1型糖尿病において、type A行動 (Bortner Rating Scale指標)と、冠動脈性心疾患(CAD)の関連性についての知見によれば、そのステレオタイプな考えはやめた方が良いことがわかった。
"Rosenman, & Bortner(1977)は WCGS のデータをもとに 40 以上のタイプ A 構造化面接 の関連変数について比較し,患者群とコントロール群の有意な差は,敵意,外交的怒り,1 週 1 度以上の怒りの経験,行列で待つ苛立ち,元気な答え,激しやすい反応などであった と述べている.同様にHecker, Cheseney, Black, & Frautschi(1988)やDembroskiら (1985)もタイプ A のいくつかの要素と CHD の関連を調査し,その中で敵意性の重要性 を指摘するようになっている."
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/2964/3/Honbun-3900.pdf
本来は、このタイプAというのは、元気でいらだちやすく、激しく反応しやすい正確で、冠動脈性心疾患リスクを増やすという分類にはいるのだが・・・
1型糖尿病では逆にタイプA行動が利益的に働く
Type A Behavior and Risk of All-Cause Mortality, CAD, and CAD-Related Mortality in a Type 1 Diabetic Population
22 years of follow-up in the Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications Study
Catherine E. Fickley, et. al.
Diabetes Care Published online before print July 8, 2013, doi: 10.2337/dc13-0266
目的 1型糖尿病において、type A行動が全原因死亡率、冠動脈疾患(CAD)発生頻度予測となるか?
研究デザイン・方法 小児期発症1型糖尿病 Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications (EDC) study フォローアップデータ(22年間)、506名のの被験者で Bortner Rating Scale (measuring type A behavior) と Beck Depression Inventory (BDI) をベースライン(1986–1988)として検討。
CADは病院記録/心電図Q波、心筋梗塞、CAD死亡(死亡分類委員会決定)、血管造影狭窄所見、虚血性心電図、狭心症の組み合わせ判断
結果 フォローアップ中128名(25.3%)死亡
単変量解析にて、Bortnerスコアと全原因死亡率の逆相関 (p = 0.001)
年齢、性別、期間、HbA1c、教育、喫煙、BMI、身体活動性補正後も有意差残る (p=0.03)
しかし、BDIスコア追加検討にて・・・
この相関は減弱 (p=0.11)したが、有意相関存在 (p=0.03)
BDIスコア低値患者(5分位下位3群)での死亡への予防的影響は限定的 (p=0.07)
しかし、BDIスコア高値患者では影響認めず (P = 0.97)
Bortnerスコアは、CAD発生に関して境界的有意差みとめる (P = 0.09)
結論 type A行動性の高い1型糖尿病患者では、全原因死亡率低下
BDIスコアの低い一群でのみoperativeだったことから、うつの症候的意義による関連と考えられる。この関連性の理解のためにはさらなる検討が必要だが・・・
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