2013年2月1日金曜日

メタアナリシス:レジンアンジオテンシン系二重遮断治療は勧められない

結論から言えば、レニンアンジオテンシン系(RAS)のdual blockade(二重遮断)は特定のアウトカム改善効果あるかもしれないが、死亡率減少せず、高カリウム血症・低血圧・腎不全悪化の超過リスクと関連。リスク・ベネフィット均衡を考慮すれば選別には反対せざる得ない


Efficacy and safety of dual blockade of the renin-angiotensin system: a meta-analysis of randomized trials.
Makani H, Bangalore S, Desouza KA, et al.
BMJ 2013; 246: DOI:10.1136/bmj.f360. 

RASのdual blockerを単剤使用と比較したランダム化対照トライアル
1年以上の長期、4週間以上の安全性イベント
サンプルサイズ最低50
心不全患者と非心不全患者層別化

RCT 33、58,405例(平均年齢61歳、男性 71%、平均施行期間52週)

RAS・dual blockadeは全原因死亡率にベネフィット認めず(相対リスク 0.97, 95% 信頼区間 0.89 〜 1.06) 、心血管死亡率にも同様 (0.96, 0.88 〜 1.05) 。

 単剤に比べ、dual therapyは18%ほど心不全入院減少 (0.82, 0.74 to 0.92)

しかし、単剤治療に比べ、高カリウム血症リスク55%増加と相関(p<0.001)
低血圧リスク66%増加(P<0.001) 、腎不全リスク 41%増加(P=0.01)、副作用による中断率27%増加(P<0.001)

有効性安全性結果は心不全の有無関係なく、コホートで一致したもの
例外は、心不全なしのコホートでの全原因死亡率(p=0.04 vs p=0.15)と、心不全コホートの腎不全有意増加 (P<0.001 v P=0.79)

Dual blockage の中身
ACE阻害剤+ARB n=22
ACE阻害剤+アリスキレン n=3
ARB+アリスキレン n=7
ACE阻害剤 or ARB + アリスキレン n=1

全原因死亡率



心血管死亡率


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