2013年7月9日火曜日

MOGEN研究:十分な睡眠時間は、従来健康要素に、心血管疾患リスク減少 追加効果 

従来の健康ライフスタイル4つの要素(十分な運動、健康な食事、適正飲酒、非喫煙)に追加して、十分な睡眠時間という指標を加えても、心血管疾患(CVD) リスク減少追加効果がある。



Sufficient sleep duration contributes to lower cardiovascular disease risk in addition to four traditional lifestyle factors: the MORGEN study
European Journal of Preventive Cardiology July 3, 2013 2047487313493057


十分な身体活動(週3.5時間以上のサイクリング、スポーツ)、健康食(Mediterranea Diet Score 5点以上)、(適正)飲酒、非喫煙、十分な睡眠時間(7時間以上)を自己評価

前向きコホート・MORGEN study(ベースライン;男性 8128名、女性 9759名、20-65歳・CVD無し)

フォローアップ 10-14年間
CVD複合イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞・卒中) 607イベント、致死的なのが129イベント

健康ライフスタイル要素無しもしくは1つに比べ、4つの従来の健康ライフスタイル要素があれば、複合CVDイベント 57%減少(HR 0.43、 95% CI 0.31-0.59)、 致死的CVDのリスク67%減少 (HR 0.33, 95% CI 0.16-0.68)

4つの従来ライフスタイルに加え、十分な睡眠を加えると、複合CVDリスク65%減少(HR 0.35, 95% CI 0.23–0.52)し、致死的CVDは83%減少 (HR 0.17, 95% CI 0.07–0.43)する




睡眠薬による不自然な睡眠に関する報告ではない

睡眠時間と健康イベントの相関に関する報告って、一般市民に対しては、「十分眠らないと早死にすると・・・不眠に対する恐怖感」をあおることにもなる。日常診療において、不眠に対する恐怖は無視できない存在であり、臨床家の安易な睡眠薬投与につながりかねない。



睡眠薬と死亡率の関連 ;年18回分処方ですら死亡率増加 2012/02/29
「睡眠薬の適切使用を」 初の指針 → ベンゾジアゼピン系・向精神薬全体の問題なのに・・・限定的に問題化する恣意性を感じる 2013/06/13


例えば、デパス依存に関して、同業者に話しても、それってそんなに悪いことなの・・・と言われたが、そんなに悪いことなのだ! 現場の危機感が足りなすぎる。


ジェネリックだらけになった睡眠薬、抗精神病薬 ・・・ 製薬メーカーからの医師への働きかけ、本腰になるはずもなく・・・

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