2012年6月18日月曜日

治療必要な無症状病原体保有者・・・保健所届け出必要

予想通り、潜在性結核感染の、届け出について、当方居住県では、随分誤解が蔓延していることがわかった。調べれば調べるほど、当方の県の実情はおかしい 。
非合法的行政処分が平然とおこなわれているのではないか・・・そういう疑念がもたげる。


関節リウマチなどに対する生物学的製剤投与頻度増加に伴い、潜在性結核感染の取り扱い急増しているはず・・・。法律は悪法であろうと、 遵守しなければならないはずなのだが・・・


 結核学会の雑誌の調査だと、“医学的ハイリスク者におけるLTBI の届出や登録については,結核患者との接触の有無にかかわらず,主治医の判断で治療が必要と判断された場合は,「届出が必要
で公費負担の適用は結核診査会で決定する」と答えたのが最も多く44 保健所(81%)であった”と法令通りの届け出応答体制なのが8割”・・・これが普通だと思う。



改正感染症法における結核対策(IASR Vol.28 p 190-192:2007年7月号)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/329/dj3292.html




感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-02-02.html

 (3)届け出基準
 イ無症状病原体保有者

医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の画像検査方法以外の左欄に 掲げる検査方法により、結核の無症状病原体保有者と診断し、かつ、結核医療を必要とすると認められる場合(潜在性結核感染症)に限り、法第12条第1項の 規定による届出を直ちに行わなければならない
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
5歳未満の者においては、この検査方法で病原体保有の確認ができない場合であっても、患者の飛沫のかかる範囲での反復、継続した接触等の疫学的状況から感染に高度の蓋然性が認められる者に限り、届出を行うこと。  

画像検査方法以外の左欄に掲げる検査とは、塗抹検査・分離・同定による病原体検出、拡散増殖法による病原体遺伝子の検出、病理検査における特異的所見の確認、ツベルクリン反応検査、QFT等となる。



第84回総会ミニシンポジウム Ⅳ. ハイリスク者の結核発病予防
Kekkaku Vol. 85, No. 1 : 47_60, 2010
http://www.kekkaku.gr.jp/ga/Vol.85%282010%29/Vol85_No1/Vol85No1P47-60.pdf
5. 潜在性結核感染治療者の管理上の問題 神戸市保健所 白井 千香

感染症法による潜在性結核感染症の法制度
2007 年に結核予防法が廃止され,感染症法に「結核症」が統合された。この法律では,法第12 条に基づき,結核は二類感染症に位置づけられ,患者(疑似症患者を含む)および無症状病原体保有者(ただし,治療を必要としない者は除く)を,最寄りの保健所へ直ちに届け出ることとなっている。つまり,治療が必要なLTBI は,年齢にかかわらず無症状病原体保有者として届け出る対象となった。従来の「初感染結核」のみならず,既感染者で免疫抑制剤を使用する者を含めて,顕性発症の前に治療を行う場合は届け出る必要がある。


 潜在性結核感染症における届出の意義
LTBI を届出の対象とする理由は以下のとおりである。
①コッホ現象や若年者が初感染結核と判明したような場合には,周囲の感染源探索のため接触者健診を行う必要がある。② LTBI の治療は脱落が多いので,服薬支援の対象とするべきである。③ LTBI の治療を行っても発病する可能性があるので有症状時の早期受診勧奨など,適切な健康教育をする必要がある。④ LTBI の治療は,欧米の低蔓延状況の国々で,結核の根絶に向けた重要な戦略となっている。

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note