2013年5月2日木曜日

「リラクセーション反応」のトランスクリプトームへの影響:ミトコンドリアATPase、インスリン、NF-κBのfocus hub判明

ストレス、すなわち、fight-or-flight responseの反対の心理学的・心理状態は、リラクセーション反応(弛緩反応):relaxation response (RR)である。心身相関に関連する様々な介入にて慢性のストレス減少介入や、リラクセーション反応を誘発するwellnessの促進介入などがなされている。結果、ストレスによる臨床的悪影響に対する効果が、高血圧、不安、不眠、糖尿病、リウマチ、加齢などで示されている。

リラクセーション反応は、言語、音、フレーズ、繰り返しの祈り、動作、悟りなど含まれる。瞑想、ヨガ、念仏、祈りなども含まれる。これらは、生物化学的同調的な変化、すなわち、酸素消費量を減らし、炭酸ガス排泄を減らし、心拍・呼吸数を減少させ、ノルエピネフリン反応を減少させ、心拍変動を減少させ、脳の皮質・皮質下領域の変化をもたらす。

リラクセーション反応により生じる、エネルギーメカニズム、インスリン、炎症性経路へのトランスクリプトーム変化の研究


Relaxation Response Induces Temporal Transcriptome Changes in Energy Metabolism, Insulin Secretion and Inflammatory Pathways
Bhasin MK, et. al.,
PLoS ONE 8(5): e62817. doi:10.1371/journal.pone.0062817


リラクセーション反応(RR)は、ストレス反応の逆。数千年も前から、リラクセーション反応は実践されていた。瞑想、ヨガ、祈祷の繰り返し。
高血圧、不安、不眠、加齢などの病的状態でのストレスの臨床的悪影響に対抗して、RRを治療介入として行おうとする動きはあるが、基礎となる分子メカニズムは未だ不明。

数年ものリラクセーション反応実践健康被験者と、RRトレーニング8週間前後初心者の、1セッションのRR実践中のrapid time-dependent (temporal) genomic changeの評価のため、RR-誘発、健康教育CD視聴の前、直後、15分後の末梢血transcriptome測定

短期間・長期間実践者ともに、有意名遺伝子発現変化が見られ、初心者に比べ後ほど明確になる。

RR実践は、エネルギー代謝、ミトコンドリア機能、インスリン分泌、テロメア維持と相関し、炎症性反応やストレス関連経路に関わる遺伝子発現を減少させる。

RR-関連経路のinteractive network analysisにて
ミトコンドリアATP synthaseとインスリンが、トップのupregulateされた分子(focus hubs)
NF-κB経路遺伝子が、トップのdownregulateされたfucus hubsとして同定された

結果、リラクセーション反応参加すること、特に、長期間継続後、特に、そのdownstream的健康ベネフィットをもたらす。それは、ミトコンドリア・エネルギー産生、しそて、ATPaseとインスリン機能のupregulationを通して、ミトコンドリアのresirency(弾性)促進的に働くためである。
ミトコンドリア弾性は、また、リラクセーション反応による促進を、ストレスを緩和するNF-κB関連upstream及びdownstreamターゲットによりもたらす。

高血圧への瞑想法の有効性 ・・・ 薬剤服用遵守性改善だけの効果? H24/11/05

well-being、共感、患者中心ケアへの態度の改善が見られた、念的瞑想を含む医師生涯学習 2009年 09月 24日

心血管疾患既往患者: 瞑想法により心血管アウトカム改善 H24/11/15 

マインドフルネスベースストレス軽減トレーニング:老人の孤独さ改善し、炎症惹起軽減効果も?H24/12/07


0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note