2013年8月5日月曜日

心血管自律神経障害:抗酸化三剤治療効果認めず

1型糖尿病患者での心血管性自律神経障害(CAN: cardiovascular autonomic neuropathy)と心筋血流量測定値への3種抗酸化治療の効果についての検討


Effects of triple antioxidant therapy on measures of cardiovascular autonomic neuropathy and on myocardial blood flow in type 1 diabetes: a randomised controlled trial
R. Pop-Busui, et. al.
Diabetologia 

ランダム化平行プラシーボ対照化トライアル、全ての被験者・調査者は目隠し
心血管自律神経反射試験、PET[11C] meta-hydroxyephedrine([11C]HED)、[13N]アンモニア検査、アデノシン負荷試験
酸化ストレスマーカーとして24時間尿中F2- isoprostane測定

糖尿病性末梢性神経障害は症状、徴候、電気生理、上皮内神経細胞密度で評価。
1型糖尿病・軽症・中等症CANを有する登録成人 44名(平均 46±11歳、HbA1c 58 ± 5 mmol/mol (7.5 ± 1.0%))、虚血性心疾患エビデンス無し

介入: 抗酸化治療(アロプリノール、αリポ酸、nicotinamide)  or プラシーボ 24ヶ月

主要アウトカム:24ヶ月時点での全般的[11C] HED retention index(RI)


44名の被験者(各グループ 22名)、年齢、性、トライアル内HbA1c補正後、抗酸化レジメンでは、対プラシーボ比較で、主要アウトカムである、24ヶ月時点での全般的[11C]HED左室RIの軽度だが、有意悪化あり (−0.010 [95% CI −0.020, −0.001] p = 0.045)

全般MBF、冠動脈流量reserve、DPN、酸化ストレスのマーカーに関して、 フォローアップ時点での有意差認めず

副作用大部分は、軽症・中等症だが、群間差認めず


酸化ストレスってのは、様々な病態の説明に使われているが、臨床的効果は今ひとつどころか、副作用の方が問題になることも。従来の抗酸化治療薬とされる薬剤のターゲットがおおざっぱすぎるのでは・・・


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