2013年7月9日火曜日

ARBクラス内比較:66歳以上・糖尿病・高血圧患者 入院リスク減少効果あるのは、テルミサルタン・バルサルタン


私は、ARB全般に疑念をもってる。さらに、醜聞にバルサルタン(ディオバン)の知見に疑念をいだいてる関係者も多いと思うが、横断研究だが、理論的にはPPARγ特性による説明が正しいなら、そうなのかもしれない。

ARBの中では、テルミサルタン(ミカルディス)はまし、そして、バルサルタンも・・・という話

Comparative effectiveness of angiotensin-receptor blockers for preventing macrovascular disease in patients with diabetes: a population-based cohort study
CMAJ July 8, 2013 First published July 8, 2013, doi: 10.1503/cmaj.121771

序文:テルミサルタンは、他のARBと違い、PPARγのpartial agonist特性を有し、故に、小規模トライアルながら、糖尿病患者において、心血管健康候補マーカーの改善と関連するという報告もある。しかし、この特性がほんとに心血管イベントリスク減少するかどうかは不明。
糖尿病患者において、ARB服用患者に於ける、 心筋梗塞、卒中、心不全リスクの検討

方法: 66歳以上の糖尿病患者、オンタリオ居住者住民ベースの後顧的コホート研究
カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、バルサルタン
(2001年4月から2011年3月31日)


プライマリアウトカムは、急性心筋梗塞・卒中・心不全入院組み合わせ

セカンダリアウトカムは、個別アウトカムと、全原因死亡率


結果:
研究期間中ARB服用している糖尿病 154,186名


多変量因子補正後、イルベサルタン(イルベタン、アバプロ)比較にて
テルミサルタン服用(補正ハザード比 [HR] 0.85, 95% 信頼区間 [CI] 0.74-0.97])
バルサルタン服用 (補正HR 0.86, 95% CI 0.77–0.95) では複合アウトカムリスク減少。


逆に、イルベサルタンと他のARBに、リスクの有意差認めず


セカンダリ解析にて、テルミサルタンでは(イルベサルタン比較において)心不全入院率のリスク減少を認めた  (補正 HR 0.79, 95% CI 0.66– 0.96)

しかし、他のセカンダリ解析ではARB毎の有意な差は認めず





結論:  糖尿病・高血圧高齢者において、 他のARBに比べ、テルミサルタンとバルサルタンは、急性心筋梗塞・卒中・心不全入院リスクを減少させる。



これらの患者において、テルミサルタンとバルサルタンは故に選択としてよいのではないか。
あくまで、横断研究だし、「66歳以上、糖尿病・高血圧症」についての検討


ただ、文字通りなら、ミカルディス、ディオバンを好んで処方したくはなる

ブロプレス(カンデサルタン)っていったいなんだったんだろ

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