2013年1月10日木曜日

小児・若年大うつ:グルタミン作動性過剰状態が特徴 

大うつの病態生理としてGABAの意味合いが大きくなってきた。皮質への経頭蓋磁気刺激及び抑制パラダイムが存在し、成人では検討され、治療応用までなされている。
e.g.)治療的利用のReview
Clinically Meaningful Efficacy and Acceptability of Low-Frequency Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation (rTMS) for Treating Primary Major Depression: A Meta-Analysis of Randomized, Double-Blind and Sham-Controlled Trials
Neuropsychopharmacology (19 November 2012) | doi:10.1038/npp.2012.237



小児では無かったとのこと。皮質GABA系toneを小児・思春期対象で調べたもの


Evidence for Increased Glutamatergic Cortical Facilitation in Children and Adolescents With Major Depressive Disorder  
Paul E. Croarkin, et. al.
JAMA Psychiatry. Published online January 09, 2013. doi:10.1001/2013.jamapsychiatry.24

横断研究になるが、24名の大うつ、22名の対照

主要アウトカムは 運動閾値(Motor Threshold:刺激により50%以上の確率で50μVのMEP振幅を誘発できる最低の刺激強度を運動閾値)、皮質内促通(intracortical facilitation:single-pulse TMS により得られた振幅値と比較して、 8~20ms の刺激内間隔時間(ISI)のpaired-pulse TMS により得られた振幅値が促通される効果) cortical silent period(刺激後、MEPが生じた直後から一時的に随意収縮による筋活動電位が消失する現象でその時間)、 intracortical inhibition(短間隔皮質内抑制:50-200msの刺激間間隔(ISIs)で閾値以上の条件刺激と試験刺激により引き出される抑制)

健康対照に比べ、うつ患者では、両側10 mSec、15 mSec間隔刺激で、有意に皮質内促進する。
皮質内抑制に関しては差を認めなかった。

小児・思春期うつ患者では、皮質内促進亢進し、グルタミン作動性過剰状態が存在する。

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