2012年12月5日水曜日

集中的e-LearningによりEBMスキル・知識向上

非英語母国語・低中所得国家において、集中的なe-Learningカリキュラムで、EBM教育効果の改善が認められるという報告

ご承知の通り、日本は、低中所得国では無いが、開業医や勤務医だけで無く、国家の医療行政を司る人間、指導的立場にいる医師たちを含め、EBMを一時的流行にしてしまい、いまでは、製薬メーカー大規模トライアルの宣伝だけが残渣として存在するような状況。

本来は、医師会や大学病院などの教育機関が、実践的EBM教育を不断に行うべきはずだったのだが・・・

日本ではEBMは根付かないどころか、自己利益誘導的な場面でしかEBMという言葉を使わない連中が増えてきた・・・


Effectiveness of a Clinically Integrated e-Learning Course in Evidence-Based Medicine for Reproductive Health TrainingA Randomized Trial
Regina Kulier, et. al.
JAMA 2012;308(21):2218-2225. doi:10.1001/jama.2012.33640

【序文】  エビデンスベースを修練的に行う臨床のため、EBM教育が臨床的にintegrateされるべきである。低中所得国家では、EBM訓練臨床指導者が乏しく、EBM教育のため割ける時間に乏しく、英語外の言語のデータベースへのアクセスの悪さが問題になる。
【目的】  WHO  Reproductive Health Library (RHL)を組み入れた臨床上のintegrated e-learning EBM courseの、知識、スキル、教育環境への効果を伝統的EBM教育と比較
aching.
【Design, Setting, and Participants】  国際的なクラスターランダム化トライアル、2009年4月から2010年11月まで、7ヶ国の低中所得国家(アルゼンチン、ブラジル、コンゴ、インド、フィリピン、南アフリカ、タイ)で、産婦人科卒後教育について行った
教育訓練単位として
・RHL使用e-moduleから構成される実験的な臨床的integrated course 、学習活動性・訓練者評価(31 クラスター, 123 名登録)
・対照:RHL導入した自己学習EBMコース (29 クラスター, 81 名登録)
EBM教育訓練facilitatorは、すべての教育ユニットで、利用できる。
コースは8週間、ベースライン評価とコース完遂後4週後評価
24の実験クラスター(98名登録)、22の対照クラスター(68名登録)完遂

【Main Outcome Measures】  プライマリアウトカムは、EBM知識(スコアレンジ、0-62)、スキル(スコアレンジ、0-14)
セカンダリアウトカムは教育環境(5ポイント Likert scale   1 [一致性高い] ~ 5 [不一致性高い])

【結果】  ベースラインでの年齢、トレーニング年数、EBM関連への考え方、知識は同様。
トライアル後実験群では知識スコア高度  (対照群 38.1 [95% CI, 36.7 to 39.4] vs 実験群43.1 [95% CI, 42.0 to 44.1]; 補正後較差, 4.9 [95% CI, 2.9 to 6.8]; P < .001)
スキルはも高度  (8.3 [95% CI, 7.9 to 8.7] vs 9.1 [95% CI, 8.7 to 9.4]; 補正後較差, 0.7 [95% CI, 0.1 to 1.3]; P = .02)
教育環境全般スコア改善に差は認めない (6.0 [95% CI, −0.1 to 12.0] vs 13.6 [95% CI, 8.0 to 19.2]; 補正後較差, 9.6 [95% CI, −6.8 to 26.1]; P = .25)が、全般的 relationships と support項目に関しては平均的改善(−0.5 [95% CI, −1.5 to 0.4] vs 0.3 [95% CI, −0.6 to 1.1]; 補正後較差, 2.3 [95% CI, 0.2 to 4.3]; P = .03) あり
EBM適応機会に関してもスコア改善有り (0.5 [95% CI, −0.7 to 1.8] vs 2.9 [95%, CI, 1.8 to 4.1]; 補正後較差, 3.3 [95% CI, 0.1 to 6.5]; P = .04).
【結論】  LMIC群において、生殖医療に関する臨床的な集中的e-Learning EBMカリキュラムのほうが、自己学習的EBMコースに比べ、知識・スキルスコアが高度と成り、教育環境の改善が見られる。

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note