2012年5月10日木曜日

慢性炎症性脱髄性多発神経炎 :免疫グロブリン静注 vs メチルプレドニゾロン注

2ヶ月以上にわたって進行性または再燃性の左右対称性の四肢の運動・感覚性障害を示す末梢神経の疾患(神経炎)である、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy: CIDP)


この疾患への多施設ランダム化二重盲検プラシーボ対照化平行群研究


結論は、IVIg6ヶ月治療は、メチルプレドニゾロン治療に比べ、無効故中断、副作用中断、耐容できず中断が少ない。ただ、長期効果・影響の検討が必要



Intravenous immunoglobulin versus intravenous methylprednisolone for chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy: a randomised controlled trial
The Lancet Neurology, Early Online Publication, 10 May 2012




1:1センター割り付け
・ IVIg (0.5g/日 4連続日投与)
・ 静注メチルプレドニゾロン(0.5g /生理食塩水250mL/日 4連続日)
6ヶ月間月毎に投与

治療終了後6ヶ月間フォローし再発チェック

プライマリアウトカム:  無効・耐容不能による中断数差
セカンダリエンドポイント: 終了後副事象イベント・増悪比率


 45名(IVIg群 24、 メチルプレドニゾロン静注群 21名)完遂

IVIgよりメチルプレドニゾロンで中断数多い  (11 [52%] of 21) than IVIg (three [13%] of 24; relative risk 0·54, 95% CI 0·34—0·87; p=0·0085)

性、年齢、疾患期間、合併症、 modified Rankin scale 、 ONLS score、事前治療要素補正後も、2群差あり (odds ratio 7·7, 95% CI 1·7—33·9; p=0·0070)

中止理由は有効性なし (メチルプレドニゾロン群 8 vs IVIg群 3)、副作用  (メチルプレドニゾロン群 1)、 自発的中断  (メチルプレドニゾロン群 2)

IVIg 群2例は6ヶ月後フォロー期間中死亡

副作用イベント比率は差認めず(メチルプレドニゾロン群  (14 [67%] / 21) 、 IVIg 群 (11 [46%] / 24; p=0·1606)

治療中断後、IVIg患者ではメチルプレドニゾロン群より悪化し、さらに治療が必要となった  (8 [38%] / 21) メチルプレドニゾロン群  (0 / 10; p=0.0317)






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