2012年6月25日月曜日

シムビコート:SMART法 維持・発作時同一製剤使用法 解禁

シムビコート(ブデソニド:BUD/ホルメテロール:FOM)の用量自家判断戦略 SMART
Budesonide/Formoterol Maintenance Plus Reliever Therapy
A New Strategy in Pediatric Asthma
Hans Bisgaard, et. al. 
CHEST December 2006 vol. 130 no. 6 1733-1743

参考: シンビコート発売記念:シンビコート vs アドエア 2009年 11月 27日



Review  : Single maintenance and reliever therapy (SMART) of asthma: a critical appraisal
Thorax doi:10.1136/thx.2009.128504 
二重盲検トライアルでは、SMART法によるBUD/FOM治療でBUD単剤より喘息アウトカム良好で、BUD/FOM治療投与量を少なくできることが示された。
SMART治療患者の喘息アウトカムは不良で、SMART法でコントロールされた率は17.1%とかなり比率は少ない。6-12ヶ月管の7つのトライアルで、 quick reliever 使用荷重平均回数は、0.92吸入/日で、7-10日に1回喘息症状自覚(荷重平均日数比 11.5%)、半日以上喘息症状有り(荷重比率 54.0%)、重症増悪比率は、年間5人に1人(加重平均 重症増悪 0.22/人・年)。アウトカムが悪いのは、重症患者の登録が多いことを反映している。
ベースラインからの改善は 電子デバイスを検討しておらず、コンプライアンスと自家調整との関連も検討されてない。
しかし、現時点で、時々刻々変わる症状に基づくICS/LABA使用が果たして、通常の、医師主導モニター&補正ICS/LABAに比較して治療アウトカムが優秀かどうかは不明。
まだまだ、課題の多い使用法だと思う



思いつくだけで・・・
・ 患者の自覚症状にすべてお任せして治療を決める危険性
・ 最大吸入量に「保険上のしばり」のため、重症ほどレスキュー使用許容量少ない、軽症ほどレスキュー使用許容量多いという矛盾、そして、重症患者投与量である1日8吸入量では レスキュー使用分存在市内という矛盾
・ この薬剤を、レスキュー使用だけを行う危険性
・ コントローラーとレスキュー使用の概念崩壊
SMART療法を根拠とする患者群は比較的重症である。故に、重症患者にしぼってSMARTを認めるのが論理的と思うのだが・・・上記ごとく実は使用できないという矛盾

いったい、このへんな用法用量どうすんだよ





シムビコートタービュヘイラー30吸入/シムビコートタービュヘイラー60吸入

効能・効果

気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

**効能・効果に関連する使用上の注意

本剤は吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用による治療が必要な場合に使用すること。

**用法・用量

通常、成人には、維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2回吸入投与する。なお、症状に応じて増減するが、維持療法としての1日の最高量は1回4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として36μg)までとする。
維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追 加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入 する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。
維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。


 


処方例を考えてみた(この通り処方しても支払機関が認めるかどうかは知らないけど・・・)


ちょっと、注意したいのは、 定期吸入と屯用吸入は、別途処方記載が必要という説明を受けた



14/15日間処方
Rx)
 定期吸入:1日2吸入例
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本 1日2回1吸入
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本~3本(シムビコートタービュヘラー60吸入 2本という選択も?) 発作時1吸入(1日6吸入まで)

定期吸入:1日4吸入例
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本 1日2回2吸入
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本(シムビコートタービュヘラー60吸入 1本という選択も?) 発作時1吸入(1日4吸入まで)

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30日間分処方する場合

 定期吸入:1日2吸入例
・ シムビコートタービュヘラー60吸入 1本 1日2回1吸入
・ シムビコートタービュヘラー60吸入(状況によってはシムビコートタービュヘラー30吸入) 1本~3本 発作時1吸入(1日6吸入まで)

定期吸入:1日4吸入例

・ シムビコートタービュヘラー60吸入 2本 1日2回2吸入
・ シムビコートタービュヘラー60吸入(状況によっては、シムビコートタービュヘラー30吸入) 1本~2本 発作時1吸入(1日4吸入まで)
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Rescue useを最大限認めると、定期吸入使用量を凌駕することとなる。
 アストラゼネカ/アステラスの配付資料には実際その通り書いてあるし・・・



シムビコートSMART法導入には、喘息治療の概念を患者・家族がしっかり理解する必要がある 。
もちろん、処方する医師側の理解が大事なのはいうまでもないが・・・

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