骨粗鬆症椎体骨折への脊椎強化治療への効果報告は選択バイアスが多く、効果不明
Major Medical Outcomes With Spinal Augmentation vs Conservative Therapy
Brendan J. McCullough, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;173(16):1514-1521. doi:10.1001/jamainternmed.2013.8725.
【重要性】
骨粗鬆症椎体圧迫骨折へのspinal augmentation (vertebroplasty or kyphoplasty) の症状へのベネフィットは議論様々。医療支払い住民ベース研究にて保存治療に比べ、spinal augmentationによる死亡率有意減少の報告がある。しかし、非ランダム化状況であり、選択バイアスの可能性があり、結果に影響を与えていると考えられる。
【目的】 骨粗鬆症椎体骨骨折治療としてのspiral augmentationと保存治療の重大医療アウトカム比較。付加的に、施行前アウトカムを用いた選択バイアスの評価及びpropensity score analysisを行った。
【デザイン・セッティング・被験者】 椎体骨骨折新規診断のメディケア報酬請求後顧的解析(2002-2006 年)、30日、1年アウトカムを比較
・spinal augmentation (n = 10 541)
・保存治療 (control group, n = 115 851)
アウトカム比較は、患者住民統計指標補正・合併症状況補正の従来の多変量解析
9017対マッチ化propensity scoreを検討し、同じアウトカムを比較
【介入暴露】 Spinal augmentation (vertebroplasty or kyphoplasty) vs 保存治療
【主要アウトカム・測定項目】 死亡率、 重大合併症、医療リソース利用
【結果】 既存共役因子補正後、対照群より、augmented群で、有意に、死亡率低い (5.2% vs 6.7% at 1 year; ハザード比, 0.83; 95% CI, 0.75-0.92)
しかし、介入する以前のaugmented群患者群、すなわち、施行前サブグループ群と呼び、この群では、医学的合併症率が、対照群に比べ、骨折後30日間で少ない (6.5% vs 9.5%; odds ratio, 0.66; 95% CI, 0.57-0.78)、これは、医学的重症度が元々低かったことを意味する。
より選択バイアス斟酌したpropensity score後、1年死亡率は両群で有意差認めなくなる。
さらに、1年後重大医学合併症は2群同様で、医療リソース(入院、ICU利用、高次ナーシング施設)利用は増える。
【結論・知見】 選択バイアス斟酌後、spinal augmentationでは、死亡率改善認めず、重大医学的アウトカム改善も認めない。それどころか、医療リソース利用が増加する。
これは、診療報酬要求データ解析にて、認知されてない寄与要素補正後ミスリーディング結論に着眼した結果の報告である。
日本の診療報酬体系もこれくらいの寄与要素補正したデータで検討しなきゃ・・・
整形・運動系機能的疾患治療・診断にも、選択バイアスが深く関与した知見が多い
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