、 血行動態の変化や賦形剤などのアレルギーなどを生じた場合でも、医師たちは、薬剤製品変更にかかる不具合、に対し、直接対処困難となってきている。

国の強硬な態度に、多くの医師たちは、あきらめ気味で、先発→ジェネリックへの変更へ白旗上げている。

ホントに、それで良いのだろうか?

日本のメディアもほんの少しジェネリック変更への問題点に関し報道していた時代があったが、今はほぼ皆無。

国や保険者のジェネリック一辺倒の悪政を改めるには、ジェネリック変更による具体的副具合報告を積み上げる必要があるだろう。

medscapeにヒントとなるような記載がある。
 

特に 向精神薬関係に関して・・・


ジェネリック製品に於ける問題点要約

Branded vs Generic Psychotropic Medications: A Closer Look at Psychotropic Generics
Authors and Disclosures
http://www.medscape.com/viewarticle/761370

http://www.medscape.com/viewarticle/761370_3


抗けいれん薬
・急性治療必要患者数増加

カルバマゼピン
・痙攣数増加
・レベル悪化
・毒性とレベル悪化
・副腎機能低下
・AUCの90%信頼区間80%-120%と拡大
・Cmax平均時間低下
・薬物持続時間低下
・中枢神経系副作用増加


バルプロ酸など
・レベル低下と痙攣増加
・レベル増加と・痙攣減少
・変更後痙攣
・うつ・自殺思考
・副作用(特に、胃腸症状)
・血小板数減少
・血中濃度減少
  


ラモトリギン(商品名 ラミクタール)
・痙攣・副作用増加
・痙攣増加、AUC減少
・痙攣増悪、Cmax減少
・毒性、Cmax増加
・毒性、Tmax短縮
・Anticonvulsant hypersensitivity syndrome
・抗けいれん薬や他痙攣薬処方増加
・ 外来数増加、入院長期化


ガバペンチン(ガパペン)
・痙攣増加


トピラマート(商品名:トピナ錠)
・抗けいれん薬や他痙攣薬処方増加
・ジェネリック組み合わせ多いほど、入院期間増加
・頭部外傷・骨折リスク増加


リチウム
・血中濃度治療下領域


抗うつ薬

アミトリプチリン
・うつ悪化、血中濃度減少
・agitation消失

ノリトレン
・重度毒性


デシプラミン
・ うつ改善


フルオキセチン
・不安、下痢増加
・ 強迫性障害再発
・アレルギー反応(ジェネリックのみ)
・うつ悪化・再発、副作用増加

パロキセチン
・精神症状増加

シタロプラム
・副作用
・精神症状増加、再発

セルトラリン
・副作用

ベンラファキシン
・ Cmax90%信頼区間80%-125%以上拡大、副作用増加、ピーク・トラフ値変動大

ミルタザピン
・うつ悪化


ブプロピオン
・有効性低下 and/or 副作用増加


抗精神薬
クロルプロマジン
・量増加補正必要性

チオリダジン(メレリル)
・行動変容
・副作用

クロザピン(商品名:クロザリル錠)
・再発、急性悪化増加
・Cmax 90%信頼区間がオリジナルの80%-125%と拡大

リスペラドン
・90%信頼区間比率80%-125%に収まらず

抗不安剤


クロナゼパム
・鎮静、抗不安作用増加


アルプラゾラム
・パニック障害増加


ジェネリック製品への変更で、一番先に気付いたのは、睡眠薬の効果・・・ジェネリックを複数使ったがやはり先発ほど効果が無く、患者とのトラブルも続いたため、先発品へ変更のまま現在に至っている。

一方、国・厚労省は、ジェネリック批判を“独占禁止法違反”と馬鹿なことを主張し、批判の声を遮っている。
後発医薬品:使用、医療機関に不安--公取委調査

医療機関への聞き取り調査では「先発品メーカーが後発品の不安をあおる説明をし た」「後発品の効能が低いというデータを見せられたが、根拠があいまいだった」など、不当な情報提供で後発品採用を妨害する行為が報告された。公取委は 「妨害行為は独占禁止法違反に当たる」と指摘している。毎日新聞 2006年9月28日 東京朝刊
 他、参考。

ジェネリック薬に関する医療機関側からの考察  2011年 12月 05日

米国GAO ジェネリック製品でかえって医療費増加  2012年3月3日土曜日 

1 件のコメント:

  1. 役人さんって、こういう嘘を平気で流すことになんのためらいも、正義感もないのだろうか?

    「ジェネリック医薬品への疑間に答えます~ジェネリック医薬品Q&A~ 」
    http://nk.jiho.jp/servlet/nk/related/pdf/1226546367614.pdf

    “ジェネリック医薬品と先発医薬品とは、有効性や安全性について基本的に違いはありません。ジェネリック医薬品が先発医薬品と異なる添加剤を使用する場合も、先発医薬品が上市後に添加剤を変更する場合と同様に、添加剤の違いによつて有効性・安全性に違いが生じないことを確認しています。”

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