2012年11月1日木曜日

高コレステロール血症治療: 抗PCSK9抗体治験 (+スタチンでの効果)

NEJM報告で、抗PCSK9モノクローナル抗体の臨床の場での応用近くなったと考えて良いのだろう。
SanohとRegeneronが開発している抗PCSK9抗体「SAR236553/REGN727」が臨床試験フェーズIIIに入りました。PCSK9は肝臓でのLDL受容体と結合することで、これを分解する作用を持ちます。LDL受容体が減少すると血中のLDLレベルが上昇しますが、抗PCSK9抗体がPCSK9に結合することでLDL受容体との結合を阻害し、LDL受容体の分解を抑制します。これにより抗PCSK9抗体「SAR236553/REGN727」は、血中の LDLレベルを減少させることができるということになります。
http://pharm.yume-log.com/archives/201207-3.html
NEJM序文に同様のことが書かれている。

 血中proprotein convertase subtilisin/kexin 9 (PCSK9)は、役割として、LDL受容体に結合し、LDL受容体分解促進し、LDLコレステロールが循環中から除かれる比率を減少させる。完全なPCSK9ヒト・モノクローナル抗体、REGN727/SAR236553 (デザイン:SAR236553)はLDL受容体のリサイクリングを増加させ、LDLコレステロール値を減少させる

2つの多施設二重盲検・プラシーボ対照化トライアル


Atorvastatin with or without an Antibody to PCSK9 in Primary Hypercholesterolemia
Eli M. Roth, et. al.
October 31, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1201832

アトルバスタチン10mg/日×7週間治療でもLDL 100 mg/dL以上の患者92名

・アトルバスタチン 80mg 連日 + SAR236553 2週間毎
・アトルバスタチン 10mg 連日 + SAR236553 2週間毎
・アトルバスタチン 80mg+プラシーボ 2週間毎

ベースラインからのLDLコレステロール減少最小2乗平均 (±SE)比率
・アトルバスタチン80mg+SAR236553群 73.2±3.5
・アトルバスタチン10m+SAR236553群 66.2±3.5
・アトルバスタチン80mg+プラシーボ群  17.3±3.5

LDL 100mg/dL未満到達は、アトルバスタチン80mg+プラシーボの52%だが、SAR236553服用全患者では全員、同様に、LDL 70mg/dL未満到達は、17%、90%




http://www.nature.com/scibx/journal/v2/n22/fig_tab/scibx.2009.895_F1.html

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