2012年6月14日木曜日

経口避妊薬と、血栓性卒中・心筋梗塞リスクの関連性あり 黄体ホルモン種類による影響差も

経口避妊薬と、血栓性卒中・心筋梗塞リスクの関連性




Thrombotic Stroke and Myocardial Infarction with Hormonal Contraception
Øjvind Lidegaard,et.
al.
N Engl J Med 2012; 366:2257-2266June 14, 2012


総数 1,626,158 女性、 14,251,063 人年観察、期間中 血栓性卒中 3311  (21.4 / 100,000 person-years)、心筋梗塞 (10.1 / 100,000 person-years)


非使用者比較で、経口避妊薬現行使用者

■ ethinyl estradiol 30~40μg投与で、相対リスクは 血栓性卒中、心筋梗塞の相対リスクと相関
その影響は、プロゲスチンの種類による
・norethindrone: 2.2 (1.5 ~ 3.2) 、 2.3 (1.3 ~ 3.9)
・levonorgestrel: 1.7 (1.4 ~ 2.0) 、 2.0 (1.6 ~ 2.5)
・norgestimate: 1.5 (1.2 ~ 1.9) 、 1.3 (0.9 ~ 1.9)
・desogestrel: 2.2 (1.8 ~ 2.7) 、 2.1 (1.5 ~ 2.8)
・gestodene: 1.8 (1.6 ~ 2.0) 、 1.9 (1.6 ~ 2.3)
・drospirenone: 1.6 (1.2 ~ 2.2) 、 1.7 (1.0 ~ 2.6)

■ ethinyl estradiol 20 μg投与量では
・desogestrel: 1.5 (1.3 ~ 1.9) 、 1.6 (1.1 ~ 2.1)
・gestodene: 1.7 (1.4 ~ 2.1) 、 1.2 (0.8 ~ 1.9)
・drospirenone: 0.9 (0.2 ~ 3.5) 、 0.0

■経皮パッチでは
それぞれ、 3.2 (0.8 ~ 12.6) 、 0.0

■vaginal ringでは
2.5 (1.4 ~ 4.4) 、2.1 (0.7 ~ 6.5)



経皮パッチといえど、卒中や心筋梗塞に対して副作用イベント増加関連が見られた。

比較的若年層である避妊薬でさえリスク関連性がある・・・

閉経に関わるホルモン補充療法に関して、専門学会見解の内外差が存在する。日本の専門家の見解は、自国で高品質エビデンス創出されてないくせに、有害性リスクを過小評価する傾向がある。


ホルモン補充療法推進に懸命な産経:日産婦と日本更年期医学会指針記事 2009年 04月 03日

USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る  2012年5月29日


いづれにせよ、ホルモン補充療法の場合、インフォームド・コンセントの重要性はさらに増している。
リスクを説明せずに、行われた場合、そのアウトカムに関して、処方医が一定責任を追及されるのは当たり前と思う。 

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