2013年10月29日火曜日

就学前貧困具合は、子供の脳の容積、学習に関わる領域の容積も減少する ・・・保護者やストレスイベントの影響示唆

世界的レベル貧困なのか、米国や日本のような先進国内での貧困なのかが問題だが、 この場合は、米国セントルイス市・託児所やプライマリケアから登録された対象者検討

3−6歳MRIを検討し、心理社会・行動・他の発達指標評価
5−10歳まで年次行動評価
主要アウトカムは白質は皮質灰白質の脳容積評価、海馬・扁桃体容積(MRI)
前向き検討対象は、就学前保護者サポート・敵意性、ストレス的生活イベント

就学前の貧困具合は、白質・皮質灰白質・海馬・扁桃体の容積減少と関連し、学習・記憶だけでなく脳の全般的機能低下をもたらす。多分に保護者のありかたが影響を与えていると思われ、また、ストレスフルな生活状況が脳の発達へ悪影響を与えていることが明らかになった

"The Effects of Poverty on Childhood Brain Development: The Mediating Effect of Caregiving and Stressful Life Events"  
Luby J, et al. 
JAMA Pediatr 2013; DOI: 10.1001/jamapediatrics.2013.3139. 

 貧困性は、白質・皮質灰白質容積減少と相関し、海馬・扁桃体容積減少と相関する

そして、海馬容積への影響は、保護者サポート・敵意性により左右の容積に影響され、特に左側の容積はストレスフルな生活により影響を受ける。

若年期貧困性は就学時脳の発達に影響を与え、小児発達への貧困の影響への配慮の重要性が確立したものと考えられる。
とくに、保護者の影響やストレスフルなライフイベントから海馬へ影響が見られる。
公衆衛生面での施策として参考になるだろう


身体的虐待だけでなく、心的虐待が、こどもの脳の発達へ悪影響を与えることの根拠ともなる。心的虐待への介入が行政的対策として早急に求められる・・・という解説。

貧困は、認知機能不良アウトカムリスク増大と相関し、就学機能悪化と関連することは既知であった。ワシントン医科大学の研究で、画像検査とこの関連性を明らかにした報告である。白質・灰白質全般に、そして、海馬・扁桃体といった局所的にも影響をあたえることが画像上示された。
そして、新たな知見の一つとして、保護者のあり方そして、ストレスフルなイベントが、海馬容積減少と関連することが明らかになった。


日本では、生活保護カットが政治的話題になっている。年金支給額の遙か上、その上最低賃金を凌駕する給付額への批判は当然だと思う。ただ、無為に生活保護カットされると、考えられるのは、その心的ストレス。そして、その子供の脳の発達への悪影響・・・生活保護スパイラル形成が生じるのではないか? 小泉政権で跋扈した福祉行政コストカッターがマスメディアを中心に跋扈するようになった。生活保護が親の遊興費に変わるのはもってのほかだが、子供への悪影響とならないような配慮が必要と・・・

貧困による心的ストレスって、その所得絶対値じゃなく、周辺との格差よる心的問題であるのかもしれない。ストレスにより、子供が悪影響を受けるって・・・子供にとってはとても迷惑な話。

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