重篤疾患常態にある乳児や未熟児で、発達過程にある子供たちに、生の音を聞かす。その中身も胎盤環境に類した音や、心拍音類似発生器具、生歌の子守歌でそれぞれに反応が違う。・・・示唆に富んだ実験。
Loewyのチームは、272名のRDS、敗血症、未熟児に対し、人工的音声、母親の子守歌など聴かせ、心拍、呼吸などを観察
"The effects of music therapy on vital signs, feeding, and sleep in premature infants"
Loewy J, et al.
http://pediatrics.aappublications.org/content/future/131/5
Pediatrics 2013.
子守歌で、赤ちゃんの心拍が低下する
そのeffect sizeは、 0.23 ( 95% CI, 0.05-0.41, p < 0.001)
加え、胎盤内のWhooshと類似した音を生み出すdisk-like instrument暴露で睡眠パターンは改善した(ES 0.26, 95% CI, 0.08-0.44, p < 0.001)
乳児のしゃぶり行動は、母体の心拍音に模した木製の箱で奏でる音からベネフィットあり (ES 0.14, 95% CI −0.04 to 0.32, P=0.01)
非常に脆弱な乳児にとって生存さえクリティカルなNICU環境では、深いな反響音刺激は、安静や発達に影響を与えてるのかもしれない。
新生児へ歌を歌うこと、録音を使用する研究は無数にあるが、自然な出生前の音と、関連音を強調するアプローチについては少なかった。装置にて作成した音が乳児のバイタルサインや呼吸に影響を与えた。
2週間×週2回3つの特異的介入を行った。
・親の歌 ; "Twinkle, Twinkle Little Star" あるいいは、個人的な、文化的な好みの子守歌
・ Remo ocean disk :小型金属ボールを含み、回転にて、子宮内環境での音に類似する音を発生
・gato box :柔らかい心拍音様
親の歌う子守歌の時、活動性増加 (ES 18, 95% CI 0.001 〜 0.36, P=0.05)
ocean diskやgato boxでは変化無し
ocean disk暴露後心拍減少 (ES 0.17, 95% CI −0.01 to 0.35, P=0.01)
ocean disk介入中、後、呼吸数増加 (ES 0.11, 95% CI, -0.07 〜 0.29, p = 0.07)
子守歌、gato boxでは認めず
gato boxは睡眠パターンの包括的改善認める (ES 0.11, 95% CI −0.07 to 0.29, P=0.08)
親の自己選択子守歌 48%、 残りは"Twinkle, Twinkle"
酸素飽和度は、"Twinkle, Twinkle"で改善(ES 0.16, 95% CI −0.02 to 0.34, P=0.01)
カロリー摂取量は、親の自己選択子守歌の方が改善効果有り (ES 0.17, 95% CI −0.01 to 0.31, P=0.01)。
そして、包括的摂食行動は、個別選択子守歌でのベネフィットが大きい (ES 0.13, 95% CI −0.05 to 0.31, P=0.02)
両親のストレスは、音楽番組で一般に減少 (ES 0.78, 95% CI 0.59 to 0.78, P≤0.001)
NICUでは、未発達な感覚器官故、過剰反応を示す乳児を刺激することになるとの今までの研究だったが、このようなことは今回の音楽暴露実験では生じなかった。
リズム、 timbre(音色)、 音のトーンという、音楽療法の特異的エレメントの分析で、音は、過剰刺激となるという先行報告に反するものであった。音楽療法士による、生きた、組織化された、随伴音、子守歌は、実際未熟児に対し、self-regulateを手助けさせると述べている。
親も音楽療法のバリエーションを容易に学習し、呼吸への影響に注意を払い、乳児に話しかけ、触れる。子供を抱くことの最初は、左胸にだき、直接心音を聞かすこと。乳児の旧呼気に合わせ、アーとため息をソフトにすることでも役立つ。
音楽療法で、生の音楽や、歌を聞かすことは、未熟児の発達は、家族中心に行い、文化や同調的影響に特化したものであるべきということが明らかになった。
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