2013年7月1日月曜日

リチウムは気分障害患者の自殺率を低下させる

気分障害は全般的な機能障害をもたらす疾患で、米国内生涯発生確率は31.4%。単極性と双極性が分かれる。自殺リスクは6%-20%で、精神疾患を有しない場合に比べ、10倍居で、26%にも及ぶ。

薬物が重要な役割を果たすが、その役割はunderestimateされている可能性があるという報告

リチウムに限定しての話だが・・・


Cipriani A, et al "Lithium in the prevention of suicide in mood disorders: updated systematic review and meta-analysis" BMJ 2013; DOI: 10.1136/bmj.13646.

システマティックレビュー&メタアナリシス

48のランダム対照化トライアル(被験者 6674、 15の比較)

リチウムは、プラシーボに比較して、自殺減少(オッズ比 0.13, 95% 信頼区間 0.03 〜 0.66)、全原因死亡減少   (0.38, 0.15 to 0.95)

意図的自傷予防に対してリチウムのベネフィット明確でない (0.60, 0.27 〜 1.32)

単極性うつでは、リチウムは、プラシーボ比較で、自殺リスク減少と相関(0.36, 0.13 〜 0.98)し、また、総死亡数減少  (0.13, 0.02 〜 0.76) と相関

リチウムをactiveな個別治療と比較したとき、有意差は、意図的自傷行為に対するカルバマゼピンに対してのみであった。

リチウムは他の比較要素と比べ、統計学的指数差は小さいが、良好である

結論としては、リチウムは、気分障害患者において、自殺リスクを低下させる有効な治療法である。リチウムは、気分障害再発を減少することによる抗自殺効果として働いてるのではないか。だが、リチウムは攻撃性減少及び衝動性に関しても若干のエビデンスが有り、メカニズムに関して追加的知見が必要。他にも関連するメカニズムも考慮される。

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