2013年7月12日金曜日

1型糖尿病では、タイプA性格で冠動脈性心疾患死亡リスク減少 ・・・ うつの影響が少ない方が重きが置かれる

テレビ番組の稚拙化が一因と思うが、性格ステレオタイプ分別によるくだらない言葉のやりとりが、いろんなところでなされている。医療関係者ですら、タイプAの行動はすべて心血管へ悪影響とされてきた。


1型糖尿病において、type A行動 (Bortner Rating Scale指標)と、冠動脈性心疾患(CAD)の関連性についての知見によれば、そのステレオタイプな考えはやめた方が良いことがわかった。

"Rosenman, & Bortner(1977)は WCGS のデータをもとに 40 以上のタイプ A 構造化面接 の関連変数について比較し,患者群とコントロール群の有意な差は,敵意,外交的怒り,1 1 度以上の怒りの経験,行列で待つ苛立ち,元気な答え,激しやすい反応などであった と述べている.同様にHecker, Cheseney, Black, & Frautschi(1988)やDembroskiら (1985)もタイプ A のいくつかの要素と CHD の関連を調査し,その中で敵意性の重要性 を指摘するようになっている."
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/2964/3/Honbun-3900.pdf

本来は、このタイプAというのは、元気でいらだちやすく、激しく反応しやすい正確で、冠動脈性心疾患リスクを増やすという分類にはいるのだが・・・


1型糖尿病では逆にタイプA行動が利益的に働く



Type A Behavior and Risk of All-Cause Mortality, CAD, and CAD-Related Mortality in a Type 1 Diabetic Population
22 years of follow-up in the Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications Study
Catherine E. Fickley, et. al.
Diabetes Care Published online before print July 8, 2013, doi: 10.2337/dc13-0266

目的 1型糖尿病において、type A行動が全原因死亡率、冠動脈疾患(CAD)発生頻度予測となるか?


研究デザイン・方法 小児期発症1型糖尿病 Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications (EDC) study フォローアップデータ(22年間)、506名のの被験者で Bortner Rating Scale (measuring type A behavior) と Beck Depression Inventory (BDI) をベースライン(1986–1988)として検討。
CADは病院記録/心電図Q波、心筋梗塞、CAD死亡(死亡分類委員会決定)、血管造影狭窄所見、虚血性心電図、狭心症の組み合わせ判断


結果 フォローアップ中128名(25.3%)死亡

単変量解析にて、Bortnerスコアと全原因死亡率の逆相関 (p = 0.001)
年齢、性別、期間、HbA1c、教育、喫煙、BMI、身体活動性補正後も有意差残る (p=0.03)

しかし、BDIスコア追加検討にて・・・
この相関は減弱 (p=0.11)したが、有意相関存在 (p=0.03)
BDIスコア低値患者(5分位下位3群)での死亡への予防的影響は限定的 (p=0.07)
しかし、BDIスコア高値患者では影響認めず (P = 0.97)

Bortnerスコアは、CAD発生に関して境界的有意差みとめる (P = 0.09)


結論  type A行動性の高い1型糖尿病患者では、全原因死亡率低下
BDIスコアの低い一群でのみoperativeだったことから、うつの症候的意義による関連と考えられる。この関連性の理解のためにはさらなる検討が必要だが・・・



0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note