2013年2月1日金曜日

eGFR低下・尿中アルブミン増加による死亡・終末期腎障害予測に性別関係なし

日本の為政者やかれらが相談する連中は自分たちの懐や名誉がたかまることが優先で、介入に関する有害性と有益性を天秤にかけた実証的検討をしようなんて考えず、常に、「検診=すべて正しい、治療=手遅れで次善策」と考えているようだ。



慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ 2012/04/19


CKDに関わる検診をするなら、”CKDの病態”の詳細が問題なのではなく、実際に、検診をしてどのような介入効果あるいは有害性があるかを確認してから行うべきなのである。こういう功利的な考え方じゃなく、 自らの懐をあたためるため検診を主張する経済界の連中とかが太い態度で口出しするから、日本は無駄な検診が跋扈することとなった。

以下のメタアナリシスをみて、勘違いをするか、あるいは意図的世論誘導をおこなうのかもしれない・・・憂鬱

 あくまでも、現象論であり、意図的介入が効果あるかどうかは別問題

 男女とも、推定糸球体濾過率(eGFR)低値と尿中アルブミン量増加の指標は、全原因死亡率や心血管疾患死亡率、終末期腎障害リスク増加と関連するという報告。

慢性腎臓病のリスクの性差に関する報告があり、女性では、終末期腎障害の頻度が少ないことが示唆されたための研究。


Associations of estimated glomerular filtration rate and albuminuria with mortality and renal failure by sex: a meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f324 (Published 29 January 2013)

2,051,158名、女性 54%登録
うち、一般住民コホート高リスク n=1,861,052、高リスクコホート n=151,494、CKD n=38,612
CKDコホートを除いた登録コホートは最低1000名
アウトカムは死亡率 もしくは、50イベント異常の終末期腎疾患
ベースライン測定は、eGFR(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration equation (mL/min/1.73 m2)とurinary albumin-creatinine ratio (mg/g)

男性の方が、 全原因死亡率と心血管死亡率は、eGFR、アルブミン・Cr比すべてのレベルで高値。

高リスクは、eGFR低値およびアルブミン・Cr比高値と男女とも相関するが、
全原因死亡率、心血管死亡率に対するリスク相関の勾配は、男性より女性の方が急峻

eGFR 95と比較すると、
全原因死亡補正ハザード比は
eGFR 45において 女性  1.32(95% CI 1.08 to 1.61)  男性 1.22 (1.00 to 1.48)(p< 0.01)

尿中アルブミン・Cr比 5との比較で
尿中アルブミン・Cr比 30の場合 女性で  1.69 (1.54 to 1.84) 男性で 1.43 (1.31 to 1.57)

 逆に言えば、eGFRと尿中アルブミン・Cr比の終末期腎障害リスク予測に関し、性差がないということ


KDIGO 2012 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease.
Kidney Int. 2013;3:1-163 Suppl.
http://www.kdigo.org/clinical_practice_guidelines/pdf/CKD/KDIGO_2012_CKD_GL.pdf

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