2014年1月9日木曜日

CHiP研究:小児重症ICU患者:厳格血糖コントロールと通常コントロールで主要臨床アウトカム差認めず、でも、コスト軽減あり

小児重症ICU患者で、厳格血糖目標管理は重大な臨床的アウトカムに影響を与えないという結論だが・・・結果を見ると、コストでは厳格コントロール群の方が良好なのだが・・・


A Randomized Trial of Hyperglycemic Control in Pediatric Intensive Care
Duncan Macrae, et. al.
for the CHiP Investigators
N Engl J Med 2014; 370:107-118January 9, 2014
DOI: 10.1056/NEJMoa1302564


【背景】 重篤な小児高血糖tight control のためインスリン注を行うべきか、不明。

【方法】 16歳以下の小児ICU、12時間以内人工呼吸必要・昇圧剤必要見込み
・tight 血糖コントロール:目標 72-126 mg/dL
・通常血糖コントロール:目標 216 mg/dL未満

プライマリアウトカムは、ランダム化後30日での生存日数と人工呼吸無使用
難治例除外心臓手術後主要事前層別サブグループ解析
病院及び地域医療サービスのコストも評価

【結果】 イギリス13センター総数1369名をランダム化:tight血糖コントロール 694、通常コントロール 675:60%は心臓手術

30日目生存日数・人工呼吸不要・群間差平均は、0.36日 (95% 信頼区間l [CI], −0.42 to 1.14);  サブグループ毎の差影響認めず

重度低血糖( < 36 mg/dL)は、tight コントロール群で、通常コントロール群より多い(7.3% vs 1.5% p < 0.001)

平均12ヶ月間コストは、tightコントロール群で低コスト、心臓手術後のサブグループに限っては12ヶ月間コストは同等。心臓手術外ではtightコントロール群が通常群より13120米ドル少ない  (95% CI, −$24,682 to −$1,559)


【結論】この多施設ランダム化トライアルでは、重度小児疾患ICU患者において厳格血糖コントロールは主要臨床的アウトカムに影響を与えず、低血糖については厳格コントロールで発生頻度多い。
(Funded by the National Institute for Health Research, Health Technology Assessment Program, U.K. National Health Service; CHiP Current Controlled Trials number, ISRCTN61735247.)

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