糖尿病治療薬への好効果と心筋機能の評価を含む影響
低脂肪食先行でもある程度効果はあるが、E'(=early diastolic myocardial velocity by tissue-Doppler echocardiography)への影響は出現しない。低炭水化物食だと左室拡張機能の一指標への好影響があるということも・・・
von Bibra H, Wulf G, Pfützner A, Schumm-Draeger P-M. A low glycemic/insulinemic diet improves diastolic cardiac function and metabolic syndrome more than the traditional low-fat diet in overweight patients with type 2 diabetes. Prediabetes and the Metabolic Syndrome 2013 Congress; April 19, 2013; Vienna, Austria. Abstract 852.
heartwire: http://www.theheart.org/article/1531861.do#bib_1
低炭水化物ダイエットを従来推奨の低脂肪食と比較し、インスリン・血糖カーブの平坦化させ、経口血糖降下剤服用減少し、収縮期・拡張期血圧減少ということをねらっていた。
低脂肪食では、拡張期機能、薬物、血圧への明らかな影響認めず
32名の心血管疾患なしの過体重・肥満糖尿病患者(BMI平均 34)
減量のためのリハビリテーションプログラム、好気的運動のスーパーバイズ2時間を含む
それに、
・low-glycemic diet (炭水化物 25%、脂肪 45%、蛋白 30%)
・low-fat diet (炭水化物 55%、脂肪 25%、蛋白 20%)
最初、low-glycemic diet と low-fat dietを半分し、3週間行い、その後low-fat dietはlow-glycemic diet2週間追加
全てカロリー等価
エコーによる心機能、メタボリックパラメータを、400k-cal朝食前後比較
ベースラインから3週まで、low-carb dietでは、通常の経口血糖降下剤86%減少
3週間めの終了時点で、low-fat dietではわずか6%のみ、しかし、2週間のlow-glycemic diet終了時点では57%まで減量。
low-glycemic-diet群では、3週後、平均収縮期血圧は127 mmHg → 118 mm Hgへ減少し、拡張期血圧も減少 (p < 0.04)
low-fat-diet群では、どちらも減少せず
しかしながら、low-glycemicも、low=fatも同方向の影響。
低炭水化物
TG 150 → 111 p < 0.005
食後血糖 141 → 125 p < 0.04
E' (cm/s) 9.5 → 10.4 p < 0.03
低脂肪
TG 208 → 194 → 138 (低炭水化物へ交叉2週後) < 0.003 vs < 0.0004 vs baseline
食後血糖 168 → 137 → 127(低炭水化物へ交叉2週後 < 0.008 vs baseline
E' (cm/s) 10.8 → 10.7 → 11.4 (低炭水化物へ交叉2週後 < 0.02 vs 3wk
拡張期機能増加は血圧減少とは独立した影響で、low-glycemic dietによる心筋エネルギー利用効率改善のためではないかと発表者推定。
インスリン抵抗性はいくつかの機序で拡張機能障害に導くが、微少血管機能調整障害やミトコンドリアのブドウ糖・脂肪酸化のバランス欠如による心筋エネルギー欠乏が大きな影響を示すと考えているらしい。
PROBE法に頼り切り・製薬会社におんぶにだっこという上にねつ造醜聞(*, *)まで生じた日本の臨床研究・・・臨床研究全般への信頼性欠如とともに、糖尿病診療に限れば、ACCORD研究など、積極治療が良いといいながら真逆の結果が出てき糖尿病診療を間違った方向で指導してきた糖尿病専門家の言ってることってホントに正しいの・・・単に糖化ヘモグロビン改善して喜んでるオナニーじゃないの・・・ってことで、いざというときの説得力を無くしている、某糖尿病学会のおえらいさんたちがいまさら、「極端な」低炭水化物ダイエットに対し警告しているが、マスメディアから無視されている情けない現状。
事件例だが、極端な低炭水化物ダイエットで、自家中毒・尿中ケトン出現例を経験した。やはり極端から極端に走る人が居るわけで警告は重要だとは思うのだが・・・
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