2013年10月16日水曜日

重症患者:骨格筋消耗はすぐに、かつ、急激に進行する

重症患者の骨格筋の消耗が急激に生じる

栄養状態を改善しても肉にならない可能性も示唆・・・では、運動療法やEMS早期介入すべき


Acute Skeletal Muscle Wasting in Critical Illness
Zudin A. Puthucheary, et. al.
JAMA. 2013;310(15):1591-1600. 

【序文】  重症患者生存者は骨格筋消耗著明で、機能障害と関連する。

【目的】 包括的前向きな骨格筋消耗特性、蛋白合成・蛋白破壊の病態的変化を検討

【デザイン・セッティング・被験者】63名の重症患者(男性 59%、平均年齢 54.7歳[95% CI, 50-59.6歳]、APACHE II スコア 23.5(95% CI, 21.9-25.2)
18歳超で登録、挿管 48時間超、集中治療7日超、ICU期間は生存

【主要アウトカム・測定】  筋肉量減少は大腿直筋横断面積(CSA)超音波連続測定(day 1、3、7、10日)
患者サブセットにおいて、筋繊維CSA面積領域を、蛋白/DNAとともに定量化、day 1、day 7。組織病理解析施行。加え、筋蛋白合成、破壊率、それぞれのシグナリング経路を特性化・

【結果】  day  1での大腿直筋CSA減少有意 (−17.7% [95% CI, −25.9% to 8.1%]; P < .001)
3測定手段評価された28名の患者、day1 day7 では、大腿直筋CSAは、10.3%(95% CI , 6.1% to 14.5%) 減少、筋繊維CSAは17.5%(95% CI, 5.8 to 29.3%)減少、蛋白/DNA 比は、29.5%(95% CI, 13.4% to 45.6%)減少

大腿直筋CSA減少は、day 7までの間に多臓器不全経験患者で、単臓器不全患者に比べ、特にその程度が大きく (多臓器不全 −15.7%; 95% CI, −27.7% to 11.4% vs 単臓器不全−3.0%; 95% CI, −5.3% to 2.1%) (P < .001)、day 3まででさえ (−8.7% [95% CI, −59.3% to 50.6%] vs −1.8% [95% CI, −12.3% to 10.5%]; P = .03)差が認められる。
筋繊維壊死は、20/37 (54.1%)で認められる。

タンパク質合成速度1日あたりに合成されるタンパク質の体全体に占める割合測定である筋蛋白区分合成率測定による、筋肉での蛋白合成比率は、day 1で減少 (0.035%/hour; 95% CI, 0.023% to 0.047%/hour vs 飢餓状態健康対照者 0.039%/hour; 95% CI, 0.029% to 0.048%/hour) (P = .57) 、 day 7では食事摂取健康対照者と相関する増加を示す (0.076% [95% CI, 0.032%-0.120%/hour]; P = .03 vs 食事摂取健康対照:0.065%/hour [95% CI, 0.049% to 0.080%/hour]; P = .30)、しかし、 これは、栄養負荷状態とは関連しない。

下肢蛋白破壊は被験期間中増加持続 (8.5 [95% CI, 4.7 to 12.3] to 10.6 [95% CI, 6.8 to 14.4] μmol of phenylalanine/min/ideal body weight × 100; P = .40).

細胞内シグナル化パターンでは、蛋白破壊促進  (n = 9, r = −0.83, P = .005) 、蛋白豪勢低下decreased synthesis (n = 9, r = −0.69, P = .04).
【結論・意義付け】  重症患者において、筋肉の消耗は、初期1週間のうちに、早期に・急激に生じる。多臓器不全ほど程度が重く、これらは、重症骨格筋消耗に関する知見


Thoraxでも同報告あるし・・・




0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note