とは言うものの、有病患者数の増加に伴い、呼吸器科外の非専門医にも、診療してもらわなければ対応できない。できるだけ、簡素な診断・管理マネージメントを一般医家に提示し、徹底させる必要がある。COPD患者の自己管理指導に加え、専任看護師によるサポートも選択肢になるだろうという考えもでてくる。
自己管理、ルーチンモニタリング、通常ケアでの群間比較
結論から言えば、患者QOLや自己評価では思うほどの効果はない。
急性増悪回数増加の可能性あり、急性増悪自己認識が高まったせいなのかもしれない。
自己管理群では、気管支拡張剤、ステロイド抗生剤使用多いほど急性増悪回数増加しているという気になる報告でもある。
Comprehensive self management and routine monitoring in chronic obstructive pulmonary disease patients in general practice: randomised controlled trial
BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e7642 (Published 28 November 2012)
Cite this as: BMJ 2012;345:e7642
【序文】COPD患者の一般臨床に於ける、疾患マネージメント(包括的自己管理・ルーチンモニタリング)の2つのモードの、QOL(プライマリ目標)と、“急性増加”の回数と患者マネージメント、自己評価(セカンダリ・目標)長期的影響評価
【デザイン】24ヶ月多施設、調査者盲目化、3群、プラグマティック、RCT
【セッティング】オランダ東部15のGP
【被験者】スパイロメトリ確認・GP治療COPD。呼吸器科医治療COPD重症は除外
【インターベンション】通常ケアのアジュバントとして包括的自己マネージメント管理を行う。
以下比較
・臨床ナース電話サポート
・ルーチンモニタリングを伴う4つのテーラー化セッションを含む年2-4回の構成コンサルテーション
・通常ケア(患者自己主導のみ)
【アウトカム】プライマリアウトカムは、24ヶ月後の chronic respiratory questionnaire total score測定のCOPD特異的QOLの変化
セカンダリアウトカムは、主に慢性呼吸疾患属性スコア、Nijmegen telephonic exacerbation assessment system評価による急性増悪回数・患者管理、COPD自己評価スケールによる自己評価
【結果】165 名を、自己管理(n=55)、ルーチンモニタリング(n=55)、通常ケア単独(n=55)24ヶ月時点での平均 chronic respiratory questionnaire total score 補正治療差分は有意でない。
セカンダリアウトカムも差を認めないが、例外は急性増悪管理
通常ケアに比較して、自己管理群の急性増悪回数は、気管支拡張剤管理群(オッズ比 2.81, 95% 信頼区間 1.16 to 6.82)、プレドニゾロン・抗生剤あるいは両剤管理群で多い (3.98, 1.10 to 15.58)。
【結論】COPDのGP管理に関してだが、包括的な自己管理、ルーチンモニタリングは、QOLや自己評価において、通常ケアを上回る長期的にベネフィットを与えない。
自己管理患者はより急性増悪対処能力は高いようではある。
“モニタリングをすればするほど、看護師の介入が多ければ多いほど・・・ QOLが改善”って理想論は現実の世界では存在しない。却って、コストを増大だけの可能性あり
別の発想のストラクチュアルな管理開発が望まれる
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