2013年6月11日火曜日

糖尿病老人:認知症と低血糖イベントとの相互関係

糖尿病老人において、低血糖と認知症は相互方向性関連

要するに、低血糖イベントある場合その後認知症発症しやすく、認知症発症有ると低血糖イベント発生しやすい


Association Between Hypoglycemia and Dementia in a Biracial Cohort of Older Adults With Diabetes Mellitus
Kristine Yaffe, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-6. doi:10.1001/jamainternmed.2013.6176.

重要性  低血糖は、糖尿病患者でよくある訳で、認知的パフォーマンス上悪影響を与える。逆に、認知障害は、糖尿病管理に影響を与え、低血糖の原因ともなる。

目的  糖尿病老人のbiracial cohortによる前向きに低血糖と、認知症の関連評価

デザイン・セッティング 前向き住民研究

被験者 783名の糖尿病老人 (平均年齢 74.0歳、 黒人人種/民族 47.0%、 女性 47.6%)を前向き住民ベースの 1997年スタートの Health, Aging, and Body Composition Studyで、80以上の修正MMSE

主要アウトカム 認知症診断をフォローアップ期間病院カルテ(認知症関連入院、処方薬)で決定
低血糖イベントは、フォローアップ中の病院 カルテで決定

結果  12年間フォローアップ中、低血糖イベント 61名(7.8%)、 認知症発症 148(18.9%)
低血糖イベント経験者は、低血糖イベント未経験に比べ、認知症発症リスク2倍 (34.4% vs 17.6%、 p < 0.001 ; 多変量補正ハザード比、2.1; 95% CI, 1.0-4.4)


同様に、認知症発症糖尿病老人は、認知症非発症者に比べ、その後の低血糖イベントリスクは大きい (14.2% vs 6.3%, p < 0.001 ; 多変量補正ハザード比 3.1; 95% CI 1.5- 6.6)
卒中、高血圧、心筋梗塞、認知機能変化スコア補正後も同様。

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