2013年3月5日火曜日

マイスリー:老人介護施設転倒股骨折事故増加;新規使用、軽度・中等度認知症、移動部分介助者で影響大きい

zolpidem tartrate(マイスリー)、 eszopiclone(フルナイト)、 zaleplon(ソナタ)といった非ベンゾジアゼピン系薬剤

日本販売されてるのはマイスリーのみ
マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要 2012/11/21
SMART療法で全国に喘息患者に迷惑をかけてるアステラス製薬販売の薬


股関節骨折のリスクは、ナーシングホーム居住者で、上記薬剤使用者に多い
そして、新規使用、軽度・中等度認知機能障害、移乗での部分介助必要者でもっともその影響が大きい
ナーシングホーム居住者において、これらの薬剤処方時には注意をすべき

Nonbenzodiazepine Sleep Medication Use and Hip Fractures in Nursing Home Residents
Sarah D. Berry,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-8. doi:10.1001/jamainternmed.2013.3795.

学術研究下症例交差研究
50歳以上の米国ナーシングホーム長期滞在居住者15528名(2007年7月1日から2008年12月31日)

研究登録者のうち、転倒事故前非ベンゾジアゼピン系睡眠薬服用 1715(11.0%)
リスク暴露無し 927を含み検討。

被験者平均(SD)年齢 81.0(9.7)歳、女性 77.6%
股関節骨折リスクは非ベンゾジアゼピン使用で多い  (OR, 1.66; 95% CI, 1.45-1.90)
非ベンゾジアゼピン睡眠薬使用と股関節骨折の相関は新規使用者に若干多い   (OR, 2.20; 95% CI, 1.76-2.74) 、軽度 vs 中等度・重度認知障害で多い  (OR, 1.86 vs 1.43; P = .06)、 中等度 vs 総・重度機能障害 で多い (OR, 1.71 vs 1.16; P = .11)、 移動時限定的介助必要 vs 完全介助必要で多い  (OR, 2.02 vs 1.43; P = .02)、 Medicaid病床の少ない施設で多い (OR, 1.90 vs 1.46; P = .05)
研究解釈上の問題点として、
・処方量情報無し
・基礎疾患関与の可能性

老人施設入所者に対するマイスリー処方に関しては 十分な配慮が必要とMedpage
http://www.medpagetoday.com/Geriatrics/Sleepdisorders/37651

マイスリー&高齢者でググると、薬剤師がいかに製薬会社の宣伝文句に左右されているかがよくわかる。「処方数が多いから目立つ」だの、中には「高齢者向き」だの・・・後者は販売時のアステラスMRの宣伝文句だったやつ。・・・これが未だに効いてるようだ。

発売当時の「藤沢薬品工業株式会社」の宣伝
藤沢薬品工業株式会社は、同社、サノフィ・サンテラボ株式会社ならびに藤沢サノフィ・サンテラボ株式会社の三社にて共同開発した入眠剤「マイスリー錠」(一般名:酒石酸ゾルピデム)を12月13日に、新発売しますのでお知らせします。

 従来、不眠症治療の第一選択薬としてはベンゾジアゼピン系睡眠薬が使われていますが、中枢神経系にはこれらの薬剤に高い親和性を示すω(オメガ)受容体と呼ばれる受容体があります。ω受容体には2つのサブタイプがあり、ω1受容体は催眠鎮静作用に、ω2受容体は抗痙攣作用、抗不安作用及び筋弛緩作用に深く関与しているものと考えられており、不眠症の治療にはω1受容体に選択的に作用する薬剤の開発が待たれていました。
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/fujisawa/001211b.html
「ω1選択性=筋弛緩作用無し」と信じ込む人に良い医師・薬剤師さんたちが・・・未だに、転倒事故を誘発させている。

結論としては、アステラス製薬の営業は優秀だということ。そして、悪害を振りまく効果も抜群・・・。
「喘息発作がでたらシムビコート吸ってたら大丈夫ですよ」って言う(ベースの吸入ステロイド使用の重要性無視した)馬鹿医者を大量生産しつつあるのもここの営業活動が優秀なおかげ・・・。


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