2012年12月10日月曜日

喘息:服薬アドヒアランス改善で喘息合併症軽減、医療費軽減効果

喘息の有病率は米国内では成人7.7%、小児9.4%で、年間1700万件の受診回数で、45万件の入院の存在。抗炎症治療、吸入ステロイドなど有効な治療法により、肺機能改善、レスキュー薬投与回数減少、喘息関連QOL改善、喘息関連医療費軽減効果が確立し、抗炎症治療がガイドラインの中核となっている。しかしながら、服薬遵守性が問題。

服薬アドヒアランス改善で、どれほどのインパクトがあるか、シミュレーションした報告。


Modeling the Impact of Increased Adherence to Asthma Therapy
Schlender A, et. al.
PLoS ONE 7(12): e51139. doi:10.1371/journal.pone.0051139

【序文】喘息の薬物へのnon-adherenceは70%にものぼる。adherence回線の効果は定量化されてない。住民レベルで、医薬処方・adherence改善の効果を喘息で検討。 
【方法】U.S. NHLBI-funded SOCS trial のデータ構成とNHLBI SLIC trialの評価データを用い、数学モデルを喘息コントローラー処方・adherence増加の効果モデルに適応した。National Asthma Surveyサンプルから、住民シミュレーションとして4930名の喘息患者構成。主要アウトカムは、コントローラー使用、レリーバー使用、予定外受診、ED受診、病院入院。  
【結果】キャリブレーション時、SOCSトライアルアウトカム厳格適合シミュレーションアウトカムは、治療失敗ハザード比[95%信頼区間]は、プラシーボ群 0.92[0.58-1.26]、 サルメテロール群 0.97 [0.49–1.45]、トリアムシノロン群 1.01 [0–1.87]

評価時、中間ポイントと終了ポイントの治療失敗シミュレーションアウトカムは、ハザード比として、それぞれ、サルメテロール/トリアムシノロン群 1.21 [0.08–2.34] 、サルメテロール単剤治療群  0.83 [0.60–1.07]となる。

全研究期間を通して、サルメテロール/トリアムシノロン治療患者の不充分パフォーマンス・モデルでは、中間/終了時ハザード比は、それぞれ、0.83 [0.00–2.12] と 0.37 [0.10–0.65]

米国内では、至適なadherence/処方となるシミュレーションによると、adherenceと処方ギャップは類似することで、予定外受診 900万、ED受診 400万、喘息治療入院 100万を毎年減少させることが出来る。

【結論】薬物アドヒアランスと処方改善は、喘息合併症・医療費軽減につながる


SOCSトライアルの治療失敗率


SLICトライアルの治療失敗率



コントローラー・レリーバーに対する特定の処方率・アドヒアランス率毎の平均シミュレーションアウトカム率





うちらの田舎では、医者のガイドライン遵守性のほうが喫緊の課題

ICS使わず、テオドール  and/or オノン だもんなぁ・・・

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