2012年9月18日火曜日

サリドマイド:特発性肺線維症の咳嗽への治療効果

薬ってのは使いようであり、悪名高い薬剤でも使い方次第では良薬となる。

特発性肺線維症は乳がんに匹敵する人々が亡くなる病気である。そして、肋骨骨折などまで生じるようなひどい咳嗽に悩む日々をすごす人たちもいる病気である(参考:http://abcnews.go.com/Health/thalidomide-infamous-birth-defects-patients-deadly-idiopathic-pulmonary/story?id=17255742#.UFfgZVEsF8E)。

この咳嗽に対して、昨年から、サリドマイドが有効という報告が目につくようになった。


Thalidomide Treatment for Cough in Patients With Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Thalidomide for the Treatment of Cough in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: A Randomized Trial
Maureen R. Horton et. al.
Ann Intern Med. 18 September 2012;157(6):398-406

CQLQ スコア( Cough Quality of Life Questionnaire (CQLQ) score)は有意にサリドマイドで改善 (mean difference vs. placebo, −11.4 [95% CI, −15.7 to −7.0]; P < 0.001)
また有意に咳嗽VASスコアも改善 (mean difference vs. placebo, −31.2 [CI, −45.2 to −17.2]; P < 0.001)
サリドマイド服用被験者では、SGRQのスコア、SGRQ症状属性、SGRQインパクト属性ともプラシーボ服用被験者より改善
副事象はサリドマイド服用群 74%、プラシーボ群 22%で、便秘、めまい、不安(malaise)が多かった。



昨年、ヨーロッパの方でポスター報告
Thalidomide as treatment for IPF associated cough
Thorax 2011;66:A103 doi:10.1136/thoraxjnl-2011-201054c.88

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