2012年6月5日火曜日

個別長軸的研究メタアナリシス:抗うつ薬治療と自殺の関係は無い! ・・・ という結論



我々は、まともな個別的長軸的検討をせずに、抗うつ薬と自殺関連指標について、ぐちゃぐちゃ言っていたことになる。

抗うつ薬と自殺念慮・行為の関係はシロ! という話


小児や若者での抗うつ薬と自殺念慮や行為との関係について、FDAはblack box警告をしている。
若年者に関して標準評価法を用いて抗うつ薬の安全性を評価したメタアナリシス


Suicidal Thoughts and Behavior With Antidepressant TreatmentReanalysis of the Randomized Placebo-Controlled Studies of Fluoxetine and Venlafaxine
Robert D. Gibbons et. al.
Arch Gen Psychiatry. 2012;69(6):580-587. doi:10.1001/archgenpsychiatry.2011.2048



フルオキセチンに関する12の成人、4つの高齢者、4つの若年者RCT、 塩酸ベンラファキシンに関する21成人トライアル

 Children's Depression Rating Scale–Revised and the Hamilton Depression Rating Scaleと自殺気と・自殺副事象イベントを9185名で解析

フルオキセチンとベンラファキシンは成人・高齢者において自殺念慮・行為を減少させる
この予防効果は、治療中うつ症状減少によるもの

若年者では、うつ治療反応にかかわらず、自殺念慮・行為へ、有意な影響は みられず
服薬若年者での自殺リスク増加のエビデンス認められず

知る限り、これが大規模発表・未発表研究からの長軸個別レベルデータを用いたうつ症状への介入的役割を調査した抗うつ薬治療中うつ患者で自殺念慮・行為についての最初の研究である。


成人・高齢者 フルオキセチンとベンラファキシン塩酸 うつ重症度補正自殺リスク
実線:対照、破線:治療患者




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