2012年10月31日水曜日

小児ICU:血糖厳格コントロールでも脳発達に悪影響無し


高血糖・低血糖ともに脳の発達へ悪化的に働く、長期間フォローアップで、厳格な糖コントロールの有害性を排除し、短期ベネフィットを確認する必要があったということで、700名の子供での大規模ランダム化対照化トライアル


 Neurocognitive Development of Children 4 Years After Critical Illness and Treatment With Tight Glucose ControlA Randomized Controlled Trial
Dieter Mesotten, et. al.
JAMA. 2012;308(16):1-10. doi:10.1001/jama.2012.12424.


厳格な糖コントロール:1歳未満は50-80 mg/dL、1-16歳は 70-100 mg/dL
これにより、通常ケアに比べ、ICUの合併症、死亡率減少、しかし、低血糖(40 mg/dL未満)増加  (25% vs 1%)

インテリジェンス(full-scale intelligence quotient [IQ])を年齢補正し行う (Wechsler IQ scales)

ランダム化後、中間4分位[IQR] 3.9(3.8-4.1)年間

ICUでのTGCははフルスケールIQスコアと関連せず (median [IQR], 88.0 [74.0-100.0] vs 88.5 [74.3-99.0] for UC; P = .73)

アウトカム不良頻度増加せず (死亡・神経認知機能障害を含む重度障害: 厳格コントロール 19% [68/349] vs 通常 18% [63/351]; リスク補正オッズ比, 0.93; 95% CI, 0.60-1.46; P = .72)
インテリジェンス、視覚―運動統合発達、記憶ともに2群差認めず
厳格コントロール群は運動調整改善 (改善度 9% [95% CI, 0%-18%] ~ 20% [95% CI, 5%-35%]  all P ≤ .03) 、認知柔軟性 (改善度 19% [95% CI, 5%-33%], P = .02)

厳格コントロールの短期低血糖は神経認知機能アウトカム悪化と関連せず

 BMJ(BMJ 2012; 345 doi:  (Published 24 October 2012) Cite this as: BMJ 2012;345:e7065)でも同様報告。



一方、成人では、ICUにおいて、厳格なコントロールは死亡率増加を来たし、血糖180mg/dL以下目標の方が、81-108mg/dL目標より予後良好・・・
(The NICE-SUGAR Study Investigators N Engl J Med 2009; 360:1283-1297March 26, 2009DOI: 10.1056/NEJMoa0810625)

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