2012年10月22日月曜日

スポーツアスリート: 米国vs欧州で異なるアスリートの心電図検査取り扱い

この2つの地域での、スポーツアスリートの心臓評価、特に、心電図考え方はかなり異なる。

競技スポーツ適否は、運動負荷心電図で判定すべき(ヨーロッパ vs 米国) 2008年 07月 11日


無症状対象者スクリーニング:安静・負荷心電図所見とその後の心血管イベント 2011年 09月 26日


スポーツ・アスリートの死亡事故は起きれば衝撃的だが、アスリート 10万人あたり 0.6とかなり頻度が少ないため、考え方の違いが生じている。


ESCの推奨:1-3年の検診推奨
Recommendations for interpretation of 12-lead electrocardiogram in the athlete
European Heart Journal (2010) 31, 243–259
doi:10.1093/eurheartj/ehp473
http://www.suc.org.uy/Articulos/Recommend12-leadECGathlete.pdf
Group1:洞性徐脈、1度房室ブロック、不完全右脚ブロック、早期再分極(参照)、 左室肥大QRS電位クライテリアのみ
Group2:T波陰転化、ST部位低下、病的Q波、左房拡大、左軸偏位/左枝ヘミブロック、右軸偏位/左後枝ヘミブロック、右室肥大、完全左脚ブロック或いは完全右脚ブロック、long- or short QT間隔、Brugada様早期再分極



A: Brugadaでは、STJ(J点)/ST80( 80msのポイント) 1.9
B:上段STJ/ST80 <1 (この場合0.7)
B:下段STJ/ST80 0.68
上記が、欧州のスクリーニングの考え方だが・・・


100万名近いアメリカ人アスリートがいるが、事前の心電図使用判断は曲がり角となっている。


14-35歳の1000名を越える研究で、新規心臓疾患診断はアスリートの2%程度アスリート毎に143$コストになると、Andrea Menafoglio (Ospedale San Giovanni in Bellinzona, Switzerland)。

平均19.9歳、 男性 75%、アイスホッケー選手 12%、平均週7.9時間のトレーニング、9年間平均。精査必要となったのは、6.3%、4%が心電図異常、1.4%が家族歴によるもの。身体所見によるものは1%未満。
大多数は運動負荷心電図で、一部に心臓MRI、ECG家族精査、Long QT症候群の遺伝子検査。

新規心臓疾患診断は、1.8%で、特発性心室性不整脈、特発性心房性不整脈、WPW心電図パターン。Long QT Syndrome type 1、 僧帽弁逸脱、大動脈二尖弁、収縮期高血圧などを含む。

「ロンドンマラソンの時は、5万名に1人だが、今日のその辺を歩いている250から500人に1人は死亡リスクがある。小国ではコスト効果的だろうが、アメリカでは異なる」という主張。
大動脈二尖弁を見つけても競技の参加可否に影響を与えたわけでも無く、無意味という主張。

Sudden Death: No Easy Answers on Screening Athletes
By David Pittman, Washington Correspondent, MedPage Today
Published: October 20, 2012
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/AcuteCoronarySyndrome/35449


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