2013年2月13日水曜日

H. pylori:除菌後再発率1割あまり 治療遵守および家庭内子供、年齢、住居地域が重要な要素

H. pylori除菌適応拡大が近々とのことだが・・・どのような層別化がなされるのだろう?
日本では、年齢に関して、検診・診断・治療に関する選別化されることが少ないが、がん予防のための除菌なら、年齢制限すべきと思う。



話は違うが、除菌直後陰性でも1年後再発率は11.5%というのは以前聞いてた話と桁が違う。


以前は0-3%程度というのが常識だったと思う
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php

家庭内に子供がいること、居住地域の関与、年齢が、初期治療アドヒアランスとともに再発率に重要な役割を果たすことがわかった

"Risk of recurrent Helicobacter pylori infection 1 year after initial eradication therapy in 7 Latin American communities"
Morgan DR, et al 
JAMA 2013; 309(6): 578-586.



【目的】H. pylori再発リスクおよび除菌1年後の成功率と関連する要素決定のための研究


【デザイン・セッティング・被験者】コホート解析
被験者 ラテンアメリカ系住民 21-65歳、1463名のランダムトライアル

【介入】3つの治療群ランダム化
・ランソプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン(3剤治療)14日間
・ランソプラゾール・アモキシシリン 5日間 → ランソプラゾール・クラリスロマイシン・メトロニダゾール 5日間(連続法)
・ランソプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン・メトロニダゾール 5日間(同時法)

【測定】治療直後UBT陰性後例再感染率と1年後フォローアップ除菌成功要素

【結果】UBT陰性結果の被験者・1年フォロアップUBT施行例(n=1091)のうち
UBT陽性 125、再発リスク 11.5%(95% CI, 9.6%-13.5%)
再発は研究地域(p=.03)、初期治療非アドヒアランス(補正オッズ比 [AOR] 2.94, 1.31-6.13; p=0.01)、居宅内子供存在(AOR 1.17; 95% CI 1.01-1.35/子供あたり; p=0.03)

治療直後UBT陽性結果のうち、再治療完遂 138名、うち、1年後93名がUBT陰性

1年後UBT施行1340名のうち、UBT陰性はそれぞれ(p=0.61)
3剤治療 80.4% (95% CI, 76.4%-83.9%)
連続法治療  79.8% (95% CI, 75.8%-83.5%)
同時治療法 77.8% (95% CI, 73.6%-81.6%)

全体敏江の有効性は79.3%(95% CI, 77.1%-81.5%)

再治療効果無視の単一治療経過解析では、1年後のUBT陰性比率は72.4%(95% CI, 69.9% - 74.8%)で、研究地域と有意相関を認めた。

初期治療アドヒアランス   (AOR, 0.26; 95% CI, 0.15-0.42; P < .001)、男性 (AOR, 1.63; 95% CI, 1.25-2.13; P < .001)、年齢 (AOR, 1.14; 95% CI, 1.02-1.27 per decade; P = .02)が有意に相関。

登録被験者1463名のうち1年後有効率、UBT結果喪失を考慮して、72%(95% CI, 70.3%-74.9%)


【結論】H. pylori感染治療後1年で、UBT治療後陰性例での、再発率は11.5%
再発決定因子はたとえは、nonadherenceとか地理的要素などは、H. pylori除菌の長期成功における特異的レジメンの考慮上重要。

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note