血中adiponectinは喘息の将来リスク予想に役立つが、逆は成り立たない。
女性、特に、喫煙者において、血中adiponectin濃度は将来の喘息予防に対して何らかの対策に役立つかもしれないという筆者らの結論。
肥満という要素外に、adiponectin濃度が単独で将来の喘息発症に関わるとのことで、以前から、同じコホートで報告されている。
Association between asthma and serum adiponectin concentration in women
Thorax 2008;63:877-882 doi:10.1136/thx.2007.090803
女性に於ける血中adiponectinと喘息の逆相関を示した横断研究
Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) cohortの10、15、20年時データ利用
Low Serum Adiponectin Predicts Future Risk for Asthma in Women
Akshay Sood, et. al.
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012; 186: 41-47.
1450名の女性、ほとんど閉経後のプライマリ解析
15年時の血中adiponectin濃度(<7mg/L)は有意に20年時の喘息頻度リスク高値と相関することが多変量解析で示された (オッズ比, 2.07; 95% 信頼区間, 1.05, 4.10)、特に現行喫煙者において関連性がある (interaction P = 0.051)
さらに、女性に於ける喘息発症リスク推定上、血中adiponectinはBMIより重要
逆が必ずしも真ならず、10年時予測では、必ずしも15年時adiponectin濃度を予測できず 。
肺疾患とadipokineに関しては、以下のレビューが発表されている
Pulmonary Physiology and Pathophysiology in Obesity
Obesity, adipokines, and lung disease
Journal of Applied Physiology March 1, 2010 vol. 108 no. 3 744-753
adiponectinだけで無く、adipokine全般と喘息を含む肺疾患との関連性レビュー
肺疾患と肥満・adipokineの関連が要約されている。
肥満は喘息の独立したリスク要素、慢性気道閉塞性疾患でもリスク要素という報告。
メカニズム関連性は確立していない、炎症惹起性のadipokine、adiponectinすなわち、抗炎症性adipokineはマウスにおいて喘息 と原因的に関連性がある。
ヒトではこのことは結論的で無い。
特定集団である、閉経後女性では、血中leptin高値・血中adiponectin低値はそ の後の喘息予測と関連し、それは肥満と独立した関連性である。
血中leptin低値・血中adiponectin高値は逆に安定COPDと関連し、体脂肪が関連する。 leptinは、安定COPD患者の全身性・気道炎症促進的に働く。
一方、COPDは全身性・肺adiponectin発現をupregulateする。
正確なメカニズム・adipokineと肺疾患の重要性に関して、現時点では混乱中で有り、paradoxicalな状況が見られる。
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