急性胃腸炎後の神経障害による小腸内細菌過剰増殖(SIBO)と関連する抗ビンキュリン抗体
ビンキュリン(vinculin)
http://www.cstj.co.jp/products/4650.html
カットオフ値 0.8として、それを超える場合、特異度81%、陽性的中率 93%
American College of Gastroenterology
Source reference: Pimentel M, et al "Anti-vinculin antibodies: Multicenter validation of a diagnostic blood test for irritable bowel syndrome" ACG 2013; Abstract 8.
http://www.nature.com/ajg/journal/v108/n1s/pdf/ajg2013270a.pdf?WT.ec_id=AJG-201310
【序文】IBSの一定程度に急性胃腸炎後発症する例がある。ヒト・動物研究から急性胃腸炎からneuropathic event発生し小腸内細菌過剰増殖(SIBO: small intestinal bacterial overgrowth)を生じることが示されている。
胃腸炎の原因として知られるCytolethal distending toxinB (CdtB)は、分子的類似性および、vinculin自己抗体としてのプロセス上、重要。
多施設研究にて、健常者とIBD(炎症性腸疾患)と比較して、IBS予測因子として評価。
【方法】18−65歳のRome陽性IBS患者をCedars-Sinai Medical Center and Beth Israel Deaconess Medical Centerから登録。合併胃腸疾患、胃腸手術既往、癒着、不安定甲状腺疾患、糖尿病、HIV除外。
健康対照を胃腸症状アンケートに基づき登録。IBDに関しては専門三次医療機関から登録、Crohn病と潰瘍性大腸炎は生物製剤治療既往、現行ステロイド治療は除外。
【結果】IBD 165名、 IBD 30名、健康対照 26名で評価。各グループ住民統計背景同様。
全体から言えば、抗vinculin抗体・ELISA法の光学的濃度は、IBD・健康対照に比べ、IBSで高値。IBS登録の2つの主要センターとも同様の結果で再現性ありという印象。
急性胃腸炎病歴の場合特にこの抗体が高い。
【結論】抗vinculin抗体は、非IBSに比べ、IBSで高い。IBSの血清診断法として有望で、胃腸炎後のIBSの病態に関わるメカニズムがこの抗体に関係するとも考慮される。
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ACG/42282
IBS診断はその他疾患可能性除外の上、Romeクライテリア適応するが、このクライテリアは非特異的で、67%という報告もある。血清診断など他のクライテリアが必要とされるなか、有用な報告になるかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿