2013年7月18日木曜日

低放射線量CT検診:喫煙者でも低リスク群では死亡軽減ベネフィット乏しく、偽陽性率が多い

NLSTで、低放射線量CTにより、55-74歳、30pack-years以上・禁煙15年未満において、肺がん死亡率20%減少の結果がえられているが、肺がんリスクに応じた肺がん検診の部値一途と内在性リスクに関しては未知でった。


放射線リスク以外に本来精査・治療介入必要でない症例を拾ってしまうなどのリスク・有害性がある検診というのは、リスク層別に応じて戦略的行われるべきで、その根拠も必要。

以下をみると、リスク低い場合に行われる低放射線量CT検診では、死亡回避ベネフィットは少なく、過剰検査や治療を誘発する偽陽性数増加させることとなる。


Targeting of Low-Dose CT Screening According to the Risk of Lung-Cancer Death Stephanie A.  et. al.
N Engl J Med 2013; 369:245-254July 18, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1301851

【方法】低放射線量CT検診被験者NLST26,604名の有効性、偽陽性結果、肺がん死予防数のばらつき評価を胸部レントゲン被験者26,554名と比較
肺がん死5年リスクの5分位比較(低リスク群[分位1] 0.15-0.55% から 高リスク群[分位5] 2.00%超)

【結果】レントゲン群と比べた場合のCT検診による予防した肺がん死亡数は、1万人年あたり、リスク5分位に従い増加
分位1 0.2
分位2 3.5
分位3 5.1
分位4 11.0
分位5 12.0
(p=0.001 トレンド)


検診による肺がん死予防あたりの偽陽性被験者数は、リスク5分位毎に減少
分位1 1648
分位2 1181
分位3 2147
分位4 64
分位5 65


肺がん死高リスク被験者(分位3〜分位5)の60%が、検診により予防できた肺がん死の88%に相当し、偽陽性の64%に相当。

低リスク被験者(分位1)の20%は、肺がん死予防できた比率のわずか1%に過ぎない。


【結論】 低放射線量CT検診は、高リスク被験者の肺がんによる死亡数を大幅に減少、そして、より低リスク群では予防できる死亡数はわずか。
リスクベースの検診を支持する所見であった。




喫煙リスクない人にも放射線リスク説明していない検診が行われている現状・・・担当に近い人にこの問題伝えても放置している。


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