2013年2月6日水曜日

米国終末期医療:メディケア医療費支払いから見た実態 ・・・ 在宅死ドグマは非現実的など明らかに

麻生副総理・財務大臣の終末期医療に関する発言が問題になったばかりだが、 米国でも死亡直前の医療費が問題になっている。

これを見ると、日本と違い、ホスピス施設がよく利用されていることがわかる。
死亡直前医療費を増大させないつもりなら、日本でも、本格的にホスピス施設の普及を検討した方が良いのかもしれない。この解説新聞記事でも、ホスピス導入があまりに遅すぎるとの著者らの解説が書かれている。日本の実態に比べればずいぶんましと思うが・・・
 

また、「一部医療関係者やマスコミ」が主張する「在宅死亡=理想」ドグマというのは、実態とはかなりかけ離れている。(元朝日新聞記者:大熊由希子などの)在宅死理想論が、ホスピスケア普及を阻害している部分があるのでは?


結論としては、急性期病院死亡者のメディケアの医療費支払いの2009年、2005年、2000年比較比率は少なくなってるが、死亡前1ヶ月でのICU使用、医療転送(終末期最後に病院やホスピス収容など)率が増加している

Change in End-of-Life Care for Medicare BeneficiariesSite of Death, Place of Care, and Health Care Transitions in 2000, 2005, and 2009
Joan M. Teno,  et. al.
JAMA. 2013;309(5):470-477. doi:10.1001/jama.2012.207624.


死亡前1ヶ月のメディケアサービスの種類と場所



全体的には人生最後の2週間で医療的な搬送を半数近くが経験している。
がんの診断死亡では、ホスピスサービス使用が増加し、特に、人生最後の週での増加が見られる。
 COPD診断の死亡例では、急性期病院への転送が多い
認知症診断死亡例では、ナーシングホームから最後の週にはホスピスへの転送が多い


臨死期医療サービス利用には、疾患毎特異性があり、そのことも配慮される必要があるだろう。何でもかんでも在宅死というドグマはあまりに乱暴

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note