放射線被曝の関連で、甲状腺結節の超音波検査クローズアップされている。
超音波検査による甲状腺結節性病変管理は、担当者の大きな関心事だろう
福島県県民健康管理調査 甲状腺検査マニュアルなどhttp://clearinghouse.main.jp/wp/?p=726
上記で用いられている指標;http://clearinghouse.main.jp/web/fukushima_m027.pdf
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形状、境界の明瞭性・性状、内部エコーのエコーレベル・均質性など主観的なものが多い
対して,下記報告は、比較的明瞭である。
Risk of Thyroid Cancer Based on Thyroid Ultrasound Imaging Characteristics
Results of a Population-Based Study
Rebecca Smith-Bindman, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():-. doi:10.1001/jamainternmed.2013.9245.
超音波検査による甲状腺結節性病変管理にはばらつきがある
超音波画像特性に基づく、甲状腺結節性病変の甲状腺がんリスク定量化の試み
後顧的症例対照研究
研究期間中 11,618の甲状腺検査、8806名、105名の甲状腺がん診断。
甲状腺結節病変は、甲状腺がん診断患者に多く、96.9%
甲状腺がんの診断されてない患者では、56.5%
超音波による結節の3つの特性のみが甲状腺がんリスクに関わる所見である
・ 微小石灰化:microcalcifications (odds ratio [OR], 8.1; 95% CI, 3.8-17.3)
・ 2cmを超えるサイズ OR, 3.6; 95% CI, 1.7-7.6)
・ 完全なsolid composition (OR, 4.0; 95% CI, 1.7-9.2)
もし、これらのうち特性1つを、生検適応として用いるなら、甲状腺がんの多くを検出可能 (sensitivity, 0.88; 95% CI, 0.80-0.94)
ただ、偽陽性率高く(0.44; 95% CI, 0.43-0.45)、陽性尤度低い (2.0; 95% CI, 1.8-2.2)
がん診断1例あたり56生検が必要。
もし、2つ用いるなら、感度・偽陽性率はより低くなる (sensitivity, 0.52; 95% CI, 0.42-0.62; false-positive rate, 0.07; 95% CI, 0.07-0.08)、陽性尤度比は高い (7.1; 95% CI, 6.2-8.2)、そして、がん診断1例あたりの生検数は16となる。
甲状腺結節 5mm超の全部生検するのに比べ、結節特性異常を2つとする、より厳格なルールで適切な生検がなされ、90%まで不要な生検数を減らすことができ、がんリスクは低いまま(未生検1000名あたり5名)
甲状腺結節取り扱い診療ガイドライン 2013
ダイジェスト版だけでも公開してくれれば・・・
乳頭がんが多く、濾胞がんが少ない、穿刺吸引細胞診が保険診療下で広まっていること、アイソトープ治療の未普及など我が国の独自性を強調されているとのこと。であれば、甲状腺診療のガイドラインくらいは、無料公開するのが本筋では?
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