2013年2月13日水曜日

ABSSSI治療:短期Tedizolid vs リネゾリド 非劣性比較 ・・・ 合格

蜂巣炎・丹毒や重大皮膚膿瘍・創傷感染などのメチシリン感受性黄色ブドウ球菌による急性皮膚・皮膚組織感染症(ABSSSI)は、生命危機をもたらし、手術や入院の必要性もでてくる疾患である。薬剤耐性の問題で、使用制限が問題となる病態でもある。
Tedizolidphosphateは新しいoxazolidinoneで、ABSSSIのため開発された薬剤


以下のトライアルの結果、リネゾリド(ザイボックス)と、Tedizolid短期治療は同等の効果であることが判明した。

早期治療奏功率は、80%


"Tedizolid phosphate vs linezolid for treatment of acute bacterial skin and skin structure infections"
Prokocimer P, et al
JAMA 2013; 309: 559-569.
ABSSSIs治療への、6日間のTedizolidを、10日間のリネゾリド治療と比較した有効性・安全性評価(第3相、ランダム化二重盲験非劣性トライアル

プライマリ有効性アウトカムは、48-72時間後評価の早期臨床的奏功性(ベースラインと治療後の病変表面のひろがり、口腔体温37.6度以下、24時間内の体温測定確認)
非劣性限界を10%と事前定義

ITT解析セットで、早期臨床的そう効率は、
・ tedizolid群 79.5%(332名中)
・ リネゾリド群 79.4%(335名中)
治療差  0.1% [95% CI, −6.1% ー 6.2%])

治療終了時(day 11)持続的臨床的奏功率
・ tedizolid群 69.3% (95% CI, 64.0% to 74.2%)
・ リネゾリド群 71.9% (95% CI, 66.8% to 76.7%)
 (治療差 −2.6% [95% CI, −9.6% to 4.2%])

治療後評価のための受診時(治療最終受診日1-2週間後)研究評価臨床的治療成功率
・ tedizolid群 85.5% (95% CI, 81.3% to 89.1%)
・ リネゾリド群 86.0% (95% CI, 81.8% to 89.5%)
(治療差 −0.5% [95% CI, −5.8% to 4.9%),

原発病巣からのMRSA分離は178名で同様

リネゾリドの保険適応病名「本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」ってのに、感染症関連学会各位や厚労省のお偉いさんたちは疑問を抱かないのだろうか?

こんな適応にしてたら、培養感受性判明したとき・・・すでに重篤化って考えないのだろうか?

・・・ほんとに現場のわかってない、日本のアホ役人や学会のお偉いさんたちが多すぎる

上記論文とは主題が異なるが、検査ラボが整備されてない地域での急性皮膚・皮膚組織感染症(ABSSSI)治療に関して真剣に議論してほしいものだ

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